ロイヤルカナン猫用「肝臓サポート」を解析!口コミ評判も
mofmo編集部です。
ペットの健康を考えたフードとして有名な「ロイヤルカナン」は、動物病院がすすめる食事療法食も提供していますが、特に肝疾患の猫に特別に配慮した食事療法食「肝臓サポート」があります。 今回は「ロイヤルカナン 肝臓サポート」の原材料や成分を徹底分析しました。
「ロイヤルカナン 肝臓サポート」の原材料と成分
WaitForLight/shutterstock.com
では早速「ロイヤルカナン肝臓サポート」の原材料と成分を分析してみましょう。
原材料は以下のとおりです。
米、動物性油脂、コーン、超高消化性小麦タンパク(消化率90%以上)、超高消化性豚タンパク(消化率90%以上)、コーングルテン、植物性繊維、加水分解動物性タンパク、チコリー、魚油、大豆油、フラクトオリゴ糖、酵母エキス(マンノオリゴ糖含有)、マリーゴールドエキス(ルテイン源)、アミノ酸類(DL-メチオニン、L-アルギニン、L-リジン、タウリン、L-カルニチン)、ミネラル類(K、Ca、Cl、P、Zn、Fe、Mn、I、Se)、ビタミン類(コリン、E、C、ナイアシン、B2、パントテン酸カルシウム、B1、B6、A、葉酸、ビオチン、B12、D3、K3)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル)となっています。
では気になる原材料を詳しく見てみましょう。
穀物
肝臓サポートの原材料欄を見てみると、第一原材料に「米」が使用されています。
さらに第三原材料に「コーン」さらに「コーングルテン」といった穀物が使用されています。
これら穀物は主に炭水化物源として用いられています。
本来、完全肉食動物である猫にとって、必要な栄養素は肉や魚から摂取できる動物性たんぱく質です。
ですからキャットフードも肉や魚がメインになった高たんぱくのものが望ましいのです。
しかし肝臓が弱っている猫にとって負担となるのは「高たんぱく」です。
なぜならたんぱく質はエネルギーに変える段階でアンモニアが発生しますが、これのアンモニアが肝臓に負担をかけてしまうからです。
また肝臓が弱っているときは適度な炭水化物も必要です。
なぜなら炭水化物が不足してしまうと、たんぱく質や脂肪をエネルギーとして使うため、肝臓に負担となるアンモニアが発生してしまう原因となるからです。
そのため「肝臓サポート」では肉や魚は一切使用されておらず、穀物が主体になっています。
たしかにたんぱく質量を抑えつつ、炭水化物が摂取できる穀物は肝臓を患っている猫にとって良い食材に思えるかもしれませんが、猫は穀物の消化を苦手としています。
完全肉食動物である猫は、イネ科の穀物の消化吸収を大変苦手としています。
穀物を消化するためにはアミラーゼという酵素が必要なのですが、猫の唾液にはアミラーゼが含まれていません。
さらに穀物はゆっくり腸内を進むことで時間をかけて消化吸収されるのですが、猫の胃は小さく腸も短いため穀物の消化には適していません。
そのため穀物を摂取すると消化器官に負担をかけてしまい、消化不良をおこしたり、アレルギーを起こすことがあります。
せっかく肝臓のことを考えてたんぱく質を抑えているのに、穀物によって消化器官に負担をかけてしまっては意味がありませんね。
また肝臓サポートでも使用されている「トウモロコシ、小麦」は猫がアレルギーになりやすい食材といわれています。
たしかに肝臓サポートで使用している穀物は消化性にも配慮していることはわかります。
第一原材料に使用されている米は、穀物の中でもビタミンやミネラル等が豊富であり、比較的消化にも良い穀物といわれていますし、超高消化性小麦タンパクは消化率90%以上ということですので、消化器官への負担を考えているのでしょう。
しかしこれらはイネ科の穀物であることには変わりありません。
原材料欄の上位にきているので穀物の含有量がかなり多いことが予想できます。
そのため消化不良やアレルギーの危険性があります。
今はアレルギーがなくても食べ続けていくうちにアレルギーが発症する可能性もあります。
ですから本当に猫の体のことを考えるなら、消化に良く炭水化物源にもなる栄養価のあるイモ類や豆類などがおすすめです。
油脂
続いて脂質について見てみたいと思います。
脂質は猫の美しい皮膚や被毛の維持をサポートしたり、脳や目の成長を助けたり、エネルギーとして用いられます。
しかし上記でも述べたように肝疾患の猫にとって、脂肪はエネルギーに変化するときアンモニアを発生させるため、肝臓に負担をかけてしまいます。
ですから適度な脂肪が含まれたフードが望ましいです。
肝臓サポートでは「動物性脂肪、魚油、大豆油」が脂質として使用されています。
大豆油には不飽和脂肪酸であるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、魚油にもオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸がバランスよく配合されているので、美しい皮膚や被毛のサポートを期待できます。
さらに魚油にはEPA、DHAが豊富に含まれており、健康な脳の成長や目の成長をサポートしてくれます。
しかし肝臓サポートで使用されている「動物性脂肪」というのは愛猫家が避けたいとする原材料の一つともいわれています。
動物性脂肪というのはただ動物の脂肪というあいまいな表現のため、何の動物の脂が使用されているのか全く分かりません。
魚油も同じです。
ただ魚油というだけではどんな魚から取られた脂なのかわかりません。
もしかしたら複数の獣の脂をブレンドして使用しているかもしれません。
また本来なら破棄にするような粗悪な部位から搾り取った脂や、病気で薬物汚染された家畜の肉、病気や事故で死んで腐りかかっている家畜の肉から絞りとった脂を使用している可能性もあります。
このような動物性脂肪の特徴は酸化がとても早いので、必ずといってよいほど保存料や酸化防止剤が使われています。
これら保存料や酸化防止剤の中には発がん性やアレルギーといった健康被害を及ぼすリスクが高いものもあります。
そして動物性脂肪に使用する保存料や酸化防止剤というのは原材料欄への記載が義務ではないため、どれだけ強力な酸化防止剤がどれほどの量添加されていても消費者の私たちにはわかないのです。
ですから本当に信頼できるキャットフードの場合は「鶏脂、サーモン油」などどんな油を使用しているか、さらに油脂に使用している酸化防止剤も明らかにしています。
危険な添加物を使用している可能性の高い動物性油脂は、肝臓の弱っている猫にとっても危険です。
肝臓は解毒する臓器であるため、肝臓が弱っている猫にはなるべく肝臓の負担にならないものを与えなければなりません。
しかし添加物は毒素となって肝臓に大きな負担をかけてしまいます。
これらの理由から動物性脂肪はおすすめできる油脂とは言えないのです。
しかも肝臓サポートでは第二原材料に動物性脂肪が来ていることを考えると、かなりの量使用されていることが予想できます。
たしかに動物性脂肪を粒の表面に吹きつけることで嗜好性の高いフードに仕上がります。
しかし本当に愛猫の体のことを考えるなら、動物性脂肪は避けたい原材料の一つですね。
酸化防止剤
もう一つ気になる原材料が酸化防止剤の使用です。
油脂を使用しているキャットフードは、時間の経過とともに酸化するという問題点があります。酸化したフードは品質が劣化し、風味も悪くなるため食いつきが悪くなったり、からだの調子が悪くなるといった問題点があります。 そのためフードが酸化しないように酸化防止剤の使用は欠かすことができません。
そこで肝臓サポートでは「BHA、没食子酸プロピル」が酸化防止剤として使用されています。 酸化防止剤の使用は欠かせないものの、肝臓サポートで使用している酸化防止剤はとても強い合成酸化防止剤です。
「BHA」は元々はガソリンの酸化防止剤として使用されていました。ところが後に酸化防止効果が高いことから食用への酸化防止が認められ限定的に使用されるようになりました。 しかし動物実験の結果、発がん性や呼吸困難や歩行障害などが起こることが確認され、他にもアレルギー発症というリスクもあるため、現在では人間用の食品への使用は制限されており、ほとんど見られることはありません。
「没食子酸プロピル」も強力な合成酸化防止剤です。食用のバターやマーガリンの他に、化粧品などに使用されています。 しかしこちらも動物実験の結果、発がん性や内臓疾患の危険性がある添加物であることが明らかにされてきました。 非常に強い酸化防止剤でBHAよりも強力だともいわれています。
ロイヤルカナンの公式サイトを見ると「一日の摂取許容量を守っているので、毎日食べても健康に影響はない」また「BHAは摂取してから2日で体外に排出されるので蓄積されない」と述べて、安全性を公表しています。 しかしからだに悪影響があるかもしれないとわかっている添加物を使用しているのはやはり不安ですね。
なんといっても合成添加物は肝臓の負担となるので、せっかく肝臓に負担にならないフードを選んでいるのに、添加物が含まれていては意味がないと考えられます。
酸化防止剤の中には、安全性の高い天然由来のビタミンEやハーブ抽出物などがあるので、できればこのようなからだに負担にならない安心できるものを使用してほしいですね。
成分
では「ロイヤルカナン肝臓サポート」の成分を見てみましょう。
以下のとおりです。
たんぱく質25.3g、脂質21.4g、食物繊維10.7g、灰分6.7g、水分5.4g(単位/400kcal)、カロリー411kcal/100gとなっています。
肝臓サポートの成分を見てみると、なんといってもタンパク質量の低さに目がいきます。
肝臓への負担に配慮していることがわかります。
また肝臓の働きが弱まると銅が異常蓄積することがあるので、それを防ぐために、銅の含有量は0.49mgとかなり抑えられています。
一般的なキャットフードはたんぱく質がエネルギー源となっていますが、肝臓サポートの場合はエネルギー源であるたんぱく質が抑えられているので、炭水化物が多めになっています。
そのためカロリーも高めになっていますね。
炭水化物は体内で糖に変化するため、摂取しすぎると肥満になる恐れがあります。
ですから肥満に注意しましょう。
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