
有名な『カルカン キャットフード』は猫にとってどう?詳しく解説!

mofmo編集部です。
猫を飼っている人なら『カルカン』を知らない人はいないのではないでしょうか?カルカンはドライタイプ、パウチタイプ、缶タイプがあり、それぞれ子猫用、成猫用、シニア猫と分かれています。そんな「ねこ、まっしぐら」の『カルカン』ってどのようなものなのでしょうか?今回はそんな『カルカン』について調べてみました。

原材料と成分
では、どんな原材料が使われているのか詳細を見ていきましょう。
ここではカルカンのオーソドックスな【成猫用 かつおと野菜味】を見て見ましょう。
原材料
穀類(とうもろこし、小麦等)、肉類(チキンミール、チキンエキス等)、大豆、家禽類、植物性タンパク、油脂類(パーム油、大豆油等)、魚介類(かつおエキス、フィッシュエキス等)、野菜類(ほうれん草、にんじん等)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、E、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸)、ミネラル類(亜鉛、カリウム、カルシウム、クロライド、セレン、鉄、銅、ナトリウム、マンガン、ヨウ素、リン)、アミノ酸類(タウリン、メチオニン)、酸化防止剤(クエン酸、BHA、BHT)、着色料(赤102、青2、黄4、黄5)、pH調整剤、保存料(ソルビン酸K)
成分表
タンパク質28.0%以上、脂質10.0%以上、粗繊維 3.0%以下、灰分9.0%以下、水分12.0%以下、カルシウム 1.00%、リン 0.90%、タウリン 0.10%、リノール酸 1.00%、マグネシウム 0.09%、ビタミンE 80IU/kg、ビタミンA 10000IU/kg、代謝エネルギー(100g当たり) 355kcal
原材料のピックアップ

9dream studio/shutterstock.com
第一主原料は穀類(とうもろこし、小麦等)
原材料の一番はじめに記載されているものはキャットフード選びで一番大切なことです。
それを第一主原料といいます。
基本的には使われている原料の重たいものから書かれています。
つまり、キャットフードの主要な原料を見極めることができるんです。
これはとても大事なことで愛猫の体にどんな原料が取り入れられていくかを見極める助けになります。
では【成猫用 かつおと野菜味】は何になっていますか?
穀類(とうもろこし、小麦等)となっています。
これは何を意味するのでしょうか?
穀物には食物繊維が多く含まれています。
食物繊維を摂取することで腸内環境の改善が見込まれ、便通が整い体内に溜まった毛をスムーズに排出することができます。
しかし第一主原料に使用するほどたくさんの食物繊維は必要ありません。
ではなぜ使用されているのでしょうか?
なぜなら肉や魚を仕入れ加工して使用するよりも穀物を使った方が生産コストが安いからなんです。
結果安いキャットフードを求める消費者に対して、低価格で提供することができるからなんです。
しかし本来猫は肉食動物です。
ですから穀物を多く含んだキャットフードを食べることによってデメリットも多く存在します。
その一つとして『消化不良を起こす可能性』があります。
先ほども書きましたが猫は肉食動物ですから、人間のように穀物をすりつぶす歯の構造にはなっていません。
また猫の唾液にはデンプン(炭水化物)の分解酵素アミラーゼが含まれていないため植物系のものを消化することが苦手なんです。
加えて消化管のつくりに関しても、ゆっくり消化していく穀物類の消化吸収には適していないつくりになっています。
結果、穀物を多く含んでいるキャットフードを食べると消化不良を起こし、下痢や嘔吐などの症状を起こしかねない状況になってしまうんです。
デメリットの二つ目の理由として、『アレルギーになりやすくなってしまう』というものがあります。
「とうもろこしや小麦などの穀物」が猫の食物アレルギーの原因になりやすいといわれています。
症状は下痢や嘔吐、皮膚のかゆみ、炎症などです。
猫と穀物に関してまとめてみるとデメリットとして、『消化不良を起こす可能性』がある、『アレルギーになりやすくなってしまう』ということが要点です。
穀物にもメリットはありますから完全否定はしないものの、第一主原料に穀物というのは猫にとってうれしいことではないようです。
第二主原料は肉類(チキンミール、チキンエキス等)
「チキンミール」とはなんでしょうか?
AAFCO(アメリカ飼料検査官協会)の定義によると、頭や内臓、足や羽根などを除いた新鮮な骨付きや骨なし肉を高温で加熱し紛糾したものとなっています。
しかし鳥の毛、爪、とさか、くちばし、内臓などの副産物を加工したものを「チキンミール」と記載しているキャットフードもあります。
その場合の「チキンミール」はタンパク質など猫に必要な栄養素はほとんどありませんので摂ることは難しいでしょう。
良質な「チキンミール」と粗悪な「チキンミール」を見分けることは難しいのですが、最近では品質にこだわる飼い主さんが増えていますのでメーカーの公式サイトなどに「粗悪なものは使っていません」とか「副産物は使用していません」などと自身を持って書いてあったりするものです。
しかし残念なことに『カルカン』には記載されていないようです。
【かつおと野菜味】であるにもかかわらず原料のバランスが「肉類」の方が多いのも不思議です。
それも魚介類(かつおエキス、フィッシュエキス等)と7番目に書かれていますし、野菜類はほうれん草とにんじん等という書き方で8番目という位置づけです。
かつおと野菜が商品名ならばもう少し多めに入っていても良いのではないかと感じます。
酸化防止剤(クエン酸、BHA、BHT)
BHA、BHTが使われていることも気になるのではないでしょうか。
これらは法律によって使用量が制限されている強力な酸化防止剤です。
法律で定められた基準があるわけですから、その基準を守っていないキャットフードは国内で製造、販売することはできません。
ですからカルカンも当たり前のことですが法律で決められた基準内であることは確かでしょう。
酸化防止剤に関してはできれば使いたくないと考えている飼い主さんもおられるかもしれません。
しかし、酸化防止剤を肯定するわけではありませんが、酸化防止剤の入っていないキャットフードを購入したとしてもその後、酸化しないように管理できないのであれば、かえって愛猫の健康に害を及ぼすことになりかねません。
例えば猫の体内で合成できず食事から摂取する必要のある必須脂肪酸が酸化してしまうと、猫の健康を維持するための量を摂取できなくなり体調をくずすことになってしまいます。
ですからキャットフードはなんらかの方法で酸化を防がなければならないのですが、酸化防止剤として強力なBHAやBHTを法律の基準内で使用しているメーカーもあるということです。
しか飼い主さんからすると天然由来のものを使用してもらうと安心なんですけどね。
難しい選択かもしれませんが、何を選ぶかは飼い主さんの価値観に委ねられることとなるでしょう。
着色料(赤102、青2、黄4、黄5)
基本的には日本政府によって使用許可が出ているものではありますが、国外では禁止されている着色料であっても日本においては許可されているものもあります。
合成着色料の猫ちゃんへの体の影響はガンやアレルギーを引き起こす原因になりかねないものもあります。
しかし猫ちゃんの体にすぐに悪影響が出るというわけではありません。
そのような着色料というものを使用する意味はあるのでしょうか。
猫はキャットフードを色で判別して「おいしそ〜」と食いついてくるわけではないので、猫にとって着色料は必要ないんです。
ただ、飼い主さんの購買意欲を高めるためのものだと理解することができるかもしれませんね。
成分表からわかること
タンパク質28.0%以上という数字は猫の健康を保つには十分といえる量とはいえないかもしれません。
タンパク質も「チキンミール」でどのような質のものなのか明らかにされていませんし、第一主原料も穀物ですので猫にとって質が良いとはいえないかもしれません。
マグネシウムは0.09%と比較的に低い数字に設計されています。