猫の体から甘い匂いがしてくるのはなぜ?その理由を詳しく解説します!

猫の体から甘い匂いがしてくるのはなぜ?その理由を詳しく解説します!

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猫はとっても綺麗好きな動物なので、基本的には無臭です。でも時々猫の体から甘い匂いがしてくることありませんか?今回の記事では、猫の体から甘い匂いがしてくる理由について解説します。また、猫の身体の匂いから判断できることや、予測できる病気などについてもご紹介します。

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「糖尿病」とは

糖尿病のロゴとティースプーンに盛られた砂糖

Eviart/shutterstock.com

「糖尿病」とは、膵臓から分泌されるホルモンの一種である「インスリン」に異常が生じることにより、引き起こされる病気です。「糖尿病」は、原因に応じて2つのタイプに分類されています。

膵臓の分泌機能に問題が生じて、「インスリン」が正常に分泌されなくなってしまうI型糖尿病と、「インスリン」は分泌されていてもインスリンの作用が低下してしまうⅡ型糖尿病があります。

「インスリン」に異常が生じると、糖分を体が正常に吸収できなくなってしまいます。結果として、本来であれば細胞に吸収されていく「グルコース」が、血液中に蓄積してしまいます。そのため、血糖値が上昇していきます。

「グルコース」とは、いわゆる「ブドウ糖」のことです。通常、炭水化物などに含まれる糖質は、動物の体内に取り込まれた後、消化されて「グルコース」になります。

この「グルコース」は、貴重なエネルギー源となるので、動物にとって活動するために欠かせない、大切な栄養素の一つです。

一般的には、猫ちゃんも人間と同じように、食事をした後に糖質が消化されることによって、一時的に「グルコース」の量が増えます。しかし、日常生活や運動などの活動によって、徐々に消費されていくので、血液中の「グルコース」は次第に減少していきます。

正常な猫ちゃんであれば、こうした正常な血糖値の上昇と低下を繰り返します。しかし、「インスリン」が正常に機能しなくなると、「グルコース」が体内で消費されることなく、血液中に蓄積していきます。

人間の場合、糖尿病を発症してしまうと、脳梗塞や心筋梗塞、失明や手足の壊死など、危険な合併症を引き起こす場合が多いので、非常に厄介な病気と考えられています。

しかし、猫ちゃんの場合には、糖尿病を発症しても、危険な合併症を引き起こす可能性は低いと考えられています。そのため、糖尿病になっても、血糖値の管理を厳格に行う必要はあまりありません。

なぜ、糖尿病になると甘い匂いがするのか

では、なぜ糖尿病になると猫ちゃんから甘い匂いがするのでしょうか。それは、体内に吸収できなかった糖分が、おしっこと一緒に排出されているからです。

基本的に猫ちゃんのおしっこは、きつい「アンモニア臭」がします。しかし、猫ちゃんのおしっこから甘い匂いがするとしたら、それは、おしっこの中に「グルコース」と呼ばれる成分が、過剰に含まれている可能性があります。

また、糖尿病になると、血液中の「ケトン体」が増えていくために、「アセトン臭」と呼ばれる、独特の甘酸っぱいニオイがするようになります。「アセトン」は、ブドウ糖などの栄養素が体内で不足した時に多く分泌される物質です。

体内のブドウ糖が不足すると、活動するために必要なエネルギーを確保するため、「アセトン」などのケトン体を体内で生成するように、脳が肝臓に指令を出します。この「アセトン」という成分は、肝臓において脂肪が分解されることにより生成される物質です。

糖尿病になると、食事から摂取した糖質が正常に吸収されなくなります。そのため、エネルギー不足にならないように、脳がケトン体の生成を促します。

結果として、体内に「アセトン」が過剰に分泌されるようになります。正常に体外に排出されなかった「アセトン」は、徐々に血液中に蓄積されていきます。

そして、汗や唾液などにアセトンの成分が多く含まれるようになります。こうした理由により、糖尿病を発症すると、独特の甘い匂いのあるアセトン臭が体から放出されるようになります。

猫ちゃんが「糖尿病」になると

猫ちゃんが糖尿病になると、どんな症状があらわれるのでしょうか。人間の場合と同様、猫の糖尿病もあまり主だった症状が見られず、静かに進行することが多いので、早期発見が難しい病気のひとつです。

糖尿病の初期症状としては、喉が乾きやすくなるので、水をよく飲むようになります。結果として、おしっこの回数や排尿量が増えます

また、糖質を体内に吸収することができなくなるので、食べている量に対して体重が増えないか、もしくは体重が減少していくという症状があらわれます。

さらに、吐き気などの症状が引き起こされたり、なんとなく元気がないように見えて動きが緩慢になる場合もあります。このように、全体としては慢性腎不全と似たような初期症状が出現することが多いようです。

糖尿病を発症しているかどうかという判断は、素人が簡単に行えるものではありません。それで気になる症状があらわれた場合には、直ちに動物病院を受診するようにしましょう。

猫ちゃんの「糖尿病」の治療について

では、自分の飼っている猫ちゃんが「糖尿病」と診断されたら、どのような治療が必要になるのでしょうか。人間の場合も同じことが言えますか、糖尿病を患ってしまった場合、重要になるのが食生活の改善です。

一般的に、糖尿病を患っている猫は、肥満気味であることが多いようです。避妊や去勢手術を行った後に、食欲が増進して食べ過ぎてしまったり、運動不足などが影響して太りすぎてしまう猫ちゃんが多くいます。

それで、猫ちゃんの年齢や体格などを考慮して、必要な栄養素を計算するようにしましょう。鳴いておねだりしてくるとしても、心を鬼にして適切な給餌料を守りましょう。

また、必要に応じて糖尿病用の療法食を活用し、きちんとした食事制限を行いましょう。さらに、適度な運動を行わせることにより体重を減少させる必要があります。

糖尿病のタイプによっては、インスリンを摂取させる必要があります。猫ちゃんの糖尿病の場合、およそ半数以上がインスリンの注射による治療が必要になると言われています。

体の小さな猫ちゃんにとって、適切なインスリンの投与量を決定するには根気強い調整が必要になります。医師の指示に従って、毎日の通院を行い、適切な血糖値にコントロールできるようにしましょう。

注意が必要な点として、インスリンの投与量が多すぎると、低血糖症を引き起こしてしまいます。万が一の場合に備え、緊急時用のブドウ糖などを処方してもらっておくと安心です。

まとめ

いかがでしたか。猫ちゃんはとっても綺麗好きな動物なので、基本的には無臭です。ワンちゃんのように、定期的にシャンプーなどのお手入れをしなくても、獣臭のような嫌なニオイがすることはありません。

むしろ、人間にとっても心地よい甘い匂いのするフェロモンを漂わせてくることもあります。

しかし、猫ちゃんのニオイは、健康状態をチェックする大切なバロメーターです。もし、猫ちゃんの体から甘酸っぱい独特の匂いがするとしたら、糖尿病を患っているサインかもしれません。

普段から、猫ちゃんの匂いなどを確認して、体調に異変が起きていないかどうかしっかりチェックするようにしましょう。

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