【獣医師監修】猫にリンゴはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【最新版】

【獣医師監修】猫にリンゴはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【最新版】

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この記事の監修者(185件監修)

頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

リンゴは猫に与えても大丈夫な果物です。「1日1個のリンゴで医者いらず」ということわざがあるほど、古くからリンゴは健康に良いとされています。そこで今回は、猫にリンゴを与えるメリットや、与える際の注意点を詳しく紹介したいと思います。

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猫にリンゴを与えても問題ない?

美味しそうなりんご

Africa Studio/shutterstock.com

リンゴは、バラ科リンゴ属の木になる果実です。日本で栽培されているリンゴの品種は約120種類ほどと言われています。その中でも「ふじ」「つがる」「王林」「ジョナゴールド」が人気で、スーパーなどでも多く出回っています。

「1日1個のリンゴで医者いらず」ということわざがあるほど、リンゴには食物繊維やミネラル、ビタミンなど、体に良い栄養素が豊富に含まれています。

基本的に、猫にリンゴを与えても問題ありません。リンゴは80%以上が水分でできているので、猫の水分補給として与えることができます。

猫にリンゴを与えてもいい量

りんごに手を置いている子猫

Kichigin/shutterstock.com

上記の通り、猫にリンゴを与えても大丈夫ですが、猫はもともと肉食動物なので、野菜や果物の消化が苦手です。そのため、猫にリンゴを与え過ぎると、胃腸に大きな負担がかかり、消化不良を起こす可能性があります。ゆえに、猫にリンゴを与える場合は「少量」にとどめておきましょう。

また、リンゴには100gあたり0.12g(120mg)の「カリウム」が含まれています。カリウムは、猫の健康を維持する上でも必要な栄養素ですが、過剰に摂取すると高カリウム血症になってしまうため、与える量には注意が必要です。

子猫の場合

AAFCO(米国飼料検査官協会)が定めている栄養基準によると、子猫に必要な1日のカリウムの量は、フード100gあたり0.6%以上が適正とされています。

りんごに含まれるカリウムの量を考えると、適量であれば子猫にりんごを与えても大きな問題はありません。しかし、子猫の場合、消化器官機能が未発達なので、注意が必要です。与え過ぎると消化不良を起こしたり、腎臓に負担がかかるおそれがあります。

積極的に子猫にリンゴを与える必要はありませんが、どうしても与えたい場合には、すりおろしたリンゴを「少量」与えるだけにしてください。

成猫の場合

成猫の場合も、1日に0.6%以上のカリウムを摂取するのが適正と、AAFCOの基準で定められています。

成猫にリンゴを与える場合は、小さじ1杯~小さじ1杯半が適量です。健康な猫であっても、与え過ぎはよくありません。きちんと適量を守って与えるようにしてください。

老猫の場合

7歳以上の老猫の場合、消化器官機能が低下している可能性があるので、注意が必要です。腎臓機能が弱っている老猫にリンゴを与え過ぎると、カリウムの過剰摂取で高カリウム血症を起こすリスクが高まります。ゆえに、老猫にリンゴを与える場合は、ごくたまに、ほんの少しだけ与えるようにしましょう。

猫にリンゴを与えることで期待できる効果

新鮮なりんご

Roman Samokhin/shutterstock.com

リンゴには、水溶性食物繊維の「ペクチン」が多く含まれています。ペクチンには、コレステロール値を下げたり、血糖値の上昇を抑える働きがあります。そのため、動脈硬化や高血圧、糖尿病を予防する効果が期待できます。他にも、ペクチンには、腸内環境を整え、便秘を解消する効果があります。

また、リンゴには「ポリフェノール」も含まれています。リンゴポリフェノールは強い抗酸化作用を持ち、体内の活性酸素を除去する働きがあります。そのため、動脈硬化を予防する効果やアンチエイジング効果が期待できます。

加えて、先ほども述べたように、リンゴには「カリウム」が豊富に含まれています。カリウムには、体内の不要な塩分を排出する働きがあるので、猫の高血圧予防に効果があります。

猫にリンゴを与えるときの注意点

りんごの芯と種

vladimir salman/shutterstock.com

猫は食べ物を噛まずに丸のみしてしまう習性があるため、大きくカットされたものだと喉につまらせてしまう危険があります。猫にリンゴを与えるときは、そのまま飲み込んでも大丈夫な程度に、小さくカットしてあげてください。すりおろしてあげると、さらに消化もしやすくなります。

リンゴの皮や芯の部分は消化しにくいため、猫には与えないでください。芯は、喉や腸につまらせてしまう危険もあるので、必ず取り除くようにしましょう。

さらに、リンゴの種や葉には特に注意が必要です。リンゴなどのバラ科の植物の種や葉には「青酸配糖体」という物質が含まれています。この物質が体内に入ると、「シアン」という有毒物質に変化します。そのため、大量に摂取すると中毒症状を起こし、最悪の場合、死に至ることもあります。ゆえに、リンゴの種や葉は絶対に猫に与えないでください。

初めて猫にリンゴを与えるときは、少量からスタートさせましょう。体調に変化がないか様子を見てください。食べた後、下痢や嘔吐などの体調不良が起きた場合は、与えるのを中止し、すぐに動物病院に連絡してください。

リンゴジュースやリンゴジャムは与えても問題ない?

美味しそうなリンゴジュース

K321/shutterstock.com

市販されているリンゴジュースには、添加物や砂糖が加えられているものが多いため、猫にはおすすめできません。猫にリンゴジュースを与えたい場合は、手作りしたものを与えるようにしてください。その際も、与え過ぎないように注意しましょう。

砂糖を加えずに手作りしたリンゴジャムであれば、猫に与えても問題ありません。リンゴジュースと同様、市販のジャムには保存料や砂糖が多く含まれているため、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。ゆえに、市販のリンゴジャムを猫に与えることはおすすめしません。

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