【獣医師監修】猫がフリーズ!?突然猫が固まって動かなくなるのはどうして?【2023年版】

【獣医師監修】猫がフリーズ!?突然猫が固まって動かなくなるのはどうして?【2023年版】

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mofmo編集部

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

猫は驚いたり予想ができないことが起きた時にフリーズしてしまうことがあります。フリーズには問題がないのでしょうか?どんな時に起こる現象なのでしょうか?またフリーズを起こした猫は放っておいても大丈夫なのでしょうか?今回は猫のフリーズについてまとめました。

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フリーズは、病気などで動かない状況とは異なる

眠る猫

Katerina Maksymenko/shutterstock.com

フリーズは、病気などで動かないという状況とは異なります。この点、十分に注意いたしましょう。猫が動かない状況ですと、場合によっては、病気にかかっている可能性があります。ここで、動かない症状が出る、猫の病気についても考えておきましょう。

貧血の可能性

貧血の可能性が考えられます。たかが貧血などと考えないようにしたいと思います。慢性的な貧血がある猫はあまり動きません。食欲はあるものの、あまり動き回らなくなるため、寝ているばかりになることがあります。これは一般的な猫のフリーズとは異なる状況です。

歯肉の色が、元気な猫であればピンク色であるところ、もし、白っぽくなっているようでしたら、貧血の症状がかなり進んでいると考えられるでしょう。もし事故で裂傷や外傷による出血をした場合には、急性貧血になってしまうおそれがあります。さらに、急激な出血があるとショック症状が生じ、死を招いてしまうことがあります。注意が必要です。

骨折の可能性

骨折している猫

vnlit/shutterstock.com

骨折が原因で、猫が動かなくなる場合が考えられます。外に遊びに出かけさせた際、飼い主さんが見ていないところで、交通事故に遭って帰って来ることがあるかもしれません。

あるいは、室内であっても、高い場所を好む猫もいますから、高所から落下して骨折するなどと言うこともあり得ます。他にも、窓やドアに挟まれて骨折してしまったなどということも考えられます。

中でも、棚やたんすなど、高い所から降りたものの、着地に失敗していまい、骨折するというケースは多く見られるようです。具体的には、例えば、着地しようとした場所にマットなどが敷いてあって、滑ってしまい骨折してしまうことがあり得ます。あるいは、爪がカーテンなどにひっかかり、慌てて降りようとして体勢を崩して着地に失敗することもあり得ます。

人間も同じなのかもしれませんが、猫も、お年寄りの猫と子猫はとりわけ骨折しやすいようです。もしかすると骨折をして、目で痛みを訴えるかのように動かないでじっと痛みに耐えていることがあるかもしれません。そういう状況と、一般的な猫のフリーズとは異なります。

猫が骨折してしまった場合には、動物病院に連れて行くのが基本です。骨折をしてから数時間以内に動物病院に行くことが可能なら、添え木の必要はないと考えられます。可能な限り動かさないように安静にし、動物病院に向かいましょう。

添え木の必要があるなら、強くしないようにしましょう。きつく縛りつけると血流を妨げる原因となります。痛がるようであれば、無理に添え木をするのはやめた方が良いのかもしれません。猫が嫌がって暴れてしまい、症状を悪化させてしまったら大変です。

アプセスの可能性

診察を受ける猫

Elnur/shutterstock.com

アプセスは、猫の口の中にいる細菌が関係する病気です。猫同士が喧嘩をしてしまうとしましょう。喧嘩の際に噛み傷を負ってしまうことがあります。その噛み傷の傷口から猫の口の中にいる細菌が入り、皮膚に入り皮下繊に入り込み増殖してしまうことがあります。

これらの細菌の多くは、嫌気性菌といって空気が嫌いな細菌類となっています。喧嘩をしていたことを忘れた頃位にぽっこり腫れてきます。ぱっくりと切れた大きな傷では発症せず、小さな喧嘩の傷ほど発症の危険性が大きいと考えられます。

症状としては、軟らかい腫れ物が四肢、顔面、頸部、尾根部などに見られます。放置した場合、どんどん大きくなってしまい、最終的に口が開いて内部から膿が排泄されることになります。

早期に開口すれば症状は軽くて済みますが、開口が遅れるほど多量の膿瘍を形成することになり、重症になってしまいます。皮膚が厚い猫だとなかなか自然開口しないことがあり、お尻全体に膿瘍がまわって皮膚が埋まるまでに数か月を要することもあります。また、頭頂部は皮下組織が薄いために治癒に時間がかかります。

この状態をアプセスと言います。アプセスになり、それが原因で動かないような状況が見られるなら、それは、一般的な猫がフリーズしている状態とは全く異なります。間違えないようにいたしましょう。

治療としては、抗生物質を投与したり、切開して排膿して、膿瘍内部を消毒する方法があります。

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