猫にほうれん草はあげてもいいの?!ほうれん草の成分や栄養素を詳しく紹介していきます!

猫にほうれん草はあげてもいいの?!ほうれん草の成分や栄養素を詳しく紹介していきます!

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と言えば肉食動物のイメージが強いですが、意外にもほうれん草に興味を示し食べたがる猫は多いようです。そのため飼い主の方の中にはほうれん草を猫にあげても良いのか迷う方もいる事でしょう。この記事ではほうれん草の成分や栄養素について詳しく説明します。またほうれん草を与える時に気を付けるべき点も紹介します。

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猫はほうれん草を食べても大丈夫

新鮮なほうれん草

Danny Smythe/shutterstock.com

結論を言うと、猫はほうれん草を食べることができます。与え方にさえ気を付けていれば、仮に食べてしまったとしても問題ありません。積極的に与えた方が良いというわけではないですが、健康に役立つ成分を含んでいるため、時々与えてあげると良い場合すらあります。

ただしほうれん草を食べることにはリスクもあるため、飼い主は十分注意する必要もあります。ではまずほうれん草に含まれるどんな成分が猫への健康増進効果を期待できるのかを見てみましょう。その後注意すべきポイントを説明します。

ほうれん草の成分とは

人間が食べる場合でもほうれん草の成分はその健康効果がよく指摘されます。ほうれん草などの緑黄色野菜には様々な栄養素が含まれているため、「五訂日本食品標準成分表」によると、ほうれん草の成分には以下のようなものが含まれます(100gあたり)。

エネルギー 25kcal 水分 91.5g たんぱく質 2.6g 脂質 0.5g 炭水化物 4.0g 灰分 1.2g 飽和脂肪酸 0.05g 不飽和脂肪酸 0.23g コレステロール 0 食物繊維 3.6g

ビタミン カロテン 5400μg ビタミンE 2.7mg ビタミンK 320μg ビタミンB1 0.05mg ビタミンB2 0.11mg ナイアシン 0.3mg ビタミンB6 0.08mg 葉酸 110μg パントテン酸 0.13mg ビタミンC 30mg(10mg)

無機質 ナトリウム 10mg カリウム 490mg カルシウム 69mg マグネシウム 40mg リン 43mg 鉄 0.9mg このようにほうれん草には様々な種類のビタミンが豊富に含まれています。カロテン、ビタミンB2、鉄、カリウムなどの栄養素に関しては、野菜の中で含有栄養成分量がトップ10入りしています。これだけ健康成分が多いので、猫にもある程度健康効果を望めると思う飼い主さんも少なくないでしょう。ではもう少し具体的に各成分を見てみましょう。

ほうれん草の栄養素の詳細

・ビタミンB ビタミンBには白内障を予防する効果の他に、肌や毛を健康な状態にキープする効果が期待できます。逆にビタミンBが十分にないと、口や皮膚の炎症が発症するリスクが高まります。猫は肌や毛並みの美しさがあるといっそう外見が映える動物なので、ビタミンBはきちんと摂取させたい所です。

ビタミンC 風邪予防に有効なイメージがあるビタミンCですが、実は猫は体内でビタミンCを作ることができます。そのため外部から積極的に補ってあげる必要はありません。しかし老齢の猫や体質が普通ではない猫の場合は別です。ビタミンCが不足することがあるので、そのような場合は注意が必要です。

ビタミンCが十分にあるとガン予防に役立つと言われているため、ほうれん草から多少摂取するくらいがちょうどいいと言えるでしょう。

ただしビタミンCの厄介な点として、茹でると成分が失われるという点があげられます。そのため加熱調理をするのであれば、ビタミンCをほうれん草自体から十分摂取するのは現実的ではありません。もしほうれん草由来のサプリなどが使えるのであれば、そちらから摂取すると良いでしょう。

ビタミンK ビタミンKは脂溶性ビタミンの一つです。このビタミンは血液凝固因子を活性化するという役割を持っています。さらに骨を健康な状態に保つ役割もあります。例えば骨の中にあるたんぱく質をサポートして骨の形成を助けます。

血管の健康維持にも良いともされています。そのためビタミンKが不足すると血がしっかり止まらなかったり骨がもろくなる恐れがあります。猫は活動的な分けがをするリスクも高いため、ビタミンK不足には注意が必要です。

ビタミンE ビタミンEも脂溶性ビタミンの一つです。ビタミンEで特筆すべき効果は抗酸化作用です。最近は活性酸素や抗酸化作用という言葉が美容品関連の商品や健康関連の商品でよく使われるようになっています。抗酸化作用はよく知られているように、過剰になった活性酵素を除去する働きをします。そのため老化や免疫力が下がるのを防ぐ役割があります。

βカロテン βカロテンとは植物や動物にある色素成分です。βカロテンにはビタミンAの作用をする働きや抗酸化作用、そして免疫サポート作用などが期待できます。βカロテンが豊富な食品を摂取することでガンリスクを低下させることができるとも言われています。この栄養素が十分だと、皮膚や目が健康な状態になり、免疫力も十分に発揮されます。ただし猫はβカロテンからはビタミンAを作れません。そのためサプリなど他の方法で摂取する必要があります。

鉄分 鉄分は赤血球を作るのに大切な要素です。そのため鉄分は貧血予防のために必要です。たんぱく質と一緒に摂ると吸収力がアップします。

カリウム カリウムは血圧を調整したり体内の恒常性維持に役立つ栄養素です。細胞が正常に機能するために不可欠であり神経伝達やエネルギー代謝でも大切な仕事をします。

このように各栄養素は体に様々な健康作用をもたらしてくれます。ただ猫の体と人間の体は異なるため、上記の健康効果がストレートに作用するとは限りません。あくまでほうれん草を食べることで上記のような健康効果がおまけ程度に望めるくらいなので、決して無理やり食べさせようとしないようにしましょう。

ほうれん草を食べる時に気を付けるべきこと

獣医に大人しく抱っこされている猫

Jon Schulte/shutterstock.com

ほうれん草の良い点を強調してきましたが、猫にとってほうれん草には有害成分も含まれます。その有害成分とはシュウ酸です。シュウ酸は「シュウ酸カルシウム結石」になって、最終的に尿路結石症などを引き起こすトリガーになることもあります。

このシュウ酸は人間にとっても毒となることがあります。尿道結石が心配される人や腎臓が悪い人がシュウ酸を大量にとると骨粗しょう症などが発症する恐れがあります。ただし大量というのは生で1kg食した場合のことであり、茹でた場合には何の問題もありません。そのため基本的に人にとってほうれん草が危ない存在になることはないでしょう。とはいえこれはあくまで人間の場合です。猫は人間よりもずっと小さな生き物なので、シュウ酸の摂取量には注意しなければいけません。

尿路結石症になるとどうなる?

尿路結石症というのは、簡単に言えばおしっこが出てくるルートに「結石」という小さな石の塊のようなものができてしまうことです。石でそのルートが詰まったような状態になるので、尿が体外へ排出できなくなります。

そうなると当然体内に尿が留まってしまって、これが腎臓に大きな負担を与えます。最悪の場合腎臓が機能しなくなるという深刻な状況に陥ります。そして体内の毒素や老廃物を排出できなくなります(尿毒症)。車でも排気ガスが外に出せなくなったら大きな問題ですが、同じようにいらないものを外に出せなくなると猫は死んでしまうでしょう。

尿毒症の怖さ

尿毒症についてもう少し詳しく見てみましょう。尿毒症にかかるとおしっこができません。そうなると体の中にどんどん悪いものが蓄積されることになります。一刻も早く治療しないと死んでしまうという恐ろしい状態です。

この状態にならないためには、先述の尿路結石症はもちろん腎不全や腎炎などの病気が進行しないように注意してあげることが大切です。尿毒症にかかると食欲がまったくなくなります。さらに吐いたり下痢をしたり口からアンモニア臭がしたりします。さらに脱水症状、体温低下、けいれん、昏睡状態なども発生します。そうなるとすぐにでも死んでしまうので、絶対にこの状態になる前に病院での一日も早い発見が必要です。

もし現在腎不全、腎炎、尿路結石症にかかっているのであれば、きちんと排泄しているかよく観察して、少しでも異変があればすぐに病院に連れて行ってあげることが大切です。

尿路結石症の症状

尿毒症になる前に尿路結石症の段階で止めることができればベターですが、そのためには以下のような症状に注意する必要があります。

・頻尿 ・排尿の時に痛そうにしている ・腹部をさわると痛がる ・排尿に時間がかかる ・血尿が出る

こうした症状が表れたら、もしかしたら尿路結石症かもしれません。動物病院にすぐに行くとともに、シュウ酸を含む食材には気を付けた方が良いでしょう。

ほうれん草のあげ方

もしほうれん草をあげる時は、生ではなく必ず茹でてからあげるようにしましょう。シュウ酸は水に溶けやすいという性質があります。そのため茹でるとある程度シュウ酸は除去されます。実はシュウ酸とは灰汁の成分の事です。料理の時に灰汁抜きをよく行いますが、茹でることによって灰汁抜きつまりシュウ酸を除去できるので、生ではなく茹でたほうれん草を与えるのが良いのです。

まとめ

ほうれん草には多くの栄養素があり、猫にとって特に大きな問題になるものは見当たりませんん。シュウ酸の問題がありますが、茹でることである程度リスクを軽減できます。

とはいえ他の野菜同様どうしてもあげなければいけない野菜ではないので、あえて積極的に与える意味もありません。魅力的な栄養素も含有されているとはいえ、ある程度良質なキャットフードを食べていれば問題はないでしょう。

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