【獣医師監修】猫に柿を与えても大丈夫?期待できる効果と与える際の注意点を紹介!【2023年版】

【獣医師監修】猫に柿を与えても大丈夫?期待できる効果と与える際の注意点を紹介!【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

秋を代表する果物の中に「柿」があります。そのまま食べても美味しいですが、干し柿にするとより甘味が増して美味しいですよね!柿を食べている時に猫が欲しがってきた事はありませんか?そんな時猫に柿を与えてもいいの?と心配になりますよね。この記事では柿に含まれる栄養素と猫に与える際の注意点を解説しています。

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柿を食べることによって期待できる効果

テーブルに置かれた柿

tarapong srichaiyos/shutterstock.com

ではここからは柿に含まれる栄養素や効能について見ていきましょう。あげ過ぎには注意ですが、適量の柿を与えた場合健康上のメリットを期待できるかもしれません。

柿の栄養成分

柿(甘柿)の可食部100gあたりの主な栄養成分は次のようになっています。

エネルギー60kcal、タンパク質0.4g、脂質0.2g、炭水化物15.9g、カリウム170㎎、カルシウム9㎎、マグネシウム6㎎、リン14㎎、鉄0.2㎎、マンガン0.5㎎、βカロチン160㎍、βクリプトキサンチン500㎍、ビタミンB10.03㎎、ビタミンB20.02㎎、ビタミンB60.06㎎、葉酸18㎍、パントテン酸0.28㎎、ビタミンC70㎎、食物繊維1.6㎎

色々な栄養素が含まれていますね。ではこれらの中からいくつか代表的な栄養素をピックアップして説明したいと思います。

ビタミンCで免疫力アップ

「柿が赤く熟れる季節は医者いらずになる」とはよく言ったもので、たっぷり含まれたビタミンCが免疫力をアップさせて病気予防に効果を発揮します。ビタミンCが多く含まれる果物といえばレモンを思い浮かべますが、柿にはなんとレモンよりも多くのビタミンCが含まれているんですよ。

ビタミンCには抗酸化作用もあるので、老化防止やガン予防にも効果があるといわれています。美容にもいいといわれていますから、愛猫の被毛や皮膚を健康に保つ効果も期待できるでしょう。

ビタミンCは実は猫の体内で生成されるので、積極的に摂取する必要はない栄養素だといわれています。無理に摂取する必要はありませんが、シニア猫や病気、ストレスが原因で生成量が減少することはあります。ちなみにビタミンCは水溶性なので過剰分はおしっこと一緒に排出されます。摂り過ぎて困るということはありません。

βカロチン、βクリプトキサンチンで病気予防

βカロチンには活性酸素を除去する働きがあるのでガン予防や老化防止に効果があるとされています。また血液の循環をサポートし、動脈硬化などの病気の予防にも効果があります。βカロチンは必要に応じてビタミンAに変換するので目にもいいといわれています。

「βクリプトキサンチン」も注目度の高い栄養成分で、免疫力をアップさせて病気予防に効果があるといわれています。ビタミンCと一緒に摂取することによって相乗効果を期待することができます。

カリウムで高血圧、動脈硬化予防

カリウムは体内の塩分を体外に排出する働きをします。そして抗酸化作用のあるβカロチン、βクリプトキサンチン、ビタミンCとの相乗効果によって高血圧、動脈硬化の予防をすることができます。

食物繊維で便秘予防・改善

柿には食物繊維も豊富に含まれているので、適度に摂取するなら便秘の予防や改善を期待することができます。柿に含まれている食物繊維にはペクチンやタンニンがありますが、これらを摂り過ぎると逆効果になるので、少量を時々与える程度にしましょう。ウンチが緩い時には与えないでください。

猫に柿を与える方法

器に盛られたカットされた柿

Diana Taliun/shutterstock.com

色々な健康効果が期待できることが分かったところで、今度は猫に柿をあげる方法を紹介したいと思います。

愛猫に合った柿を選ぶ

柿といっても色々な種類や硬さがあるので、猫に与える場合はよく選ぶようにしましょう。できればよく熟れていてやわらかいものが好ましいでしょう。硬い柿、渋柿、干し柿は消化によくなかったりアルカロイドという猫にとって毒性の強い物質が入っていたりするので与えないでください。

食べやすい大きさに切る、または調理する

猫に柿を与えるときは、皮、ヘタ、種を取り除き、食べやすい大きさ切ってから与えます。硬めの柿は細かく切り刻んで与えるようにしましょう。大きく切って与えると、そのまま飲み込んでしまって喉に詰まってしまう可能性があります。そうなると呼吸困難を引き起こすかもしれません。

調理をするとさらに食べやすくなるでしょう。柿を使った猫用のデザートレシピを探して試してみることができます。犬用のレシピのほうが探しやすいですが、その場合は猫でも食べることができるのか確かめてから作るようにしましょう。

加熱調理をすると柿がやわらかく食べやすくなりますが、ビタミンCのように熱に弱い栄養成分もあるので、ビタミンC補給のために柿を与えたいという場合は生のまま与えるようにしましょう。

柿を使った猫用デザートの紹介

りんごと柿とバナナのスムージー

Digieva/shutterstock.com

少し趣向を凝らして、柿を使った猫用のデザートを作ってあげるのも楽しいです。いくつかのレシピを紹介するので参考にしてください。

柿のお手製おやつ

材料: 柿適量

作り方: 柿は皮を剥いて種、ヘタを取り除きます。薄めにスライスして、キッチンペーパーを敷いた耐熱皿に重なり合わないように並べます。電子レンジで10分ほど加熱します。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やして出来上がりです。食べやすい大きさに切ってから与えてください。

ポイント: ドライフルーツのように食べやすいおやつです。加熱することで失われる栄養成分はありますが、おやつ感覚で与えることができることを考えたレシピです。柿の汁で汚れないように食べられるのもポイントです。加熱時間ですが、焦げないように調整しながらにしてください。与えるときは喉に詰まらないように小さくカットしてからにしましょう。

柿とリンゴとバナナのスムージー

材料: 柿、バナナ、リンゴ、水

作り方: 柿は皮を剥いてヘタと種を取り除きます。リンゴも同様にし、バナナは皮を剥きます。適当な大きさに切った果物をミキサーに入れ、水を加えたら滑らかになるまで混ぜ合わせます。

ポイント: 猫用なので砂糖は入れずに作ってください。飾り用に小さくカットした柿をのせるとおしゃれで見た目も鮮やかになります。食欲がない時や水分補給に少しだけ与えることができます。季節の果物を使うことによってアレンジがしやすいですよ。猫にとって安全な果物かどうかを必ず確かめてから使ってください。

まとめ

秋の味覚を猫と一緒に楽しみたいという飼い主さんにとって、柿は猫に与えても大丈夫な果物だということがわかりました。秋には栄養価の高い食材がたくさん手に入りますね。猫に与えても大丈夫なものを組み合わせて、病気知らずの健康な体作りを心がけたいものです。

柿は猫にとって必須の食材ではありませんが、適度に与えることによって豊富なビタミン類を補うことができるでしょう。与え過ぎることによって肥満や糖尿病、下痢などにならないように気をつけてくださいね。

猫をこよなく愛する飼い主さんたちが猫のための手作りご飯・おやつレシピをインターネットで公開しています。そこからアイディアを得ると、愛猫との生活をさらに楽しいものにすることができるでしょう。猫にとって安全な食材が使用されているかどうかを確認しながらぜひトライしてみてくださいね。

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