猫にくるみを与えるのはNG?気になるリスクと食べてしまった時の対処法を解説していきます!

猫にくるみを与えるのはNG?気になるリスクと食べてしまった時の対処法を解説していきます!

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くるみはナッツ類の中でも栄養価が高く、健康効果が期待されるスーパーフードとして注目されています。健康に良い成分が含まれているなら、「愛猫にも食べさせたい!」と思う飼い主もいることでしょう。でも、猫にくるみを食べさせても大丈夫なのでしょうか?気になるリスクや中毒症状があらわれた時の対処法を解説します。

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ネコちゃんが「くるみ」を食べてしまったら

動物病院で診察を受ける猫

sirtravelalot/shutterstock.com

ネコちゃんが「くるみ」を食べているのを発見したら、まずは落ち着いて対応するように心がけましょう。飼い主がパニックになってしまうと、冷静に対処できないだけでなく、ネコちゃんにも飼い主の不安が伝わってしまいます。

まだ、食べている途中であれば、直ちに食べるのをやめさせ、口の中に残っている「くるみ」は取り出しましょう。なるべく「くるみ」の成分を摂取させないようにするために、口の中をガーゼなどでふき取りましょう。

次に、状況を整理する必要があります。ネコちゃんはどれくらいの量の「くるみ」を食べてしまったのでしょうか。食べてしまった後に発見した場合には、何時ごろに食べてしまった可能性があるのかを推察しましょう。

動物病院を受診する時に、いつ、どれくらいの「くるみ」を食べてしまったのか、獣医師に正確に伝えることができれば、より適切な判断を聞くことができます。

状況によっては、動物病院を受診する前に、自分で食べてしまった「くるみ」を吐き出させる必要が生じる場合もあります。

飼い主が行える方法として、「オキシドール」を用いた方法や、「食塩」を利用した方法があります。しかし、どちらの方法にも大きなリスクがあります。特に、食塩を用いた方法については、食塩中毒という別の中毒症状を引き起こしかねません。

それで、緊急でそうした処置を行う必要があるかどうかは、必ず獣医師に確認するようにしましょう。場合によっては、何も行わずに様子を見たほうが、ネコちゃんの体にとっては負担が少ないということもあります。

「くるみ」を食べて中毒症状が生じた場合の治療法について

では、「くるみ」による中毒症状によって動物病院を受診した場合、どんな治療が行われるのでしょうか。基本的に中毒症状は、症状があらわれるまでに数日かかる可能性があります。それで、まだ深刻な症状が起きていない場合でも、まずは検査が行われます。 血液検査や尿検査などが実施されて、赤血球の割合や数値の変化がチェックされます。血液検査などにより、溶血性貧血が起こっていると判断された場合には、処置を行う必要が生じます。 中毒症状の原因となっている食材を食べてから1時間が経過していない場合には、また中毒成分が消化されていないので、嘔吐を促して吐き出させる処置が行われます。また、もう少し時間が経過している場合には、胃を洗浄するなどの処置が行われます。 中毒症状を引き起こす食材を食べてしまってから、ある程度の時間が経過している場合には、中毒症状を和らげるための対症療法が行われます。 強心剤や利尿剤などを投与したり、ビタミン剤などを使用することがあるようです。また、下剤の投与を行うこともあります。ネコちゃんに貧血が生じている場合には、輸血を行う動物病院もあります。 危険な食材を食べてしまってからどれくらいの時間で中毒症状が引き起こされるかは、その時のネコちゃんの体調や、摂取量などによって違いがあります。

しかし数時間で症状があらわれるケースもあるので、早めに対処できるかは、その後の健康状態の回復に大きく関係しています。

それで、ネコちゃんが「くるみ」を食べてしまっているのを発見したら、すぐにまずは動物病院に電話して、どんな対処をすべきなのか獣医師の指示を仰ぐようにしましょう。 また、夜間などでも速やかに対処できるように、夜間外来を行っている救急対応可能な近隣の動物病院を調べておくことをお勧めします。

「トラネキサム酸」という促吐剤を用いた方法について

「トラネキサム酸」は、一般的には止血薬として承認されている医薬品です。しかし、副作用として吐き気を生じさせるために、催吐剤として転用される場合が多いようです。

ワンちゃんによる動物実験では、体重1kg当たり、20~50mgの「トラネキサム酸」を投与すれば、ほぼ100%の確率で嘔吐を誘発できることが確認されました。

「トラネキサム酸」には、吐き気を催す以外には目立った副作用は見られず、投与後24時間でほぼ元の状態に戻るとされています。

オキシドールと比べても、体への負担が少ないと考えられます。それで、もしかかりつけの動物病院が、「トラネキサム酸」を使用した方法を行っている場合には、そちらを優先した方がよいでしょう。

「胃洗浄」について

胃洗浄とは、口や鼻からチューブを差し込んで生理食塩水を胃の中に強制的に流し込んで、胃の中を洗浄する処置です。

口を胸よりも低い位置に固定して、洗浄液が透明になるまで、繰り返し生理食塩水の注入と排出を繰り返します。

胃洗浄は、直接胃を洗い流すことができるので、食べてしまった中毒物質を、胃で吸収してしまうのを防止する効果があります。

しかし、措置を行うために、ネコちゃんに麻酔をかける必要があります。中には、その麻酔によって昏睡状態に陥り、そのまま死んでしまうというケースもあるようです。

それで、胃洗浄を行うよう獣医師から勧められたら、その必要性やリスクをきちんと確認して、納得した上で処置を受けるようにお勧めします。

催吐剤の効果がなかった場合や、致死的な毒物を誤飲したときなど、緊急を要する際には、胃洗浄がリスクは伴いますが、最良の処置である場合もあります。

診察費用について

ネコちゃんが中毒症状をおこして、動物病院を受診する場合、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。日中に受診した場合の一般的な料金でも、数万円かかる可能性があります。

通常の診察時間に動物病院を受診した場合には、およそ1000円程度の診察料が請求されるのが一般的です。 そして、「くるみ」の成分が、体内に循環して健康状態に悪影響を及ぼしていないか、血液検査が行われます。その検査費用におよそ1万円の費用がかかります。 加えて、点滴や注射などの適切な処置を行うためにも1万円程度が請求されるようです。例えば、静脈点滴は5000円程度、皮下注射は3000円程度、処置費用は2000円程度です。全部合わせると1万円程度の費用が請求されるようです。 さらに、内服薬の費用も数百円程度ですが計上されます。そのため、あくまで一般的な金額の概算ではありますが、中毒症状によって病院を受診する時には、合計して2万円から3万円程度の費用が請求されるようです。

中毒症状を予防するために

テーブルの上に落ちてるものに関心を示す猫

Aaron Amat/shutterstock.com

愛するネコちゃんを「くるみ」を食べたことによる中毒症状から守るためには、ネコちゃんが「くるみ」を食べてしまいかねない状況を避けることが大切になります。

飼い主が食べている時に、ネコちゃんが欲しがったとしても、決して与えないようにしましょう。

ネコちゃんに拾い食いの習慣があると、飼い主の目を盗んで、テーブルや床にある食材を食べてしまいます。うっかりテーブルに残っていた「くるみ」を、ネコちゃんが食べてしまうアクシデントが生じかねません。

それで、日ごろから飼い主がネコちゃんの食事をしっかり管理して、給餌したものだけを食べさせる習慣を定着させるようにしましょう。

まとめ

「くるみ」にはネコちゃんにとって、中毒症状を引き起こす有害性のある物質が含まれている訳ではありません。

しかし、「くるみ」などのナッツ類には、脂質が多く含まれているので、「くるみ」を食べさせていると肥満になってしまうだけでなく、消化不良によって下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。

また、「くるみ」を含んだ料理の多くは、濃い味付けがしてあります。また、おやつとして「くるみ」を使った人間用の商品の中には、チョコレートや塩など、別の深刻な中毒症状を引き起こしかねない食材も含まれています。

それで、少量であれば「くるみ」を食べても問題はないとする考え方もありますが、上手に摂取量をコントロールするのは難しいので、ネコちゃんには一切「くるみ」を食べさせないほうが良いでしょう。

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