【獣医師監修】猫にたけのこを食べさせてもOK?たけのこに含まれる成分と猫に与える際の注意点【2023年版】

【獣医師監修】猫にたけのこを食べさせてもOK?たけのこに含まれる成分と猫に与える際の注意点【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

春の味覚の代表である「たけのこ」。旬の食材を愛猫にも食べさせたい、と思う飼い主の方もいることでしょう。でも、猫にたけのこを食べさせても大丈夫なのでしょうか?今回は、たけのこに含まれる成分や猫に与える際の注意点を解説します。

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たけのこと猫の相性

飼い主に食べ物をねだる猫

Africa Studio/shutterstock.com

食欲旺盛で、とっても甘えん坊な猫ちゃんは、飼い主が食事をしていると、あの手この手でおねだりしてくるものです。

そんな甘えてくる姿が可愛くて、ついつい人間の食べ物をあげてしまう飼い主も少なくありません。しかし、人間の食べ物に含まれている一部の食材は、猫ちゃんに食べさせると中毒症状を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

そのため、さまざまな食材に対して「この食材は猫ちゃんに食べさせて良いのだろうか」という点を確認する必要があります。

今回は「たけのこ」にフォーカスを当てたいと思います。「たけのこ」は猫ちゃんに食べさせて問題がない食材なのでしょうか、「たけのこ」にはどんな成分が含まれているのか、また猫ちゃんに「たけのこ」を食べさせる時にどんな点に注意する必要があるのか、そうした愛猫家の疑問についてお答えしたいと思います。

「たけのこ」とは

新鮮なたけのこ

bonchan/shutterstock.com

「たけのこ」とは、イネ科タケ亜科タケ類に属している若芽のことです。原産国は中国であるとされ、中国や日本などの温帯から亜熱帯地域で広く生産されている食材です。

食用として食べることのできる「たけのこ」は、主に「モウソウダケ」や「マダケ」、「ハチク」の3種類であり、最も一般的なのは「モウソウダケ」です。

日本においては、2月から5月下旬までが旬の時期であるとされ、最も広く供給される時期です。日本の食文化に「たけのこ」は広く浸透しており、たけのこご飯や炒め物だけでなく、煮物や揚げ物と実に幅広い仕方で調理されています。

たけのこはアクが強い食材なので、一般的に調理する際には、一旦煮込んでから使用されることが多いようです。

採ったらなるべく早いうちにアク抜きをする必要があります。これは、たけのこの中に含まれているホモゲンチジン酸が、掘り起こしてから時間が経つほど増加するからです。しかし、掘りたてのたけのこには、えぐみがほとんどなく、生で食べることもできます。

「たけのこ」にはどんな成分が含まれているのか

「たけのこ」は食物繊維の塊と言われるほど、豊富に食物繊維を含んでいます。食物繊維の中でも、不溶性食物繊維である「セルロース」が含まれており、腸内で水分を吸収しつつ膨張していき、腸内に蓄積した有害物質をからめとって、体外に排出してくれる効果があります。

そのため、「たけのこ」を食べると便秘予防になるだけでなく、腸内を清潔な状態に保つことができます。また、腸内環境が整えられることにより、大腸癌の予防にも効果的だと考えられています。

また「たけのこ」にはアスパラギン酸も含まれています。アスパラギン酸は、旨味成分を持っているアミノ酸の一種です。

このアスパラギン酸は、疲労回復に効果がある成分です。「たけのこ」を茹でた時に、茹で汁が白く濁るのはこのアスパラギン酸の成分が関係しています。

アスパラギン酸は、名前の通りアスパラガスに多く含まれている成分であり、「たけのこ」以外にも、豆類やサトウキビに含まれている成分です。

この成分は体液のバランスを調整する効果があり、疲労回復だけでなく、尿の合成を促進するという効果も期待することができます。

さらに「たけのこ」に含まれているアミノ酸の一種であるグルタミン酸は、消化吸収を促進する効果が期待できます。

グルタミン酸は、白菜やトマト、昆布やイワシなどにも含まれている栄養素です。体内に吸収すると胃や腸を保護する粘膜を形成する働きがあります。

消化吸収を助けるだけでなく、食事による皮下脂肪や内臓脂肪の沈着を防止してくれるので、体脂肪が気になる人にもグルタミン酸の摂取はお勧めです。

加えて、「たけのこ」にはパントテン酸という成分が豊富に含まれています。パントテン酸とは、ビタミンB群に分類される栄養素です。

三大栄養素であるタンパク質、糖質、脂質の代わりに、体内でエネルギーを生み出す効果があります。

また、抗ストレス作用のあるホルモン物質を分泌するよう促す働きがあるため、ストレスの軽減に役立つ成分とも言われています。

猫ちゃんに「たけのこ」を与えても大丈夫なのか

茹でた状態のたけのこ

Viktor1/shutterstock.com

「たけのこ」には、猫の健康を害するような成分は入っていません。チョコレートや玉ねぎなどのように、中毒症状を引き起こす心配もありません。なので、「たけのこ」は猫ちゃんにも安心して食べさせることのできる食材です。

しかし、「たけのこ」は繊維質が多く、消化しづらい食材です。それで、一度に大量の「たけのこ」を猫ちゃんに与えてしまうと、消化不良を起こしてしまう危険性があります。

特に高齢の猫ちゃんなどは、そもそも消化能力が衰えているので、「たけのこ」が入った料理を食べると、下痢や嘔吐などを引き起こす可能性があります。

そのため、「たけのこ」を含んだ料理を猫ちゃんに与えるときは、どのくらいの量だったら愛猫に与えても大丈夫か確認しながら給餌するようにしましょう。

また、「たけのこ」の中にはカルシウムだけでなく、マグネシウムやリンなど多くのミネラル類が含まれています。

そのため、泌尿器系の病気を持っていて、リンの摂取量を制限しなければいけない猫ちゃんには、「たけのこ」は絶対に食べさせてはいけません。

猫ちゃんに「たけのこ」を与えるときの注意点について

前述のように、「たけのこ」は栄養豊かな食材ですが、食物繊維が多く含まれているので、猫にとって消化するのが難しい食材です。また、繊維質が多いので猫ちゃんにとっては噛み切るのも難しい食材です。

それで、猫ちゃんに食べさせる時には、細かく刻んで食べやすい大きさにしてあげましょう。また、人間が食べる時と同じように、茹でて柔らかくしてから食べさせるようにしましょう。

掘りたての「たけのこ」は、人間は生で食べることもありますが、いくら新鮮な「たけのこ」であったとしても、猫ちゃんに生で食べさせることはお勧めできません。

なぜなら、「たけのこ」を茹でる時にアクとして出てくる成分は「シュウ酸」であり、猫はシュウ酸が体内に蓄積すると、尿結石を発症するリスクが高まります。そのため、必ず茹でてシュウ酸を念入りに除去してから食べさせるようにしましょう。

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