猫が口のまわりを舐めるのはどうして?猫が口元をペロペロと舐める理由を解説!
猫を飼っている人なら、愛猫が自分の口元をペロペロと舐める仕草を見たことがあるかもしれません。猫が自分の口のまわりを舐めるのはどうしてでしょうか?可愛らしい行為ですが、実は猫からのSOSのサインの可能性があります。今回は、猫が口まわりを舐める理由をいくつかご紹介します。
猫は口の周りをよく舐める
Eric Isselee/shutterstock.com
猫の仕草ってとても可愛らしいですよね。猫の仕草の中でも特に可愛いのは、自分の口元をペロペロと舐める行為ではないでしょうか?時にはこちらを見つめながら、舌なめずりすることもあるでしょう。
猫が自分の口のまわりを舐めるのはどうしてでしょうか?可愛らしい行為ですが、実は猫がトラブルに巻き込まれている可能性もあります。今回は猫が自分の口まわりを舐める理由をご紹介しますね。
猫が自分の口のまわりを舐める理由
Glen Robinson/shutterstock.com
猫を観察しているといろんな行動や仕草をしているものですが、それぞれの行動や仕草にはそれぞれ意味があります。猫のする行動はいちいち可愛く見えますが、中には重大な問題が隠れている場合もあります。仮に問題があるわけではないとしても、それらの行為には猫の気持ちが含まれているものです。
猫が自分の口のまわりを舐めるのはよくあることです。この行為の意味を知ることができるなら、猫の気持ちも深く理解できるに違いありません。時にはその行為が猫からのSOSとなっていることもあります。頻繁に口のまわりを舐めるようになったなら特に注意するようにしましょう。
これから猫が自分の口のまわりを舐める理由をご紹介したいと思います。いくつかの理由が考えられますが、この記事では主に4つの理由に注目したいと思います。是非、皆さんの猫の気持ちを知るための参考にしていただけたら嬉しいです。
1.催促、口の周りに食べカスが付いている
飼い主さんが実際にごはんを準備している時に、待ちきれないような顔で舌なめずりすることがあるのではないでしょうか?「はやく、はやく」と言った気持ちなのですね。
また猫にエサを与える時、猫がエサを食べ終わったときに、口のまわりをぺろりと舐めることがあるのではないでしょうか?人間でも舌なめずりすることがありますが、猫も同じ行動を取ります。自分の口まわりに付着した食べカスを舐め取っているというわけです。
私たちも同じ理由で口の周りを舐めることがあります。あまり行儀の良いことではありませんが、口元に食べかすが付いていると、気持ちが悪く感じますよね。ナプキンで拭き取ることもできるのですが、ついつい舐めて取ってしまうこともあるかもしれません。猫はナプキンなどを使うことはありませんから、自分の舌できれいにするのが猫にとってのマナーなのでしょう。
猫が食べカスを舐め取るのは、その味を楽しんでいるだけではありません。むしろ、付着したものをしっかりと取り除いてきれいにしたいと思っているのです。意外に思われる方も多いかもしれませんが、猫はきれい好きな動物です。自分から発するニオイには気を遣っています。口元に食べかすが付着したままだと、そのニオイが気になってしまうのかもしれません。
人間がごはんを食べた後に歯を磨くのと同様、猫も口の周りをきれいにしているのでしょう。
2.「美味しかったよ」の合図
猫たちはエサを食べ終わった後に口まわりを舐めることが多いでしょう。これには掃除の意味合いもありますが、食後に口まわりを舐める行為が習慣化しているだけの場合もあるでしょう。そうした習慣化した仕草には大抵、猫の気持ちが表れているものです。
私たち人間も習慣化したものに自分の気持ちが含まれることがあります。
例えば、ごはんを食べた後には「ごちそうさまでした」という人は多いでしょう。作ってくれた人や食物に対する感謝を表わす行為ですよね。人によっては「ごちそうさま」と言うことが習慣化して、ごはんを食べた後に自然と口から出ることもあるのではないでしょうか?
そこに「お腹いっぱいになった」とか「美味しかった」という気持ちが自然と込められているものです。そう感じた時に「ごちそうさま」という人も多いでしょう。
猫の口を舐める行為もそのような意味合いがあるでしょう。ごはんを食べて、「お腹いっぱい~」「飼い主さん、今日も美味しかったよ」という気持ちが含まれた行為だと言えます。
3.転位行動
猫が自分の口のまわりを舐めるのは「転位行動」と呼ばれるものかもしれません。転位行動とは何でしょうか?転位行動をしている時の猫の気持ちはどんなものなのでしょうか?
転位行動とは動物が相反する衝動の間で葛藤状態に陥ったときに表れる、全く別の行動を指します。動物が緊張したり、ストレスを感じたり、困ったりしたときに、それらの要因とは全く関係のない行動をすることです。
転位行動は動物全般の行動用語ですが、猫にも当てはまります。猫がグルーミングしたり、口のまわりをなめたりするには、ストレスなどが原因である場合があります。
人間も転位行動を行なうことがあります。例えば、困った時に頭を掻いてしまう人っていますよね?何かを心配しているときに、周囲をうろうろと歩いたりすることもあるでしょう。その人は頭が痒いわけでもないですし、周囲を歩きたいわけでも運動不足なわけでもありません。頭の中がストレスや心配事で満たされたときに、心を落ち着かせたり逃避したりするために関係のない行動を取ってしまうのです。
猫も生活する中で同様の転位行動を行なうことがあるわけです。
では転位行動である場合、猫はどんな気持ちなのでしょうか?いろんな理由から転位行動をする場合があるので、感情を正確に特定することはできません。それでも、基本的にはネガティブな感情であることが多いでしょう。
ストレスを感じたり、緊張したり、困ったりしている時に転位行動はでます。少なくとも葛藤状態にあるはずなので、2つ以上の事で悩んでいるのでしょう。例えば「飼い主さんに遊んでもらいたいな。でもお腹が空いたから、ごはんの時まで待とうかな」という気楽な悩みからペロペロと舐めることもあるでしょう。
もっとシリアスなことで悩んでいることもあります。「警戒している怖い相手が近づいてきたなあ。逃げようかな。それとも威嚇して立ち向かおうかな」とストレスを感じることもあるでしょう。
いずれにしても、転位行動がたくさんあるのはあまり望ましいことではありません。猫が口元を頻繁に舐めているのであれば、猫の心理状態やストレスを気遣ってあげる必要があるでしょう。
転位行動の対処法については後述します。
4.病気
猫が自分の口のまわりを舐めるのは、口まわりが気になるからかもしれません。何らかの病気にかかっている場合、猫は口の周りが気になることがあります。
脈絡なく頻繁に口元を舐めている場合、病気にかかっている可能性が高いと言えます。どんな分野の病気があるでしょうか?いくつかご紹介します。
・口の病気 口内炎など猫が口や口内の病気にかかっている場合、口のまわりを舐める回数が増えます。
猫でも口内炎にかかることがあります。口内炎とは、口の中にある粘膜に招じた炎症のことです。他の病気が原因となって口内が炎症することがあるようです。この場合、口内炎自体は一時的ですから、根本原因である病気の治療に専念しましょう。
しかし、厄介な口内炎が生じることもあります。潰瘍性口内炎になると、歯茎や頬の内側が赤く腫れあがります。重度の炎症になると口の中が切れ、強い痛みが生じるようになります。早い段階で動物病院に連れていきましょう。
・歯の病気 猫も歯の病気にかかります。虫歯になることもあれば、歯周病に繋がる場合もあります。これらは口の中の細菌が増殖することで発症するものですから、歯磨きがとても重要です。猫でも歯磨きを怠ることが無いようにしましょう。
・皮膚の病気 猫でも皮膚の病気にかかることがあります。炎症したり、ノミやダニなどに感染して皮膚が荒れたりします。身体全体が炎症することもあれば、一部の場合もあります。口のまわりもこれが原因で痒くなることがあるようです。他の病気と違って発見しやすいですから、早めの対処も出来るでしょう。
病気が理由で口の周りをなめているのであれば、大抵の場合は放っておくことで問題が悪化します。できればすぐに動物病院に連れて行ってあげるようにしましょう。猫は言葉でトラブルを伝えることはできません。舐めることは猫からのSOSサインだと考えてくださいね。
5.よだれが垂れているから
猫が口まわりを舐めているのは、口と言うよりも、口からでるよだれを舐めているのかもしれません。口のまわりについてしまうほどのよだれは過剰だと言えます。口まわりを舐める回数が多いのであれば、それはよだれの過剰分泌が原因かもしれません。ひどい場合になると、よだれが口から流れ落ちることさえあります。
猫のよだれが多くなるのはどうしてでしょうか?大抵はトラブルが原因です。口の中が炎症を起こしているのかもしれません。また、強い刺激物を口に入れてしまった可能性もあります。
危険な要因として熱中症や神経障害の可能性もあります。熱中症でぐったりとしてよだれを制御できずに垂れ流してしまうことがあります。神経障害も同様です。脳障害や中毒生涯によって神経系にトラブルが生じ、口からよだれが流れてしまうのです。
過剰なよだれを防ぐためには、日ごろの生活習慣を見直すことが大切です。口の中で炎症が起こらないようにするには日ごろの歯磨きが大切です。
生活環境や居住スペースの快適さはどうでしょうか?暑すぎたり寒すぎたりしないでしょうか?気温や湿度を猫が快適に過ごせるように調整しましょう。中毒症状にならないよう、食べ物にも気を付ける必要があるでしょう。
転位行動をする時の対処法
AonP/shutterstock.com
猫の転位行動には注意を払っていたいものです。猫の転位行動は口元を舐めるだけではありません。他にはどんな行動に表れることがあるのでしょうか?
グルーミングや、頭を掻く行為などがあります。他にも穴を掘ったり、突然走り出したりすることもあるでしょう。こうした行為がエスカレートするようであれば、ストレスの原因を見極めてあげるようにしましょう。
グルーミングや身体を掻く行為はエスカレートすることによって皮膚が炎症したり被毛が抜けたりすることがあります。そうなるともはや病的な行為ですから、なんとか原因をつかみたいですね。
ではそれらの問題を改善するにはどうすればよいでしょうか?2つほどポイントがあります。
ストレス原因をなくす
第一に、ストレスの要因を無くすことが大切です。
猫を悩ませることが無いか観察してください。どんな時に転位行動を行なっているかにも注意しましょう。場合によっては生活空間に変化を与える必要があるでしょう。飼い主や家族がストレスを与えていないかもチェックする必要がありますね。
ストレス解消法を探す
第二に、ストレスを解消させましょう。
ストレスが溜まっていると、小さなことでも負担がかかってしまいます。ですから、日ごろから運動させたり一緒に遊んであげたりしましょう。遊ぶための道具を与えるのも良いことです。
まとめ
今回は猫が自分の口のまわりを舐める理由をご紹介することができました。
口元を舐める仕草はとても可愛らしいものです。それが食前や食後であれば、特に気にする必要はないでしょう。しかしそれ以外でこの仕草が頻繁に行われるようであれば、注意が必要でしょう。
もしかしたら、ストレス過多で転位行動が増えているのかもしれません。また口の中や周辺に病気を抱えている可能性もあります。よだれが多くてそれを舐め取っているのかもしれません。よだれが多いのはどこかに問題を抱えている証拠です。生活習慣や生活環境を見直しましょう。
猫の小さな仕草にも意味があります。それを理解できるなら、猫の健康を支えて暮らしやすい環境を提供できるようなるでしょう。
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