
猫は花火の音に驚くのはどうして?理由と対策を徹底解説!
夏の風物詩の一つに大きく美しい花火があります。大迫力の花火の音は心に迫るものがありますが、猫にとっては花火の音がストレスに感じることがあるようです。ここでは猫が花火の音に驚いてしまう理由と、驚かせないようにどのような対策ができるかを紹介いたします。

猫が花火に驚くのはどうして?

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夏の風物詩といえば、大きく美しい花火ではないでしょうか?大迫力の花火を間近で見ると、おなかの底まで響き渡るような音と、頭上に降り注ぐような光が美しく、心に迫るものがあります。
そんな花火ですが、大きな音で猫ちゃんが驚いてしまうという事も多いようです。夏の時期には花火大会が頻繁に行われるので、音が聞こえるような建物に住んでいる場合は、毎年花火大会の時期に怯えながら暮らすということにもなりかねません。
今回の記事では猫ちゃんが花火の音に驚いてしまわないよう、どのように対策ができるかを紹介いたします。ぜひ参考になさってくださいね。
猫が花火に驚く理由

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夏の時期には多くの場所で美しく夜空を飾る花火ですが、猫ちゃんがいるおうちでは花火が上がるたびに驚く猫ちゃんを見て気の毒に感じるのではないでしょうか?
猫ちゃんがあれほどまでに花火の音に驚いてしまうのはなぜなのでしょう。
猫ちゃんは花火以外にも、雷や掃除機、ドライヤーや道路工事などの音を苦手としているようです。これにはアメリカの博物学者であるユージン・モートンが研究した法則が関係しています。
モートンは鳥類や哺乳類などを合わせた動物たちの鳴き声を分析、研究し、低く唸るような鳴き声に含まれている感情と、高く鼻から抜けるような鳴き声を出すときの感情とに大きな違いがあることを明らかにしました。
研究によると、低い声を発する時には怒りや恐怖、不安感などのネガティブな感情が含まれており、高い声を発する時には興奮や喜びなどのポジティブな感情が含まれているという「音程の法則」があるそうです。そのため花火や雷などの大きくて長く続く低い音は、恐怖心や不安感を与える音となってしまうのです。
さらに猫は「聴覚の動物」といわれるほど聴力が優れているため、大きい音にはより一層反応してしまいます。猫の耳の中にある「蝸牛」というカタツムリのような形をしている器官には、音を感じるために必要な有毛細胞というものがあります。
この有毛細胞が音を感知し、それを蝸牛が電気信号にして脳へと送っているのです。この有毛細胞から出た聴神経と呼ばれる神経線維が内耳道という骨のトンネルを通り、脳へとつながっているのです。
猫の蝸牛の長さは人間の三分の二程度で、有毛細胞の数も人間の半分ほどの12,000本程度です。しかし神経節細胞から伸びている神経線維の数は、人間の約4倍である40,000本程度存在します。そのために人間よりもはるかに広い音域の音を聞き分けることができ、敏感に音に反応するのです。
そんな猫ちゃんたちの発達した聴力は、高い音を聞き分けることが得意です。小動物たちの小さな鳴き声を聞いて捕まえるために高音により敏感です。
また、猫ちゃんたちが聞いていて心地よく感じられる音域は2,000ヘルツから6,000ヘルツ程度であると言われています。これは子猫の鳴き声と同じ程度の音域です。そのために猫ちゃんは男性の声よりも女性の声を聞いている方がリラックスできるとされています。
他にも猫ちゃんは人間の10倍ほどの聴力を持っているとされていて、部屋の外の音を聞くことができるほど優れた聴力の持ち主です。ということは、人間が聞いていてもうるさく感じる花火の音や雷の音、掃除機や道路工事の音などは、より破壊的に響いているに違いありません。
それに加えて、花火や雷は自然界ではなかなか接することのない鮮烈な光を生じさせるために、猫ちゃんにとってはかなり驚異的な存在に思えていることでしょう。
花火に驚くとどんなことが起こる?

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普段はどっしり構えた猫ちゃんが、不意に見える驚きの表情や予想外の動きをするのはかわいらしく感じてしまうこともありますが、猫ちゃんにとっては緊急事態です。
花火などの音や光に驚くのは猫ちゃんにとってストレスになりますし、飼い主さんの予想外の動きをすることもあるため、不慮の事故が起きてしまいかねません。
たとえばどんな緊急事態が起きてしまう可能性が考えられるでしょうか。花火に驚くことで起きてしまうかもしれない悪い影響を以下に紹介します。
ストレスからくる病気にかかってしまう
猫ちゃんの予測できないタイミングと強さで大きな音が鳴り響くと、猫ちゃんにとっては命の危機を感じるほどの脅威なので、ストレスもかなり強く感じることになります。
特に猫ちゃんはストレスにとても弱い生き物なので、強いストレスに長時間さらされると異常な行動をとったり、病気を発症してしまったりすることがあります。
猫がストレスを強く感じることによって起きる病気の一つは、猫伝染性腹膜炎という病気です。この病気はFIPとも呼ばれる病気で、猫の80%が感染しているとされる猫腸コロナウイルスが突然変異することで発症します。
猫コロナウイルスが猫伝染性腹膜炎ウイルスに変化してしまうきっかけがストレスであると言われており、発症すると発熱や下痢、嘔吐や食欲不振、体重減少などが起こり、症状が進展していくとウェットタイプかドライタイプかのどちらかの症状へと発展していきます。
ウェットタイプになってしまった場合は腹部が膨れ上がっていき、胸膜滲出による呼吸困難が起こります。ドライタイプになってしまった場合は眼病変や黄疸、化膿性肉芽腫の形成による腎腫大、発作や獅子の麻痺、腸間膜リンパ節炎が起こります。
発症してしまった場合には、残念なことに有効とされる治療法が確立されていないために猫ちゃんの命を危機にさらすことになってしまいます。
アメリカでは有効とされる薬やワクチンが開発されつつあるようですが、日本ではまだ手に入れることが難しく、入手できてもかなり高価であるため現実的な治療法とはなりえないでしょう。
原因となるストレスのもとを取り除き、快適な環境で暮らさせてあげることが最も効果的な予防法です。免疫力が低下してしまうことのないよう、健康な生活を送らせてあげましょう。
また、すでに猫免疫不全ウイルス(FIV)や猫白血病ウイルスに感染している場合には発症のリスクが高くなるので、より一層の注意を払うようにしましょう。
さらに、ストレスが高いと脂肪肝になってしまう確率も上昇します。ストレスで食欲が落ち食べる量が減ると、肝臓の機能が低下して、肝臓の細胞に脂肪がたまっていくようになってしまうのです。脂肪肝になると肝細胞が脂肪に置き換わっていくために、肝臓が小さく固くなっていきます。
末期になると肝硬変となり、皮膚に黄疸が出て、吐き気や食欲の減少、下痢などの症状を発症するようになります。
肥満の猫に特に多く発症する病気で、肥満の猫が何らかの出来事をきっかけに4日から5日ほど食べないで過ごすと、一気に黄疸が出て死に至ることもあります。
また肝機能の低下により、肝臓で尿素へと分解されるはずのアンモニアが分解されきらずに血中に流れ込むために、肝性脳症といった神経症状まで発展する恐れもあります。
肥満気味の猫ちゃんが強いストレスにさらされることで発症のリスクが上がるので、ストレスのない状況においてあげることや、普段から肥満を避けていることが必要になります。
また、ストレスを強く感じることで突発性膀胱炎を発症してしまうこともあります。膀胱炎は細菌によって引き起こされることが多い病気ですが、特に細菌感染などの病変がないにもかかわらず膀胱炎の症状が現れるのが突発性膀胱炎です。
発症すると膀胱に炎症が起こり、血尿や頻尿、排尿時の痛みなどの症状がみられるようになります。突発性の場合は尿検査をしても細菌感染や尿石、異常な細胞などは見つからないため、原因を特定することが難しい病気とされていますが、ストレスを強く感じることで発症リスクが高まる病気であるとも言われています。
膀胱炎が悪化して尿が出ない状態にまでなってしまうと、膀胱内の尿が腎臓へと逆流してしまい、腎不全や尿毒症を引き起こしてしまう可能性もあります。尿毒症になると嘔吐や体温の低下が起こり、生命に関わることもあるので、原因となるストレスを減らすことが本当に大切です。
予想外の動きにより不慮の事故につながる可能性がある
猫は驚くと高く飛び上がったり、突然猛スピードでダッシュしたりすることがあります。
猫ちゃんが安全な場所で周囲に何もないような場所に居ればよいのですが、家の中で生活している猫ちゃんの場合はなかなかそうもいきません。飛び上がった際に頭をぶつけたり、身体を強く打ったりしてしまう恐れがあります。
ぶつかったものが尖ったものやテーブルの角であった場合には、骨にまでダメージが届いてしまうこともあります。また、高いところにいた猫ちゃんが高く飛び上がり、着地に失敗することで足を痛めてしまうということもあるようです。
突然走り出すことで棚などにぶつかり猫ちゃんが怪我をしたり、棚から落ちたものが周辺の他の猫ちゃんや人間にぶつかって二次災害を引き起こすということも考えられます。
猫ちゃんが驚かないように万全の準備をし、極度のストレスを与えることがないように気を付けましょう。
トラウマとなり攻撃行動をするようになる
猫ちゃんが長い時間驚いたままでいると、攻撃行動をするようになってしまう可能性もあります。飼い主が悪いわけではなくても不信感を抱いたり、攻撃的な態度を取るようになったりしてしまうことがあるようです。
攻撃行動がエスカレートしていくと、人間と住むことが難しいほどのレベルになってしまうこともあるので、猫ちゃんが驚くようなことをなるべく避けることが必要です。
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こんなところで質問してないで、ハムスターの飼育についてきちんと獣医師なんかが書いた書籍を読んだほうがいいよ。ハムだからって飼育が簡単なわけでも適当にしていいわけでもないんだから。