猫が手で顔を隠して寝るのはなぜ?寝相や寝姿から分かる猫の心理とは
猫が前足で目を覆っているポーズや、土下座のようなスタイルで両前足を前に出しそこに顔をうずめるようなポーズを見ることがあります。こうした寝姿のことを「ごめん寝」とか「すまん寝」と表現することがあります。どうして猫はこのような姿で寝るのでしょうか?猫が手で顔を隠して寝る理由についてみてみましょう。
猫が手で顔を隠す理由は?
DenisNata/shutterstock.com
猫を飼っている方でしたらよく見ませんか?猫が前足で目を覆っているポーズや、土下座のようなスタイルで両前足を前に出しそこに顔をうずめるようなポーズです。
手で顔を隠して「ごめんなさい」と謝っているような姿で寝ていることから、こうした寝姿のことを「ごめん寝」とか「すまん寝」と表現することがあります。
かわいらしい寝姿に思わずほっこりしてしまいますが、どうして猫はこのような姿で寝るのでしょうか?寝ている間に何か謝っているのでしょうか?そんな夢を見ているのでしょうか?
猫が手で顔を隠して寝る時の猫の心理や理由についてみてみましょう。
眩しいから
猫が目を隠すような格好で寝るのは「眩しい」からという理由があります。猫は人間よりもずっと視力がよく、特に動体視力が鋭い動物です。そのため蛍光灯の光が苦手なのです。
というのも蛍光灯は、発光する際に私たち人間には気づかないようなレベルで点滅をしているのです。蛍光灯の寿命が近づくと点滅の残光時間が短くなるため、点滅の間隔が目立つようになり、蛍光灯の替え時と判断する方も多いでしょう。
普通の人は蛍光灯のこの細かい点滅(ちらつき)を感じることはありませんが、敏感な方の中にはチカチカするのが気になるという方もいるようです。猫は人間よりも動体視力が大変優れているため、この蛍光灯のちらつきが気になるようです。
また私たちも気づく人は少ないと思いますが、蛍光灯は安定器から小さな「ブーン」という音が発せられています。私たちは気づかなくても聴覚の優れた猫はこの音も察知しますので、チラチラしたちらつきに加え、ブーンという音のなる蛍光灯を苦手としている子は少なくないようです。
もちろん子猫のころから蛍光灯の下で暮らしてきた猫でしたら慣れているかもしれませんが、やはり太陽光は問題なくても蛍光灯の光は苦手という猫は多いようです。
特に寝ているときには蛍光灯のちらつきや明るすぎる蛍光灯の光を眩しく感じるようです。こうしたちらつきや明るさが気になるために手で目を覆い、自らの手による「アイマスク」をしているのでしょう。
うるさいから
猫が手で顔を覆うようにして寝る別の理由は「うるさいから」ということも考えられます。
上記でも少し述べましたが、猫は人間よりも優れた聴覚を持っており、なんと人間の3倍もの聴覚を持っているといわれています。人間の聴覚は2万ヘルツなのに対して、犬は4万ヘルツ、猫は6万ヘルツということです。
なんと20メートルも先にいるネズミの音も聞き分けられるほどだといわれています。ですから人間には聞き取ることが出来ない超音波さえも聞き取ってしまうんです。
つまり私たちには気にならないような音も聞こえますし、私たちが気にならないような音であっても猫にとってはとても大きな音として聞こえているのかもしれません。
また、私たちは寝てしまうと周りで騒いでいたとしても聞こえてきませんよね。しかし猫の場合は寝ている間も聴覚がずっと働いているので、音に対してはとっても敏感なのです。
これは猫が自然界の中で捕食していたからです。自然界の中では猫は獲物を捕らえて生活してきましたが、捕食するものでもあり捕食される身でもあったわけです。
ですからいつ敵に見つかるかわからないため寝ているとはいえ熟睡はしていないのです。浅い眠り状態のため何か音がしたらすぐに起きて、身を守ることが出来ていました。
上記でも述べましたが、蛍光灯は安定器から非常に小さい音ですが「ブーン」という音がしているため、こうした小さい音でも猫にとっては気になってしまうのでしょう。
このように聴覚の優れた猫は、寝たいのにうるさいと感じるときに顔を隠すようにして寝ます。下を向いて寝れば耳も下を向くため音を遮断することが出来ます。また自分の前足で顔を覆えばさらに音を遮断できますね。
子猫気分から
さらに猫が顔を覆う理由として考えられるのは「子猫の気分でいる」ことも関係しているのではないかと思われています。
この場合は自分の手を使うというよりは何か物に顔をうずめるといった感じです。柔らかい布団やクッションに顔を埋めたり、飼い主の腕などの身体に顔をうずめることもあります。
これは子猫が母猫に甘えるときのしぐさに似ているといえます。柔らかいものは母猫の感触に似ているため甘えたくなって、子猫の時の気分になって顔を埋めてしまうのかもしれません。特に母猫から授乳してもらう時のスタイルですね。
こうしたことから、猫が何かに顔をうずめていたら甘えたい気持ちの表れともとることができるのではないでしょうか?
ヘッドプレッシングが原因
もう一つは注意が必要な理由です。土下座するような姿で寝ている「ごめん寝」ポーズは、これまで見たように眩しいとかうるさいなどの理由が考えられました。
ごめん寝ポーズと似たようなスタイルで、猫が壁に頭を付けたままじっとしていることがあります。こちらも見た目はまるで「反省しています」のようなスタイルなのですが、もしも愛猫がこのポーズをしていたら危険かもしれません。
長時間壁に頭を押し付ける「ヘッドプレッシング」と呼ばれるこの行動は、脳にウイルスが感染していたり損傷していたり、神経疾患、脳腫瘍、脳卒中、中毒など何らかの病気になっている可能性があるのです。
そのため愛猫が何の理由もなく壁に頭を押し付けていたら、「なんてかわいい姿で寝ているのかしら」と思わずにすぐに専門医に見てもらいましょう。
他にも円を描くように歩き回っていたり、床に頭をこすりつけていたり、部屋の隅でじっと動かないでいたり、壁をずっと見ているなどの異常行動が見られることもあるかもしれません。こうした症状も見られたら、迷わずに動物病院で見てもらいましょう。
猫が顔を隠しているときどうしたらよい?
Alena Ozerova/shutterstock.com
ここまで猫が手で顔を覆っている、目を隠して寝ている理由についてみてきました。大きな理由は2つ「眩しい」ことと「うるさい」ということです。
眩しくてうるさいんだったら他の場所に行けばいいのに、と思いたくなりますが、やはり猫も大好きな飼い主のそばにいたいのかもしれませんね。それか眠くなってそのまま移動したくないのかもしれません。
手で目を隠して寝ている姿を見るのはかわいらしいのですが、猫からしたら眩しくて目を覆っているわけなので、もしかしたら大きなストレスを感じているのかもしれません。
私たち人間も電気をつけたまま寝ると睡眠の質が良くないため、熟睡できず疲れがよく取れないことがあるようです。最近はスマートフォンやタブレットの明かりも目や脳に良くなく、睡眠が妨げられる原因だといわれていますね。人間にとっても明るい部屋での睡眠がよくないのでしたら、猫にとっても同じでしょう。
特に猫は一日の14時間ほどを寝て過ごす動物だといわれています。そのため夜も電気がこうこうとついたままでは、猫も熟睡できないのではないでしょうか?明るくてよく眠れないことは猫にとってもストレスとなるはずです。
では手で顔を覆っている猫の姿を見たら何かできることがありますか?どうしたらよいでしょうか?
猫の寝る場所を暗くする
一番良いのは部屋を暗くしてあげることですが、飼い主さんと猫が同じ部屋で過ごしているならそういうわけにもいかないでしょう。
そこで猫が寝るスペースだけでも暗くする工夫をしてはいかがでしょうか?例えば猫が寝るベッドのところにブランケットをかけて光が当たらないようにする。段ボールを活用して寝床にするなどの工夫ができます。
ブランケット1枚掛けるだけでも光はだいぶ遮断できますし、猫が大好きなダンボールを上にかぶせても良いでしょう。段ボールをくりぬいてハウスにするのも一つの手です。
他にも部屋自体の照明を変えてしまうこともできます。蛍光灯は明るすぎてチカチカするということなので、柔らかい光の白熱灯やLEDに替えるだけでも猫への負担は軽減されるはずです。蛍光灯を止めれば「ブーン」という音もなくなるので猫にとってよりよいはずです。
静かにする
猫が寝始めたら静かにしてはいかがでしょうか?いつもよりも声のトーンを押さえたり、テレビのボリュームを下げたりすることもできます。聴力の鋭い猫は大きな音に敏感です。大きな音を立てないように注意しましょう。特に手で顔を覆っていたらなおさらです。
起こさずに寝かせておく
眩しい、うるさいという理由のほかにも、顔を埋めるような形で寝ているときは甘えていることがあるとも見ましたね。
もしかしたら母猫のことを思って寝ているのかもしれません。ですから布団や毛布などに顔を埋めて寝ているときは起こさずに、そのまま寝させておきましょう。母猫を思って甘えているのですから、そんな幸せな時間はそのままにしておいてあげたいですね。
※表示価格は記事公開時点の価格です。
-
- 愛犬と一緒に出社する夢を実現した富士通『ドッグオフィス』に行ってみた!
- “愛犬と一緒に出社する” ワンちゃんを飼っている社会人なら憧れる人も多いのではないでしょうか。そんな夢のような取り組みを富士通は大手企業ながら実現してしまいました。富士通が愛犬家のためにどんな取り組みをしているのか新たに設立された【ドッグオフィス】を取材してきました!
- 犬の生活
-
- 【獣医師監修】犬が口をくちゃくちゃする理由を解説!意外な理由と注意点を解説【2023年版】
- 犬が口をくちゃくちゃと動かしている様子を見たことがあるでしょうか。不思議な仕草なので、普段から気になっている飼い主さんも少なくないと思います。今回は口をくちゃくちゃする理由を紹介します。
- 犬の気持ち
-
- ミキ亜生(芸人)/第1回 「犬派だった僕が、3匹も猫を飼うなんて夢にも思ってなかったです」
- お笑いコンビ・ミキの亜生さんは、自身が保護した3匹の猫ちゃん「助六(メス)」「銀次郎(オス)」「藤(メス)」と生活をしています。芸人として活躍する傍らで、街で見つけた猫を保護し、里親を見つける活動を行っている亜生さんに、保護猫活動や猫たちとの生活についてインタビューしました。
- お笑いタレント
-
- ペット同伴できる会社がある!?『ペットフレンドリーオフィス』があるマース ジャパンに行ってきた!
- 「カルカン」「シーバ」等のペットフードや「スニッカーズ」「M&M'S」のお菓子でも知られているマース インコーポレイテッド。日本の拠点であるマース ジャパンでは「ペットフレンドリーオフィス」というペット同伴出社が可能な制度があるんです。
- 犬と暮らしたい
-
- 【2023年版】猫を飼っている芸能人・有名人を男女別にご紹介!
- “猫好き”を公言している芸能人もたくさんいますよね。テレビを見ると、ニャンコを飼っている芸能人も意外に多い気がします。そこで今回この記事では、猫ちゃんを買っているジャニーズや芸能人を男女別に10選ずつご紹介します。かわいい愛猫の写真にほっこり癒されること間違いなしです♪
- 猫と暮らしたい
- コメント
I absolutely loved reading this article about who adore their cats! It's so heartwarming to see public figures like Sunshine Ikezaki and Hikakin not only sharing their love for their furry friends but also actively supporting animal rescue efforts. It’s amazing to see such a variety of breeds and stories, from rescues to pampered pets. Thank you for highlighting these sweet connections between celebrities and their cats—it really shows that a love for animals can unite us all!
-
- 【2023年版】夏にピッタリ?!話題のライオンカットとは?猫へのメリットと危険について解説
- 暑い時期が近づいてくると、暑さ対策が話題になりますよね。夏の時期が近づくと、愛猫の被毛を短くカットしたいと思うかもしれません。最近ではその一環でライオンカットというものが流行っています。ここではライオンカットの方法やメリット、さらにその危険性などについても扱いたいと思います。
- 猫のお手入れ
-
- 【獣医師監修】猫に菜の花はNG?猫草代わりとして与えてもダメ?注意点やリスクを解説【2023年版】
- 春になると鮮やかな黄色の花を咲かせる菜の花。独特のほろ苦さと香りが魅力なことから鑑賞以外に食用としても人気の菜の花ですが、猫が食べても大丈夫なのでしょうか?この記事では猫に菜の花を食べさせる場合にどんな点に気を付けたらいいのかを解説します。また猫草代わりに菜の花を与える際に注意したい点も説明します。
- 猫の食べ物
-
- 【獣医師監修】猫にレンコンを与えても大丈夫?含有している栄養素や猫へのメリットをご紹介!【2023年版】
- 小鉢料理などで活躍するレンコンは、日本人にとってなじみの深い野菜の一つです。栄養素も豊富なので、愛猫にも与えようかどうか迷っている人も多いでしょう。でもレンコンは野菜なので、肉食の猫には与えても大丈夫なのか心配な人も多いはず。そこで今回は猫とレンコンの相性について調べてみました。
- 猫の食べ物
-
- 【2023年版】猫がゴロゴロ・クネクネ転がるのはなぜ?!理由や猫の心理を解説
- 猫は警戒心の高い動物のはずなのに床でゴロゴロ転がっていたり、仰向けで爆睡したり、へそ天状態でクネクネしたり、急所であるはずのお腹を丸出しにしたりすることがあります。そんな猫の行動には、本能に基づく理由やその姿を見せている相手に伝えたい気持ちが込められています。ここではそんな猫の心理をご紹介します。
- 猫の気持ち
mofmo掲示板
-
- 猫の毛が凄くて耐えられない!どうにかしたい!
- 昨年、義母と共に猫を我が家で引き取りました。それ以降、猫の毛の掃除に追われ、ストレスです。動物はすきですが・・・ある程度は諦めなきゃダメ?義母もまったく気にしていないのが一番のストレスですが(^^;)
- コメント
ルンバみたいな自動掃除機が役に立つかも!!
-
- 先住の猫と新しく迎える猫の相性
- 自宅にいる猫と、実家にいる猫が一緒に住むことになった場合 お互いの猫に配慮することはありますか? 実家では猫を飼うことが難しくなったので、引きとる方向で話が進んでいます。
- コメント
まず引き取ったら、ゲージの中に入れて先住猫にあわせないまま数日過ごさせましょう。先住猫に存在を知らせることで、面会までに心の準備をさせてあげましょう。その後面会させるときは、慣れるまではお互いゲージ越しのほうがいいと思う。最初が大事なので、じっくりじっくり慣らさないとだめです。
-
- 猫のいたずらが止まりません!トイレットペーパーまで無残な姿に!
- 猫のいたずらが度を越えてきました。ついには、噂できいていたトイレットペーパーまでも餌食に・・・。 対策ありますか?
- コメント
トイレットペーパーは猫が触れないようにしておくのは鉄則です。トイレに入れないようにするのはもちろんだし、予備のペーパーはケースに入れておくぐらいの対策はしないと猫のイタズラを予防しきれません。加齢とともに無くなっていくかは保証できないなぁ