猫の「ポー」って何?ポーの構造や役割を徹底解説します!
猫には「ポー」と呼ばれる部位があるのをご存知ですか?「ポー」とはどこの部分のことを言うのでしょうか。そこで今回は、猫の「ポー」の構造や役割について解説したいと思います。
はじめに
猫の身体には、それぞれ特徴的な名前がついています。例えば猫には「ポー」と呼ばれる部位があります。どこの部位かご存知でしょうか?
そこで今回は、猫の「ポー」について徹底解説したいと思います。「ポー」の構造や役割について知るなら、猫の事がもっと好きになること間違いなしでしょう。
猫の「ポー」って何?
Alan Sau/shutterstock.com
最初に「ポーとは何なのか?」という疑問にお答えしたいと思います。ポーが指す部位やその仕組みについてご説明しますね。
「ポー」ってどこの部分?
「ポー」とはどの部分のことを指すのでしょうか?
「ポー」とは猫の足の先端部分の事です。正確に言うと、足の先端からかかとの部分までを「ポー(Paw)」と呼びます。
猫のポーはとっても魅力的な部位だと言えます。なぜなら、しなやかで滑らかな動きをする足先は美しさを感じさせると共に、猫特有の可愛らしさも備えているからです。
足先なんかは猫らしさが詰まった部位だと言えるでしょう。指全体は丸くなっており、フワフワとした被毛に包まれています。ぬいぐるみみたいな足をしているので思わず触りたくなってしまいますね。
「ポー」の仕組みは?
猫にとってのポーは人間で言う手のひらの部分や足の部分になります。しかし、見て分かる通り、人間と猫の手足の構造には大きな違いがあります。
例えば、人間は身体を支える時に足先からかかとまでも地面に着けています。足の裏全体で身体を支えている状態です。しかし猫の場合は少し異なります。人間で言うなら、つま先立ちをしている状態です。
猫の身体を支えているのは指先から指の付け根までです。猫の踵はいつも浮いた状態になっています。
猫の前足も同じような仕組みとなっています。4本指を折り曲げた状態で立っており、手首(親指にあたる部分)は浮いた状態になっています。
指の本数も猫と人間は異なります。人間は両手に10本、両足に10本の指が備わっています。つまり合計20本の指があります。
一方猫は、両手に10本、両足に8本の指があります。つまり合計18本の指が備わっています。小さな違いかもしれませんが、これは手足の動かし方に影響を与えるものとなっています。
指行性(しこうせい)とは
人間と猫は手足の仕組みが異なっているわけですから、当然歩き方も異なります。人間の歩行様式は蹠行性(せきこうせい)というものですが、猫の歩行様式は指行性(しこうせい)と呼ばれるものです。
蹠行性(せきこうせい)は、地面に足の裏をしっかりと着けた歩き方なのに対し、指行性は地面に指だけを付けた歩き方です。いわゆるつま先立ち・歩きの状態です。
猫のポーは指行性であるために実際的な仕組みとなっています。猫は指行性なので、素早く走ったり細かい動きをしたり出来ます。
「ポー」の役割とは
Africa Studio/shutterstock.com
ポーがどの部位なのかをご説明することが出来ました。またポーの簡単な仕組みや人間との違いについてもご紹介することが出来ましたね。
ではこれから猫のポーの役割について考えていきたいと思います。可愛らしい名前ですが、その役割はたくさんあります。猫の特徴的な仕草や動きを可能なのはポーがあるからだということが分かりますよ。
それでは、猫のポーの働きを見ていきましょう。
身体を支える
猫はポーによって自分の身体を支えています。立っている時は4本の手足全体に力が入っています。
もちろんポーだけなく、二の腕や太ももの部分にも力が加わっていますが、地面と接しているのはポーだけです。この部分に猫の全体重が加わっているのです。
またポーの中の各部位が柔軟な動きをすることで、猫はぐらつくことなく立っていられることができます。
猫は高い場所でも足場の悪い所でも簡単に4本足で移動することが出来ます。猫のアクロバティックな動きの根本はポーがしっかりと身体を支えることが出来ているからなのですね。
つかむ
猫はポーを使って上手にものをつかむことが出来ます。猫がおもちゃで遊んでいる姿を見たことがあるでしょう。上手に前足でおもちゃをつかんだり転がしたりしているのです。
人間のように指が長いわけではありません。どうして上手にものをつかむことができるのでしょうか?
猫のポーはとても柔らかく、しなるため、片方のポーだけでも鎌のような形をつくって対象をすくうことができるのです。また、両方のポーを使って上手にものを挟むことも出来ます。
猫が物をつかむ様子は見ている私たちのこころもホッコリとさせてくれます。とっても上手にものをつかんだりすくったりする姿に関心しますし、可愛らしさに思わず頬が緩んでしまいますね。
ひっかく
猫と言えば、「ひっかき」と考える人も多いでしょう。愛猫にひっかかれた人も多いはずでしょう。この猫にとっては欠かせないひっかきも、ポーの役割があってこそ出来るのです。
猫はひっかくときにはポーの一部からかぎ爪を伸ばします。そして対象に向かってなでるような動作をすることでひっかくことができます。
ひっかきにはいくつかの目的があります。
1つには攻撃です。相手に対して傷や痛みを与える目的で爪を伸ばします。ポー全体を鞭のようにしならせて爪だけを相手に打ちつけます。瞬間的に強い力が加わりますので、爪痕がしっかり残ってしまうでしょう。攻撃された相手はたまったものではありません。
もう1つの目的は、山登りです。猫は急な斜面でも垂直にそびえたつ壁であっても登っていくことができますが、これもひっかく動作によって可能になっています。
山登りするときは、ポーをしならせるのではなく、力を入れてしっかりと固定します。爪を十分伸ばして壁に対して突き刺さるように力強く押し付けます。爪とポーによって身体を不安定な場所に固定させることが出来るのです。
ポーとその先端のかぎ爪は、登山におけるピッケルのようなものです。急な斜面に対して両手のピッケルを交互に突き刺していくことで断崖絶壁でも登っていけるように、猫がどんなところでも登っていけるのは、ポーがあるからなのですね。
しかも道具のピッケルとは違い、ポーは自由自在に曲げることができます。壁に爪を立てる角度まで調節することが出来るのですね。猫は両手両足に可変式ピッケルを持っているようなものと言うことが出来るでしょう。
歩く
ポーは猫が歩くときにも大切な役目を果たします。
猫が歩くときと走る時ではポーの使い方が異なります。歩くときは、しなやかにポーを動かしつつ4本のうち2本は地面についた状態になっています。歩いているいずれの場合も2本足で支えられているので、身体が安定しますし、ポーに負担がかかりづらいのです。
「歩き」は歩きでも、すこし急いでいる時には「早歩き」するようになります。
早歩きの場合は、ゆっくりと歩く時よりもポーに力が入ります。前後の2本足で同時に蹴り上げるので、その力によって身体が一瞬地面から離れます。人間で言うと、軽いジョギングやスキップに近いかもしれません。
同じ早歩きでも、右前足と左後足、左前足と右後足を連動させる歩き方もあります。これは重心が安定しやすく疲れづらい早歩きの仕方になります。
単に「歩く」という動作だけでもポーの動かし方によってかなりのバリエーションがあることが分かりますね。猫は状況に応じて歩き方を使い分けているのです。
走る
猫のポーは走る時にも大活躍します。猫が走る時には身体全体を動かします。後ろ足でしっかりと蹴り上げると身体が浮きます。蹴った後はちょっとでも前進するために身体全体を前方に大きく伸ばします。浮いた身体は前足から地面に着地しますが、この時にポーが柔らかく、なおかつ力強く作用するのです。
猫のポーは人間の足と違って、つま先立ちの状態です。手足全体を地面に着けることが無いので、足を振り出しやすくなり回転が速くなります。猫が素早く走り出せるのは、ここに秘密があるということですね。
もし、猫の指が人間の手の指のように長かったならどうなるでしょうか?器用に物をつかんだり、作業したりすることはできたかもしれませんが、両手両足を使って走ることはできなかったはずです。なぜなら、指が長いとつま先立ちをするには負担がかかりすぎてしますからです。
人間は2つの足を使って走ることはできますが、同じくらいの大きさのネコ科の動物(ライオンやトラ、チーター)などには走って勝つことはできません。身体の小さい猫にさえ勝つことはできないでしょう。
猫たちは狩猟して生きていかなければいけない動物です。瞬発力や走るスピードが遅くては生きていくことが出来ません。ポーはまさに「狩りのための」「速く走るための」構造をしていると言えます。
ジャンプする
猫がジャンプする時もポーの働きが大活躍します。猫は高い所へ飛び移ったり、離れた場所まで移動したりすることが多いです。
猫はジャンプする前に、溜めの時間を必要とします。両手両足をしっかりと地面に着けて足に力を込めます。意を決した後は、主に後ろ足に力を込めて飛び上がります。ジャンプした後は前足から着地するため、前足を前方に伸ばすようになります。
着地する時には、かなりの力が前足にかかりますが、ポーの働きによって滑らかに着地することが出来ます。高い所へジャンプする時には、ギリギリでもなんとか壁にひっかかって落ちないようにするために爪を伸ばすこともあります。
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