サーベルタイガーってどんな生き物?本当にいたの?絶滅した理由とは?

サーベルタイガーってどんな生き物?本当にいたの?絶滅した理由とは?

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「昨日、あの辺でサーベルタイガーが走っていたよ」「動物園に行った時に餌を食べていた、あれがサーベルタイガーでしょ」残念ながら、いずれも成り立たない話です。サーベルタイガーはネコ科の肉食獣グループの総称ですが、既に絶滅したからです。この記事では、サーベルタイガーとその絶滅理由について紹介します。

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サーベルタイガーとは、どんな動物?

サーベルタイガー

Erika Zimmer/shutterstock.com

サーベルタイガーとは、特定の動物の名前ではありません。既に絶滅している肉食獣グループの総称です。厳密には何種類かあるのですが、例えば「スミロドン」と呼ばれるサーベルタイガーがいます。

スミロドン

南北アメリカ大陸に生息したと考えられているのがスミロドンです。上あごの長くて大きな2本の犬歯が特徴で、その犬歯の長さは20センチにもなります。そして、あごが120度も開いたとされています。120度も開けば、犬歯を使いやすかったことでしょう。すごいですね。

スミロドンの体長は約1.9メートルから2.1メートル程度、体高は約1メートルから1.2メートル程度になります。体重は約300㎏程度、体格としてはライオンに近いのですが、ライオンと比べると骨太だったようです。

この犬歯が、片刃で先端が鋭い刀のようにサーベル状になっていることから、サーベルタイガーと呼ばれるようになったとも考えられています。

ティラコスミルスとスミロドンは似ているけれど…

このスミロドンと似ている動物に、ティラコスミルスを挙げることができます。このティラコスミルスは南アメリカに生息していたと考えられています。

でも、このティラコスミルスは、姿は似ていても実はサーベルタイガーではありませんでした。ティラコスミルスは下顎にさや状の長いくぼみがあって、牙はそのさや袋に収まるのですが、スミロドンはさや袋がなく、2本の牙はいつも外に出ている状態だからです。ティラコスミルスはカンガルーなどと同じ「有袋類」でした。

サーベルタイガーはどのように狩りを行っていたの?

サーベルタイガーとマンモス

LuXpics/shutterstock.com

サーベルタイガーの狩りの方法については、諸説あります。その幾つかを調べてみましょう。

一撃で突き刺す

獲物の主要な血管を一撃で突き刺していたという説です。動物が変われば血管の位置も変わるため、一定の決まった動物を獲物として専門的に狩っていたのかもしれません。

不意をついて襲う

サーベルタイガーは持久力に乏しく、獲物を走って追いかけて捕まえるのは得意ではなかったようです。そこで、動きが俊敏ではない草食動物に噛みつき、失血死するのを待ったのではないかという説があります。

確かに、サーベルタイガーが持つ長い牙を使って、腹部や喉元に致命傷となるような傷をつけることができれば、そのまま何もしなくても失血により死んでしまいます。そこで、獲物に傷をつけて獲物が倒れるのを待って、それから食べていたのではないかと考えているわけです。

窒息させる

牙を獲物の喉元に突き刺して狩りを行っていたのではないかという説もあります。長い牙を用いれば、獲物の喉を噛めば気管にまで達することが可能だからです。気管にまで達すれば、失血による死を待つよりも、より早く窒息させることが可能となります。

このように、狩りの方法については諸説あります。いずれにしても、単独行動が多いとされる猫の仲間としては興味深いのですが、サーベルタイガーは単独ではなく、集団で狩りをしていたと考えられています。自分よりもずっと大きな動物に対しても集団で襲いかかり、獲物にしていたのかもしれません。

当時は、サーベルタイガー以外にも、アメリカライオンやアメリカチーターなどもいて、厳しい生存競争が見られたようです。生きていくのが容易ではない環境だったのでしょうね。

サーベルタイガーが絶滅した理由は?

化石

Mardoz/shutterstock.com

これだけ立派な大きな牙を持ち、狩りを行うのにもそれほど困らなさそうなサーベルタイガーですが、なぜ絶滅してしまったのでしょうか。その理由についても諸説あります。

人間の毛皮のため

これが事実ならとても悲しい話になりますが、人間が関係してきます。人間の毛皮を作るためにサーベルタイガーを乱獲してしまい、その結果絶滅したとされる説です。

草食動物を餌にしていたため

ある説によれば、サーベルタイガーは大型で動きが遅い草食動物を餌にしていたと考えられています。サーベルタイガーは持久力がなく、足が遅かったと考えられているからです。地球が寒冷化し、大型で動きが遅い草食動物の食糧が少なくなってしまったことに伴い、絶滅してしまったという説があります。

このように、サーベルタイガーが絶滅した理由については諸説あるもの、実情としては絶滅理由ははっきりとは解明されていません。

犬歯の長さが20センチにもなるサーベルタイガーがもし今、私たちの身の回りに住んでいたら怖くて仕方がない気もしますが、それでも、絶滅してしまって今は見られない動物がいるというのは寂しいものですね。

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