
クロアシネコとは?特徴から性格まで魅力をご紹介!

mofmo編集部です。
今日ご紹介するのは、世界で最も小さいネコと言われている「クロアシネコ」です。ネコというだけでも可愛らしさは保証されているのに、世界最小となると、もうたまらない可愛らしさがあるのは、想像に難くないと思います。今回は魅力たっぷりのクロアシネコについて見ていきましょう。

クロアシネコの身体的特徴
”世界で一番小さい”という、まさにフィジカルな特徴で知られているクロアシネコだけに、具体的にはどれほどの小ささなのか、また、被毛の色や模様、顔の作りなど、身体的特徴について詳しく見ていきたいと思います。
サイズ
平均身長は35cm~50cm、尾長は13cm~18cm、体高は20cm~26cm、体重は1.6kg(オス1.9kg、メス1.3kg)となっています。メスはオスよりも一回り小さいのですね。
イエネコの平均体重が3.5kg~4.5kg、最も小さいイエネコと言われている「シンガープラ」でも、体重が2kg~3kgということを考えると、いかにクロアシネコが小さいかがわかりますね。
体重平均で考えると、一般的なイエネコの生後3ヶ月にあたります。 生後3ヶ月なんて、ピークに可愛い時で、何をしても思わず目尻が垂れてしまったり、このままでいて?と思わず願ってしまうほどのキュートさですよね。
そんな可愛い盛りのサイズが一生続くなんて、超絶可愛いに決まっていますよね。 クロアシネコの子ネコに至っては、さらに小さいわけで、子供ならではのイノセントさや好奇心も加わり、破壊的な可愛らしさがあります。
ぜひ、フィラデルフィア動物園が発信している、子ネコの動画をご覧になって見てください。 そのキュートさに心がキュンとなりますよ。
もちろんクロアシネコは、小さいなりにきちんと成長を続け、立派な大人のネコとして、厳しい自然界で生き抜けるように、体も力も知恵も整っていきます。 生後1年もたつと、自分の縄張りも持って独立します。
ただ、冒頭で触れたように、小さいということはそれだけでチャーミングなので、このようにクロアシネコの体型に関して具体的な数字を知ると、より、ミニサイズならではの愛らしさを、ずーっと失わない得意なネコであることの認識を深めることができますね。
スタイル
クロアシネコは、成獣になっても、一般的なイエネコの子ネコサイズほどの小ささであることがわかりましたが、サイズの他にも可愛らしい特徴があります。それは、身体に対して頭が大きいことです。
人間でも動物でも、総じて子供の時は、身体に比べて頭が大きいですよね。 そのずんぐりむっくりした感じが、なんとも言えない可愛らしさを醸し出すのですが、クロアシネコは、成獣になっても、子ネコのような頭でっかちのスタイルなのです。
ネコと言えば、すらりと伸びた手足と、スリムな体型をイメージすると思いますが、クロアシネコはどちらかというとボテっとした体型で、コロコロしたイメージです。
そのような子ネコのようなスタイルが、クロアシネコをより幼く、可愛らしく見せるので、私たちの心は、いつまでたってもぬいぐるみのようなキュートな姿に鷲掴みにされるのです。
実際に身軽とは言えないので、木登りやジャンプなどの俊敏な動きはあまり得意ではありません。 ですから、巣の場所も木の上などではなく、シロアリの塚や、他の小動物が捨てた穴など高くない場所を住処にしています。
被毛
被毛の色は、シナモンのような薄茶色から、飴色とも呼ばれる黄色がかった茶色の黄褐色をベースに、黒い斑点が肩から筋が流れ、脚と尻尾のところで輪のように付いています。
一見すると、ベンガル模様というか、ヒョウ柄のように見えます。 もちろんヒョウ柄も、よくみるといくつかのパターンがあり、それぞれ特徴がありますが、総じてベンガル模様は、ワイルドな雰囲気になり、野性味を感じるパターンですよね。
クロアシネコの斑点は、全ての斑点がはっきりしており、中央部分が淡い色になる他のヤマネコと違うと言われています。 また、オスに比べてメスの方が斑点模様がしっかりと付いているそうです。
小さい可愛らしい身体に、ワイルドさを纏っているギャップが本当に可愛らしいですよね。
名前の由来にもなっている忘れてはならない被毛部位は、脚の裏です。 脚の裏の被毛が真っ黒なことから、そのまま「アシクロ」と名付けられました。
ひねりも何もないシンプルな由来ですが、脚の裏が黒っぽいネコは何種類かいますが、クロアシネコほど、真っ黒というか漆黒なのは珍しいので、他とは明らかに違う特徴として名付けられました。 英語でもBlack-footed catと呼ばれています。
性格
「世界で最も恐ろしいネコ」「アリ塚の虎」と呼ばれていることを考えると、小さくて可愛い見た目からは想像もつかない、激しいものを秘めていることが想像できますね。一体どんな性格なのでしょうか?早速見ていきましょう。
獰猛
性格は非常に勇敢で、自分の体の倍以上ある動物にも果敢に向かっていきます。
なんと、キリンの頚動脈を狙って襲うとか、ジャッカルと互角に渡り合う、追い詰められると人間にも反撃するなど、クロアシネコは武勇伝がたくさんあります。
このようなエピソードを聞くと、可愛らしい見た目とは裏腹に、非常に獰猛で、食物連鎖の頂点に君臨するライオンやチーターと同じネコ科の食肉獣であることを思いださせられますね。
弱肉強食の厳しい世界を、小さな体一つで生き抜いていくには、気性の強さや、どんな状況でも怯まない強さ、そして実際に反撃や攻撃に出る勇気は必要な特質でもあるのでしょう。
単独行動が好き
クロアシネコは、シャイで警戒心がとても強いネコです。
人間が少しでも近づこうとすると逃げようとしたり、捨て身で攻撃してきたりします。人間に甘えてスリスリしてくるイエネコとは全く違いますね。
様々な危険がある野生の世界では、いち早く危険を察知したり、不要な戦いを避けるために身を隠せるように常に神経を研ぎ澄ましておく必要があるのでしょう。
シャイなことと関係するのか、単独性が非常に強く、クロアシネコ同士で群れを成すこともなく、基本的に一匹で行動しています。
メスは10km2、オスは22km2ほどの縄張りを持っていて、1匹のオスの縄張りにメスの縄張りがかかるようになってはいますが、繁殖期でも、オスとメスが一緒にいるのは5時間~10時間ほどと言われています。
孤独を恐れず、誰にも頼ることなく、一匹でたくましく生き抜いているクロアシネコのたくましさに、感銘を受けるのではないでしょうか。
アグレッシブ
クロアシネコは、狩のために一晩に8kmも移動するそうです。これは、東京駅から恵比寿駅ほどの距離になりますが、そんなに長い距離を、体重が1.6kgほどしかない子ネコのようなサイズのネコが一匹でテクテクと歩いていることを想像してください。
人間の勝手な感覚では可哀想に感じてしまうこともありますが、そのように感傷的になるのではなく、そのタフさに敬意を評するべきなのです。
野生のクロアシネコにとってそれぐらいの運動量は、自分の食べ物を確保するために必要なことで、疲れを知らないハンターとして夜中狩を続けることもあるそうです。
それも、小さいのに大食漢で、自分の体の6分の1程度にもなる250gもの肉を、一晩で平らげてしまうほど大食いなので、必要量を賄うには、たくさん歩いてたくさんの獲物を仕留めなければならないのです。
よく食べ、よく動く、なんともアグレシッブなネコです。
さらに、狩の成功率が非常に高い優秀なハンターであることも注目に値します。小柄なネズミや鳥類、昆虫などを主な餌としていますが、なんと捕獲成功率が60%と、野生のネコの中で最も高い成功率を誇っています。
群れで狩をするライオンよりも、世界最速の脚を持つチーターよりも成功率が高いことになります。小さな体で素晴らしいですよね。
ネコ科の中ではそれほど俊敏ではないが、持ち前の獰猛さと、タフな心身で狩に望むことで高い成功率なのでしょう。
野生の世界では、常に生きるか死ぬかの攻防が行われており、餌になる動物も命をかけて逃げようとしていますが、捕獲する側もしとめない限り餓死の道が待っているので、本気で戦います。
小さく可愛らしい見た目でも、厳しい環境でタフに生き抜いているクロアシネコのたくましさに敬意を表したいと思われるのでしょうか。
寿命
クロアシネコの寿命は決して長くはなく、動物園などで飼育されている場合でも10年程度とされています。
保護目的の人の手が介入してもこの短さですので、厳しい自然界で生きている、野生のクロアシネコの場合は、もっと短いであろうと考えられています。
野生では、か弱く、自分の身を守ることを知らない乳児が、天敵の標的になったり、親を失えば一人では力尽きてしまったり、もともと生き抜く力がなければ病死したりするなど、乳児期を超えるハードルが非常に高いです。
ですから、出産回数が多かったり、子供をたくさん産むような動物は、生存競争を勝ち抜くには有利なんですが、クロアシネコの場合は、一度の出産で産む子供数は、平均2匹~3匹とネコにしては少ないです。
発情期は南半球の春から秋の時期で、妊娠期間は59日~68日と、一般的なネコとあまり変わりませんが、何しろ単独行動をしていて、それぞれの縄張りが広く、一緒にいる時間も数時間と極端に短いので、妊娠出産に関しては、不利な状況といえるでしょう。
国際自然保護連合(IUCN)が定めた、絶滅危惧種の中でも、絶滅の危機が増大している種として指定されているわけですから、繁殖行動を盛んに行い、徐々に頭数を増やしてくれることを切実に願いますが、簡単には行かないかもしれません。
ただ先ほど見たように、獰猛でアグレッシブな性格をしているので、厳しい世界をタフに生き抜いて、頭数を増やしてくれることを期待したいと思います。
そのために私たちにできることは、これ以上、彼らの生息地域を奪わないようにしたり、自然環境を壊さないように、意識を高く持って日々の様々な決定をすることかもしれません。
人間のエゴで、こんなに可愛いネコが存在しなくなるなんて、胸が張り裂けそうなくらい辛いですよね。 ですから、一人一人が些細と思えることでも、自然界にどんな影響があるかを考えながら生活するようにしましょう。
まとめ
小さくてぬいぐるみのように可愛いが、たくましく自然界を生き抜いているクロアシネコの魅力がお分りいただけたでしょうか。