猫に豚肉を与えても大丈夫?あげる時に絶対気を付けるべき事とは?

猫に豚肉を与えても大丈夫?あげる時に絶対気を付けるべき事とは?

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豚肉は安く栄養素も豊富なので多くの人に愛されています。そのため自分の愛猫にもあげたくなる飼い主さんは少なくないはずです。でも豚肉は猫にあげてもよいものなのでしょうか。今回は豚肉にフォーカスをあててみたいと思います。豚肉は猫にNGかどうか、あげてもいい場合はどんな点に注意すべきかを考えます。

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猫は豚肉を食べても大丈夫?

新鮮な豚肉

Mirek Kijewski/shutterstock.com

豚肉は栄養価の高いお肉でありながら牛肉よりも安く手に入るため、よく豚肉を食べるという方は少なくないはずです。豚肉は鶏肉や牛肉と並んで、日本でもよく食されるお肉の一つです。

さて栄養豊富という点を考えると、肉食動物の猫にとっても豚肉は良い食材になる気がしますよね。

しかし猫のための手作り食のレシピを見ると、その多くは鶏のささみや鶏肉を使用しています。一方豚肉を使ったレシピはあまり見ない気がします。そのため、「猫に豚肉は良くないのだろうか?」と思われるかもしれません。

そこで今回は猫に豚肉を与えても良いのかどうか見てみたいと思います。

猫に豚肉はOK

結論から言えば「猫に豚肉を与えても大丈夫」です。ただし後述するようにいくつか注意点があります。

ではどのように猫に豚肉をあげれば良いのでしょうか?この点については後程詳しく取り上げたいと思います。その前にまずは豚肉の気になる栄養価や豚肉の持つリスクについて説明しておきましょう。

豚肉の栄養価

豚肉は非常に栄養価の高いお肉です。中でも豚肉の際立った栄養価は「ビタミンB群」です。

ビタミンB群は疲労回復効果が高い栄養素といわれています。私たちも夏バテなどで疲労しているときに豚肉を食べると元気になるのはこのためです。

他にもビタミンB群には多くの効果があります。例えば免疫機能を正常に保ったり、皮膚炎の予防をしてくれます。さらに貧血予防や筋肉や心臓の機能を正常に保つ助けもしてくれます。

また豚肉は高たんぱくでありながら低脂肪の優れた動物性たんぱく源です。ですから筋肉を作ったり健康で美しい皮膚や被毛を作るためにも欠かせません。

そして血中悪玉コレステロールの減少や動脈硬化防止などにも効果のある食材とされています。さらには精神を安定させる効果も期待できるのです。

生の豚肉の危険性

豚肉は栄養価の高いお肉であることがわかったのではないでしょうか?

しかし豚肉には怖い一面もあります。それは「生の状態で食べると恐ろしい疾患になる」という点です。豚肉は調理する時には、必ず火をよく通すように強調されることがありますよね。少しでも生の状態だと決して口にすべきではありません。

これは何故でしょうか。

なぜなら生の豚肉には「トキソプラズマ寄生虫」の原虫である「シスト」というものがいて、これを生で食べるとトキソプラズマ症に感染する可能性が高いからです。

トキソプラズマ症とは?

妊婦の女性の前に置かれたトキソプラズマのロゴ

Tolikoff Photography/shutterstock.com

トキソプラズマ症とは何でしょうか?

トキソプラズマ症は人や動物にも感染する「人畜共通感染症」の一つで、トキソプラズマという寄生虫が原因で感染する病気です。猫から人にうつる代表的な病気でもあります。

トキソプラズマ症の症状

トキソプラズマ症は「トキソプラズマゴンディ」という寄生虫によって引き起こされます。猫の体内でのみその数を増やすという変わった寄生虫です。

トキソプラズマに感染するとどんな症状が出るでしょうか?

・成猫の場合 健康な成猫でしたらほとんど症状は出ずに終わります。一時的に下痢などの症状が見られることもありますが、特に問題はありません。

しかし猫エイズや猫白血病ウイルス感染症などの病気に感染しており体力がなくなっている場合は、無気力、食欲の減退、下痢やおう吐、発熱、呼吸困難といった症状が見られることがあります。眼の炎症などが出ることもあります。

また気をつけてほしいのは妊娠中の猫です。トキソプラズマに感染すると流産や死産、障害を持った子が生まれることがあります。授乳中の猫が感染すると母乳を通して子猫に感染させてしまうこともあります。

・子猫の場合 子猫は成猫と違って免疫力もまだないためトキソプラズマに感染すると症状が出ることがあります。

呼吸困難、発熱、下痢やおう吐、結膜炎などといった症状です。重症化すると最悪命にかかわることもあります。

このように免疫力の弱い子猫、病気で体力の低下している成猫、免疫力の低下してきているシニア猫などは注意が必要です。

トキソプラズマ症の感染経路、原因

トキソプラズマに感染する原因は「トキソプラズマゴンディ」という寄生虫が原因ですが、どんな経路で感染するのでしょうか?

主に3つの経路があります。

・猫の糞を通して 一つ目はすでにトキソプラズマに感染している猫の糞を通してです。

外に遊びに行く猫はいろんなところに行くため、自然と他の猫の糞に触れる機会も多くなります。糞自体に接触しなくても糞がある土を口にして感染することがあります。

トキソプラズマの卵のようなものを「オーシスト」といいますが、オーシストは土の中や水の中で数か月から数年は生存可能だといわれています。ですからトキソプラズマに感染した猫が花壇で糞をした場合、その糞に含まれているオーシストは何年もそこにおり、その土を口にすることで感染してしまうのです。

・ゴキブリやハエ、ネズミを通して トキソプラズマがその数を増やすことができるのは猫の体内のみですが、すべての哺乳類や鳥類に寄生することはできます。そのため最終目的地(終宿主)である猫にたどり着くために、あらゆる中間宿主を使って移動していくのです。

例えばネズミや鳥などに寄生し、ネズミや鳥を口にした猫に寄生します。ゴキブリやハエもトキソプラズマ寄生虫を運ぶことがあるため、これらを介して寄生することもあります。

・生肉を通して 生肉を食べることによっても感染します。

最初の2つの感染経路や原因は、主に外に遊びに行くようなネコの感染源となります。一方完全室内飼いしている猫の主な感染源は、この3番目の「生肉を食べること」になります。そして生肉の中でも危ないのが豚の生肉と言われています。

トキソプラズマ症の予防方法

ではトキソプラズマに感染しないために何ができるでしょうか?

1、完全室内飼いにする 完全室内飼いにすることである程度防ぐことができます。

上記でも見たようにトキソプラズマの感染源は外部でのものが多いからです。すでにトキソプラズマに感染している猫に接触すること、トキソプラズマ寄生虫に寄生されているネズミや鳥を口にすることなどが主な原因でした。

ですから飼い猫を外に出さない、外の世界と接触を持たないことによって感染を防ぐことができます。

2、生肉を与えない 生肉は与えないようにしましょう。十分に加熱したお肉を与えるようにします。トキソプラズマは66度以上になると死滅するといわれています。ですからしっかり加熱したお肉は安心して与えることができます。

ちなみにトキソプラズマ寄生虫はマイナス20度以上で24時間冷凍することでも死滅します。とはいえ一般家庭の冷凍庫はマイナス18度くらいまでの出力ですので、家庭の冷凍庫で冷凍しただけのお肉ではトキソプラズマ寄生虫が完全に死滅することは期待できません。

ですから徹底的な加熱をする方が無難です。

3、調理器具の熱湯消毒 生肉を扱った調理器具は熱湯消毒しましょう。

包丁やまな板などは洗剤を使って洗った後、熱湯消毒すると良いでしょう。100度の熱湯でしたら数秒で死滅するといわれています。

こうした消毒によって徹底してトキソプラズマの感染を予防できます。

4、部屋を綺麗に トキソプラズマの感染源の一つにゴキブリやハエもあります。ですからこうしたところからの感染源を断つためにも家の中を綺麗にしましょう。

トキソプラズマは人間にも感染する

トキソプラズマは「人畜共通感染症」ですので、なんと猫から人間にも感染します。

猫がトキソプラズマに感染すると、約1か月間糞の中にオーシストというトキソプラズマの卵のようなものが排出されるのですが、このオーシストが口や目から体内に入って感染することがあります。

なんと世界人口の3分の1の人がトキソプラズマに感染しているといわれているくらい、多くの方が感染している病気なのです。日本では成人の5~40%が抗体を持っています。知らないうちに感染しているかもしれない感染症なのです。

人がトキソプラズマに感染するとどんな症状が出るの?

トキソプラズマに感染するとどんな症状が出るのでしょうか?

猫の場合と同じく、健康で正常な免疫機能を持った人でしたら感染しても症状はほとんどありません。無症状なため無自覚の方がほとんどです。

しかし危険なのは「妊娠中の女性」です。

妊娠中の女性がトキソプラズマに初めて感染すると胎児に重篤な症状が出ることがあります。流産や死産となることもあります。「妊婦は猫を飼うな」といわれているのはそのためですね。

とはいえ、実際に猫から妊婦さんにトキソプラズマが感染するには以下のような数々の条件があり、それらの条件が重なって初めて感染します。

・猫自体が感染 まずは猫が初めてトキソプラズマに感染することです。初めてトキソプラズマに感染した場合にのみ、猫の糞にトキソプラズマの卵のようなオーシストが排出されます。

・猫の感染から1か月以内&初めての感染 猫から人に移るのは初めての感染から1か月間のみです。というのもオーシストが排出されるのは、初めての感染から約1か月間のみという短期間だからです。

そして妊婦さんも初めてトキソプラズマに感染する場合のみ、危険な状態がうまれます。もし過去にすでに感染している場合は、すでに抗体があるため胎児に影響が出ることはないでしょう。

このような条件がそろわなければ猫から妊婦さんへ感染する確率はごくわずかです。ですからトキソプラズマを極端に恐れる必要はありません。

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