イカやタコは猫に食べさせてはいけない?過剰摂取した場合のリスクや対処法を紹介!
人間にとっては栄養豊かで、体にさまざまな効果や効能をもたらしてくれる食べ物であっても、猫にとっては健康に悪影響を与える食材は多く場合もあります。ここでは、猫が過剰に摂取してしまうと危険な食材の中で「イカ」と「タコ」について取り上げてみたいと思います。摂取した場合の症状や対処法についてまとめました!
猫が過剰に摂取すると危険と言われる食材
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人間にとっては栄養豊かで、体にさまざまな効果や効能をもたらしてくれる食べ物は身近にたくさんあります。
そんな栄養いっぱいのおいしい食材や料理を、我が子のように大切に育てている飼い猫にも食べさせてあげたい!と思うことがありますよね。
「でも、ちょっと待って!」
私たち人間には体に良い食べ物であっても、猫にとっては健康に悪影響を与えたり中毒症状を引き起こしたりするなどして、食べさせてはいけない食材は結構たくさんあるのです。
たとえば一般的によく言われる、猫に絶対に食べさせてはいけない食材として有名なものには、チョコレートやネギ、玉ねぎなどがあります。猫を飼っている方であれば当然知っていることでしょうし、猫に食べさせることもしないに違いありません。
他にも猫がぜったい口にしてはいけないものには、にらやにんにく、らっきょうといった野菜類や、ぶどうやレーズン、アボカドなどのフルーツ類、マカダミアやキシリトール、ココアやアルコール類などさまざまあります。
こうした食材に関してはたとえごく少量であったとしても、猫が口にすることで中毒症状を引き起こしたり命を落とす危険があったりするため、特に注意が必要です。
しかし上記で挙げた食材以外に、「ぜったいダメ!」というまでではないものの、あまり摂取させない方が良いという食べ物があることについてご存知でしょうか?
実は意外と知られていないという食材もありますし、命に必ず関わるわけではないものの「過剰に」摂取すると危険だというものもあります。
ここでは、猫が過剰に摂取してしまうと危険な食材の中で「イカ」と「タコ」について取り上げてみたいと思います。
それらの食材には猫にとって危険などんな成分が含まれているのか、過剰に摂取してしまうとどうなってしまうのか取り上げてみることにしましょう。
さらに、万が一間違って愛猫がイカやタコを口にしてしまった場合どうしたら良いのか、対処法についても取り上げていきたいと思います。
猫にイカを食べさせると腰を抜かすという噂って本当?
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まず「イカ」について取り上げてみることにしましょう。
猫といえば魚介類が大好きというイメージをお持ちの方は多いと思いますし、実際に飼い主がイカやタコをご飯中に食べていると、「私も(僕も)食べたいよ~」と匂いにつられてニャーニャーすり寄ってせがんでくる愛猫ちゃんも多いかもしれません。
「イカ、猫」というワードでネットで検索してみると、「猫がイカを食べると腰が抜ける」という伝説?について出てきます。
実際にヤフー知恵袋でも、「猫はイカを食べると腰を抜かすのか?」という点がたくさん取り上げられて話題に上っていました。
たとえば、「猫にイカを食べさせると腰が抜けると言われますが、うちの猫はそういう症状は出ません。大好物のようですが、ほんとうに害がありますか?」とか、
「友人が飼っている猫にあたりめをあげたら美味しそうに食べていたので、何度か買って食べさせました。後から猫がイカを食べると腰を抜かすと知ったのですが、ほんとうでしょうか」という質問が上がっています。
回答を見てみると、「これは迷信です。イカは消化に悪いため、食べ過ぎた猫がお腹を壊してふらふらしているのを見た人が言い始めたのだろうと言われています。」という否定派もいれば、
「迷信ではありません。うちの父が昔飼っていた猫が、干したスルメイカを食べたら腰が抜けたそうです。足がガクガクして、歩き方が酔っ払いの人みたいになります」という人もいました。
実際のところはどうなんでしょうか?こうした迷信や伝説のようなうわさが出るようになったことにはきちんとした理由があるようです。そしてその理由こそ、猫に過剰にイカを食べさせない方が良い理由でもあります。
猫がイカを食べない方が良いと言われるのはなぜ?
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では、猫にイカを過剰に食べさせない方が良いのはどうしてなのでしょうか。
世界の消費率を比べてみると、イカのおよそ半分は日本国内で消費されていると言われているほど、私たち日本人にとっては身近な食材でもあります。
イカにはスルメイカやアカイカ、アオリイカ、ホタルイカ、ケンサキイカなど、さまざまな種類があります。
そのどれも、たんぱく質やタウリン、亜鉛など体に良い栄養素がたくさん含まれており、骨や筋肉を作ったり体内の機能を改善したり、免疫力をアップさせたりするなど体に良い栄養素ばかりです。
しかし猫にとっては、長期間食べ続けることで健康を害してしまう成分がイカには含まれています。
それは「チアミナーゼ」と呼ばれる酵素です。「猫がイカを食べると腰が抜ける」と言われているのは、イカを含め多くの魚介類に「チアミナーゼ」と呼ばれる成分が含まれているからのようです。このチアミナーゼは、他にも「アノイリナーゼ」とも呼ばれています。
この「チアミナーゼ」は、生物が体を正常に機能させ、健康に保つのに必要な「チアミン」と呼ばれるビタミンB1の栄養素を壊してしまう働きがあります。
ビタミンB1は、炭水化物の消化を助けて糖質へと変化させることによって、神経系統を正常に保つのに必要な栄養素です。
しかし、この「チアミン」と呼ばれるビタミンB1が体で不足していくと、糖と酵素からエネルギーを作り出す代謝が体の中でうまく機能できなくなってしまい、脳や筋肉といった神経機能に十分なエネルギーを送ることができなくなってしまいます。
それにより、ビタミンB1が欠乏してしまう「チアミン欠乏症」を引き起こすのです。
この「チアミン欠乏症」になってしまうと、初期症状の一つとして目が回ったようにフラフラ歩くなどの歩行困難を引き起こします。これが「腰が抜ける」という伝説の由来ともなっています。
他にも、チアミン欠乏症の症状には下記のようなものがあります。
<初期症状> ・食欲が無くなる ・首をうなだれる ・光に対する瞳孔反応が鈍くなる(視覚障害)
<重篤症状> ・泣き叫ぶ ・体を反らした状態で動けなくなる ・昏睡状態に陥る
もちろん、イカをほんの少し食べさせただけですぐにこうした症状を引き起こすわけではありません。
しかし大量に食べさせたり、少しずつでも毎日のように与え続けたりするなら、少しずつビタミンB1が壊れて欠乏してしまう可能性はあります。
生のイカは特にダメ!その理由とは
「チアミノーゼ」という成分によってビタミンB1が欠乏してしまう可能性に加えて、イカを、特に生のイカを猫に食べさせない方が良い理由が他にもあります。
それは、イカに潜んでいるかもしれない「アニサキス」という寄生虫により、食中毒の症状を引き起こす可能性があるという理由です。
アニサキスは長さ2~3センチ、幅0,5~1ミリ程の寄生虫で、このアニサキスの幼虫がイカの内臓に寄生します。イカの他にも、サバやイワシ、カツオ、サケ、サンマ、アジなどの魚介類に寄生していることがあります。
イカの内臓を取って与えれば生でも大丈夫なのでは?と思われるかもしれませんが、鮮度が落ちたイカの場合、内臓から身の方にアニサキス幼虫は移動すると言われています。
このアニサキスが生きたまま体内に入り胃壁や腸壁にもぐり込んでしまうと、胃や腸を食い破ろうとするため、激しい痛みや嘔吐などの食中毒症状を引き起こしてしまいます。これがいわゆる「アニサキス症」と呼ばれるものです。
アニサキスは刺激に弱いので、少しでも噛んで傷が付いてしまいさえすれば生きて体内に入り込むことはないのですが、猫の場合食べたものをよく噛まずに丸飲みすることがよくあるため、生で与えるのはお勧めできません。
アニサキスは60℃の熱なら1分程度、70℃以上の熱なら瞬時に死滅します。ですからイカも生ではなく、加熱したほうが安全であると言えるでしょう。
加熱したイカならあげても良い?
では、加熱しさえすればイカを食べさせても何ら問題はないのでしょうか。
確かに、ビタミンB1の欠乏を引き起こす要因である「チアミノーゼ」は熱に弱い性質を持っていますし、イカに寄生している可能性がある「アニサキス」という寄生虫も熱を加えることで死滅してしまいますから、加熱して与えることがまず前提ということができます。
それでも、たとえ熱を加えたイカであってもあまりにたくさんの量を猫に与えることはお勧めできません。
なぜなら、イカは消化不良を引き起こしやすい食材だからです。消化の良くない食べ物は下痢や嘔吐などを引き起こし、胃腸に負担をかけてしまうことがあります。
特に、イカを乾燥させて作るスルメは消化が良くないですし、塩分が非常に高い食材です。さらに乾燥していますから、お腹の中に入ると水分を吸って膨らむ性質を持っています。胃腸を詰まらせてしまう原因になりかねないので、与えないようにしましょう。
イカは確かにさまざまな栄養素も持っていますから、猫にもあげたいと思ってしまうかもしれません。しかし、基本的に猫用の総合栄養食キャットフードにはすべての栄養がバランスよく配合されていますから、それを与えていれば良いのです。
人間が口にしているものを無理に猫に与える必要はない、ということを覚えておくようにしましょう。
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