ヘミングウェイキャットは「幸運を呼ぶ猫」?多指症の猫を飼育するポイントや注意点とは?

ヘミングウェイキャットは「幸運を呼ぶ猫」?多指症の猫を飼育するポイントや注意点とは?

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ヘミングウェイから「幸運を呼ぶ猫」として大切にされた6本指の猫は、「ヘミングウェイキャット」とも呼ばれ、現在でも幸運を呼ぶ猫として知られています。どうして普通の猫よりも指の多い猫が産まれてくるのか、ヘミングウェイキャットの今につい手も解説します。

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ヘミングウェイキャットについて

「ヘミングウェイキャット」

Lux Blue/shutterstock.com

猫好きな人は世界各地にいるもので、ノーベル文学賞受賞者のヘミングウェイもその一人としてよく知られています。ヘミングウェイが愛した猫は他の猫とは少し違っていて、手足の指が各6本ずつあったそうです。

「幸運を呼ぶ猫」として大切にされた6本指の猫は、「ヘミングウェイキャット」とも呼ばれ、現在でも幸運を呼ぶ猫として知られています。

今回はこのヘミングウェイキャットについて調べてみましょう。どうして普通の猫よりも指の多い猫が産まれてくるのか、ヘミングウェイキャットの今についても解説しますね。

ヘミングウェイの基本情報

アーネスト・ミラー・ヘミングウェイは1899年7月21日生まれのアメリカの作家です。高校卒業後にジャーナリストとして活動を開始し、その後小説を書き始めたとされています。

「日はまた昇る」や「誰がために鐘は鳴る」、「武器よさらば」などの代表作はハリウッド映画にもなるほど有名です。「老人と海」の評価も非常に高く、同作をリリースしてから1954年にノーベル文学賞を受賞しました。

ジャーナリスト、作家、詩人、冒険家として活動してきたヘミングウェイは、父から教わった釣りが好きなことでも知られています。またお酒好きだったヘミングウェイが愛したのがフローズン・ダイキリで、「パパ・ダイキリ」として知られています。そして大の猫好きでもあったことは有名な話です。

ノーベル文学賞受賞後に2度の飛行機事故に遭ったヘミングウェイは、後遺症による精神的な病に苦しんだと言われています。そして1961年7月2日に自らの命を絶つことになります。

ヘミングウェイが愛した「幸運を呼ぶ猫」

ヘミングウェイはアメリカの各地で執筆活動をしていましたが、その中のひとつがフロリダ州のキーウェストです。その当時、友人でもある船長から猫を譲り受けました。「スノーボール」という名のその猫は指が6本ずつある多指症の猫でした。

多指症の猫は他の猫に比べてたいへん器用でした。船上ではマストに渡したロープを軽快に登ることができ、天敵であるネズミを捕るのも得意だったようです。

「幸運を呼ぶ猫」として重宝されていた多指症の猫を、ヘミングウェイも愛するようになりました。こうして大切に育てられた猫たちはやがて「ヘミングウェイキャット」と呼ばれるようになりました。

6本指の祖先を持つメインクーンがヘミングウェイキャットの猫種ではないかと考えられています。ヘミングウェイは猫の去勢や避妊に反対する意見の持ち主だったため、一時は犬も含めて70匹以上のペットを飼っていたと言われています。餌代のことを考えただけでも大変な数ですね。

ヘミングウェイキャットとその子孫たち

ヘミングウェイは飼っていた猫たちを残してこの世を去りました。そして現在でも6本指の子孫たちは同じ場所に暮らしているんです。ヘミングウェイのキーウェストにある家は現在では博物館として一般公開されていて、そこには50匹を超えるヘミングウェイキャットが住んでいます。

多指症の猫について

多指症の猫

RaksyBH/shutterstock.com

日本ではあまり見ることがありませんが、世界には6本指の猫が多く誕生する場所もあるそうです。ヘミングウェイキャットが住んでいるキーウェストもそのうちのひとつとされています。

多指症の猫が産まれてくるのはどうしてなのでしょうか?また、最高でいくつの指の猫が誕生するのでしょうか?ギネス記録についても調べてみましょう。

どうして多指症の猫が産まれてくるのか

ヘミングウェイキャットの6本指のように、多指症の猫は近親交配の結果が原因で産まれてくると言われています。つまり多指症は猫の病気でもあるわけですね。病気とはいえ、生活そのものに支障があるわけではなく、むしろ「幸運を呼ぶ猫」などと呼ばれいるので、指が多いからと言って困るわけではなさそうですね。

ヘミングウェイキャットとして紹介されることが多い多指症の猫ですが、「ミトンキャット」と呼ばれることもあります。これは指の数が普通よりも多いために手がミトンのように見えるからです。ミトンキャットはこの指を利用して上手に木登りをしたり、ネズミ捕りをしたりすることができると言われています。猫にとっては大変便利なのかもしれませんね。

1本の指が2つに分かれて指の数が多くなる多指症ですが、これは猫の先天性異常の中でも比較的よく見られるものだとされています。多指症は優性遺伝なので、親猫の片方が多指症だと子猫も多指症になる可能性が高いのです。50匹以上いるヘミングウェイキャットも、約半数は6本指の猫だったようです。

ちなみにアメリカで一番多く多指症の猫がいると言われているのがボストンです。ボストンには何と多指症の猫の全体の15%がいるそうです。最近優勝から遠く離れているボストンレッドソックスにも幸運がやってくるといいですね。

多指症のギネス記録

猫の指の数は一般的に全部で18本です。前足が5本ずつ、後ろ足が4本ずつと言うのが普通の猫の指の数です。多指症の猫の場合は前足の指が1本ずつ多くなり、合計20本と言うのが一番多いパターンだそうです。

ヘミングウェイキャットも前足の指が1本ずつ多いタイプで、合計20本の指があります。ただし多指症の猫の指の数はこれよりも多くなることがあります。

ギネス記録に登録されている猫の指の最多記録は合計28本です。カナダのオンタリオ州ボンフィールドに住んでいるジェイクは、4本足すべてに7本ずつの指を持っており、合計28本でギネス記録に認定されました。獣医師によるとジェイクの指は正常で、生活に何の支障もないとのことです。一般の猫の指の数に比べて10本も多いなんてすごいですね。

多指症の猫を飼育する際の注意点

多指症は先天性異常ではあるものの、専門家によると生活上問題はなく、特に治療する必要もないと言われています。人間にも多指症はありますが、1歳になる前に手術で余分の指を切り落とします。しかし猫の場合は逆で、指が多いことによって器用になるという利点があるようです。指が多いとラッキーなのが猫の世界なのですね。

とはいえ、指が多いということは爪切りの時に余分の労力が必要になるということです。猫自身で爪とぎをしますが、指が多いと上手にとげないということがあります。爪とぎをきちんと行わないと、爪が伸びて肉球の間に入り込んだり傷つけたりすることがあります。愛猫が痛い思いをする前に爪の手入れをしておく必要があります。

猫を迎えるときは指の数にも注目してみてください。日本ではそれほど多くないので珍しいですが、6本指のヘミングウェイキャットを見つけることができたらラッキーですね。指の数が多いからと言って困るわけではないので、猫の個性だと思って大切に飼育してあげてくださいね。

ヘミングウェイキャットに会いに行こう

ヘミングウェイハウス

George Burba/shutterstock.com

ヘミングウェイが愛した猫たちの子孫を見たいと思いませんか?今でもキーウェストのヘミングウェイハウスに住んでいるんですよ。機会があったらぜひ訪ねてみたいものです。ヘミングウェイキャットが現在に至るまでのいきさつや、現在の様子をお伝えしますね。

ヘミングウェイハウスから立ち退きを迫られた過去も!

ヘミングウェイが亡くなったのは1961年のことです。50匹以上の猫たちを残して亡くなったわけですが、博物館となったヘミングウェイの家に住み続けて子孫を残し続けてきました。ところが地元の条例として1世帯に付き4匹までの飼い主が許されることになり、それ以上の猫を飼育するには指定の施設または動物園としての認可が必要になりました。

50匹以上もいるヘミングウェイハウスの猫たちの立ち退きが迫られたのです。裁判にまでなったこの件は、結局例外として認められることになりました。歴史的または社会的に意義があること、観光面でも重要な役割を果たすことが認められる形となりました。こうして博物館の責任の下、ヘミングウェイキャットがそのまま暮らし続けることが許されるに至りました。

ヘミングウェイハウスへようこそ!

ヘミングウェイハウスは現在ではアーネスト・ヘミングウェイ博物館(The Ernest Hemingway Home and Museum)として一般に公開されています。フロリダ州キーウェスト、ホワイトヘッドストリート907番にあります。営業日は毎日9:00~17:00で、入場料は14ドルです。キャッシュのみを扱っているので現金を用意する必要があります。

現在でも敷地内には50匹以上の猫たちがいて、日陰で横になったり部屋の中で横になったりとのんびりと暮らしています。すべての猫たちには名前が付いていますが、何と有名人と同じ名前を持つ子もいるそうです。中には「オードリー・ヘップバーン」、「マリリン・モンロー」、「チャップリン」、「ピカソ」などの名前もあるとか。

約半数の猫たちは6本指を持っているとのことなので、ぜひ訪ねて見てみたいですね。ヘミングウェイの猫の子孫たちが今でもゆったりと過ごしているのを見ることができたら、猫好きとしてはたまらないですね。

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