キジトラの名前はどこからきたの?名前の由来や正式名、毛色ごとの呼び名を紹介!

キジトラの名前はどこからきたの?名前の由来や正式名、毛色ごとの呼び名を紹介!

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「キジトラ」と聞くと、褐色に黒の縞模様が特徴的な猫をイメージする方が多いでしょう。日本で最もポピュラーな柄の猫なので、改めて名前の由来を考えたことはないと思いますが、よく考えると不思議な名前です。この記事では、キジトラの名前の由来や正式名、複数ある呼び名などを紹介します。

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キジトラとは

窓の外を見ている猫

pixabay.com

まずはっきりさせておきたいのは、本来、キジトラとは猫の種類ではなく模様のことです。「マンチカン」「スコティッシュ・フォールド」「ペルシャ」などのような猫の種類を表す名前ではありません。

黒みがかった茶色のような褐色の被毛に黒の縦縞模様が入っている柄は、一般に「キジトラ」と呼ばれます。ただし、日本ではあまりにもキジトラ柄の猫が多いので、キジトラといえば「キジトラ柄の猫」を指すという共通認識ができあがっているようです。

ゆえに、この記事でも「キジトラ=猫」という呼び方で進めていきたいと思います。

キジトラの歴史

なぜ日本にはキジトラ柄の猫がたくさんいるのでしょうか。実は、このことはイエネコの先祖と関係があります。

自然の中で人の力を一切借りずに生きている猫を「ヤマネコ」というのに対し、野良猫も含め人間の近くで暮らしている猫のことを「イエネコ」と呼びます。そして、全てのイエネコの元となったのは、中近東に生息していた「リビアヤマネコ」です。

「リビアヤマネコ」の被毛が褐色に黒の縞模様つまりキジトラだったので、この猫を先祖に持つ日本のイエネコにはキジトラ柄が多いのです。

諸説ありますが、日本に猫が渡ってきたのは今から1300年ほど前の奈良時代といわれています。中国から仏教の経典などを輸入した時に、大切な書物をネズミから守るために猫が一緒に輸入されたのですが、その猫がキジトラでした。

しかし2011年に発見された長崎県のカラカミ遺跡からは、1世紀~3世紀に飼育されていたイエネコの骨が発見されたので、日本にキジトラ柄の猫がいたと考えられる時期はもっと早い可能性もあります。ちなみに14世紀に書かれた「春日権現験記絵」には、カラーでキジトラの絵が描かれています。

日本には黒猫や三毛猫なども存在します。しかし元祖イエネコがキジトラ柄で、しかも日本に早い時期から住み着き繁殖を繰り返したため、今だにキジトラ柄の猫が断トツの飼育数を誇っています。

キジトラの名前の由来

猫

pixabay.com

キジトラという名前には、鳥のキジと猛獣のトラという異なる生き物の名前が入っています。なぜこの2種類の動物の名前が使われているかというと、「鳥のキジ」と「動物のトラ」のデザインをミックスしたような見た目をしているためです。

鳥のキジはあまり馴染みがないため模様がパッと浮かぶ方は多くないでしょう。しかし日本に猫がやってきた頃は、キジはポピュラーだっため、キジトラを見た人々がキジトラという言葉を思いついた可能性があります。

ちなみにキジトラは、「よもぎ猫」と呼ばれることもあります。由来は、黒・茶色・灰色・褐色と四つの色の毛が混じっていることから「四毛猫」と書いて、それが「よもねこ」と呼ばれるようになり、やがて訛って「よもぎねこ」になったようです。

これは三種類の毛色を持つ猫を「三毛猫」と呼ぶのと同じ発想です。

キジトラの正式名

猫

pixabay.com

実はキジトラ模様の猫を「キジトラ」や「よもぎ猫」と呼んでいるのは日本だけです。外国人に言ってもキョトンとされてしまいます。

キジトラの正式名は、「ブラウン・マッカレルタビー」です。マッカレル(Mackerel)とは英語で魚のサバという意味で、タビー(Tabby)とは、一本の毛が何色にも分かれていることを意味します。

キジトラ模様が、魚のサバに似ていることと、複数の色が混じっている毛色であることからつけられました。猫なのに、キジだのサバだのつけられて違和感を覚える方もいらっしゃるでしょう。

ただ、新しいものを見た時にすでに馴染みがあって似ているものに例えて呼ぶことはネーミングの基本なので、当時の人々にはそれが普通だったはずです。

毛色ごとの呼び名

キジトラは、四毛やタビーと名前につけられていることから分かるように、複雑な色味が混じり合った被毛をしています。縞模様であることには変わりがないのですが、どの色味が強くでるかによって印象が異なるので、キジトラ以外にもベースとなる色別に呼び名があります。

主に褐色のものは「キジトラ」と呼ばれますが、茶色なら「チャトラ」(正式名は「レッド・マッカレルタビー」)、灰色なら「サバトラ」(正式名は「シルバー・マッカレルタビー」)と呼び分けることもあります。

もちろん、どの色味でもキジトラであることには変わりないのですが、頭数が多いのでより分かりやすくするために色別の名前も覚えておくと役立ちます。

近所でもよく見かけるキジトラについて、名前の由来を解説しました。正式名や通称、そして名前の由来を知っておくなら、より愛着を持って接することができるでしょう。

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