「プリスクリプションダイエット」はどんなドッグフード？

プリスクリプションダイエットi/dの原材料と成分

では実際にどんなドッグフードなのか原材料を分析してみてみましょう。今回はよく選ばれているi/dドライを見てみたいと思います。原材料は以下の通りです。

トウモロコシ、米、全卵、トリ肉(チキン、ターキー)、トリ肉エキス、コーングルテン、ビートパルプ、動物性油脂、ポークエキス、植物性油脂、亜麻仁、サイリウム、ミネラル類(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム、クロライド、銅、鉄、マンガン、セレン、亜鉛、ヨウ素)、乳酸、アミノ酸類(タウリン、トリプトファン、)、ビタミン類(A、B1、B2、B6、B12、C、D3、E、ベータカロテン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、コリン)、酸化防止剤(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物、緑茶抽出物)となっています。

では原材料を詳しく見ていきましょう。

穀物

プリスクリプションダイエットi/dの原材料欄を見てみると、一番目に出てくるのが「トウモロコシ」です。原材料は一番多く含まれているものから順に記載されていますので、この場合第一原材料がトウモロコシということになります。さらによく見てみると「コーングルテン」と表記されており、こちらもいわゆるトウモロコシです。名前を変えているだけで元は同じなのです。ですからトウモロコシの含有量はかなりのものとなっていることがわかります。

犬は肉食動物ですので、穀物の消化吸収を苦手としています。穀物を消化するのには「アミラーゼ」という酵素が必要なのですが、犬の唾液にはこの酵素が含まれておらず、消化ができないので消化器官を弱めたり、消化不良を起こします。その結果下痢やおう吐をすることがあります。 さらに穀物は消化器官を弱めるため、アレルギーを起こします。特に「トウモロコシ、小麦、大豆」は犬がアレルギーを起こしやすい食べ物と言われています。 そして穀物は炭水化物ですので体内に入ると糖質へと変わります。ですから大量に摂取すると肥満になる可能性もあるのです。

こういった理由から穀物は犬にとってふさわしくない食材ということがわかります。 プリスクリプションダイエットi/dの主原材料はトウモロコシで、他にも米やコーングルテンが含まれていることから消化に良くない、しかもアレルギーを起こしやすいドッグフードということです。プリスクリプションダイエットi/dは消化器症状のためのドッグフードなのに、消化に良くない穀物が第一原材料になっているのは考えものですね。

本当に犬のことを考えたら穀物が含まれていないものを選びたいと思うはずでしょう。

肉類

続いて表示されている原材料は「トリ肉（チキン、ターキー）」「トリ肉エキス」そして「ポークエキス」です。 肉食動物である犬にとって一番必要な栄養素は動物性たんぱく質ですので、肉がたくさん使用されていることが望ましいといえます。しかしプリスクリプションダイエットi/dの場合、第三原材料に肉が挙げられているので、肉の割合は低めということになります。

また使用されている肉の品質も不安が残るものです。 トリ肉エキス、ポークエキスというのは、肉副産物が使用されている可能性があるからです。肉副産物とは本来なら破棄にするような部位を加工して使用しています。例えば鶏の頭や骨、血液、羽根、あし、ひづめなど、人間が食べないような部位を粉砕して○○エキスとして使用します。他にも病気で死にかけの家畜の肉や事故死した腐りかけの家畜の肉を加工して使用している可能性もあるのです。

こういった原材料からどれだけの栄養が取れるでしょうか？当然消化にも良くないことは想像できるでしょう。 プリスクリプションダイエットi/dでもこういった粗悪な原材料を使っているとは言い切れませんが、ホームページを見ても、原材料に関する詳しい説明がないため、粗悪な原材料を使っている可能性もあると考えられます。

高品質のドッグフードは、どんな肉を使用しているかはっきり表示していますし、原産地や肉や魚の割合も明らかにしています。

ビートパルプ

続いて気になる原材料が「ビートパルプ」です。ビートパルプとはサトウダイコンから砂糖を搾り取った残りカスのことを言います。 ビートパルプは食物繊維が豊富なので、ドッグフードにはよく使用されています。しかしビートパルプをたくさん摂取するとウンチを固めてしまい、便秘になることもあります。またウンチを固めるということは、消化不良を起こしても固いうんちとなるため、体調の変化に気づきにくいかもしれません。犬は体調が悪いことを言葉で伝えられないので、飼い主はうんちの状態で体調をチェックしますが、ビートパルプの作用によってウンチの状態が正確にならないために、体調の変化に気付けず大きな病気を見過ごしてしまうかもしれません。

また砂糖を搾り取る際に薬品を使って絞り出すことがありますが、これによってビートパルプには薬剤が残る可能性があります。愛犬が薬剤の残ったビートパルプを定期的に摂取するなら、何らかの健康被害が出ることは容易に予想できるのではないでしょうか。

こういった理由からビートパルプはドッグフードにはふさわしくない食材ということです。

動物性油脂、植物性油脂

犬にとって必要な栄養素に「油脂」もあります。健康な皮膚、被毛のサポートに欠かすことのできない栄養素ですが、プリスクリプションダイエットi/dでは「動物性油脂」「植物性油脂」を使用しています。こちらも気になる原材料です。

なぜならただ動物性、植物性という記載のみで実際に何から取られた脂なのか全くわかりません。もしかしたら上記で述べたような粗悪な家畜の肉や骨から絞り出したような脂かもしれませんし、レストランで使い古された破棄するような油を再利用しているかもしれません。

詳しい記載がないということは鮮度も品質もわからないのでおすすめできるものではありません。

酸化防止剤

プリスクリプションダイエットi/dで評価できることは、危険な添加物を使用していないことです。多くのドッグフードで使用されている合成酸化防止剤、合成着色料や香料が使用されていません。これら合成添加物の中には発がん性やアレルギーをいったリスクが高いものもあるので、使用を禁止している国もあります。 プリスクリプションダイエットi/dでは危険な着色料を使用していないので粒の色にばらつきがありますが、これは危険な合成添加物を使用していない証拠といえます。

ドッグフードを日持ちさせるためには酸化防止剤の使用は欠かせませんが、プリスクリプションダイエットi/dで使用している酸化防止剤は「ミックストコフェロール」「ローズマリー抽出物」「緑茶抽出物」といった天然由来の安全性の高いものですので、安心して愛犬に与えられます。

成分

プリスクリプションダイエットi/dの成分はどうなっているでしょうか？以下の通りです。

粗たんぱく質21.5%以上、粗脂肪11.0%以上、粗繊維3.5%以下、粗灰分9.0%以下、水分10.0%以下となっています。

たんぱく質と脂質が低めとなっています。穀物が中心となっているドッグフードですので、たんぱく質が低いです。ということは必要な栄養素を摂取するために給与量も多めになります。ということは炭水化物である穀物を多く摂取することになるため、肥満に注意が必要となります。

プリスクリプションダイエットi/dは消化器症状向けのドッグフードですが、消化に良い原材料を使っているとはいいがたいです。 大量の穀物が使われており、使用している肉や油脂の品質も良いものとはいいがたいドッグフードです。またプリスクリプションダイエットは1キロ当たり2000円前後しますので、同じ値段を出すなら穀物を使用していないものや、肉類がメインのドッグフードが購入できるかもしれません。

※表示価格は記事公開時点の価格です。