猫の骨格と特徴的な動きの関係を知ろう!

猫の骨格と特徴的な動きの関係を知ろう!

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mofmo編集部

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「猫背」「猫足」「猫舌」「猫パンチ」「猫っ毛」など、猫の体の一部を使って、特定の動きや仕草を表現した言葉は日本にたくさんあります。今日は、そんな猫の特徴的な動きを可能にしている骨格について考えていきたいと思います。

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猫の骨格のそれぞれの部位

ここまでで、猫の骨格の基本的なことを知ることができました。

猫の骨格は、ネコ科の他の動物と同じように、狩猟に向いている作りで、柔軟性に富んでいるということです。

しかし、骨格は全身を貫いているわけで、様々なパーツが組み合わさってできています。

ですから、猫の動きの秘密をより解明するためにも、猫の骨格のそれぞれの部位について、より詳しく見ていきましょう。

頭部

猫の頭や顔を思い描いてみてください。どんな特徴があるでしょうか?

頭は小さく顔も凹凸がない平べったいイメージではないでしょうか?

頭蓋骨は、後頭骨・頭頂骨・蝶形骨・前頭骨・側頭骨などの11種類の骨からできており、作りがとても複雑で脳をしっかりと保護できるようになっています。

しかし、産道を通る時にスムーズに通過できるように、余裕を持って生まれてきます。ですから生まれたばかりの子猫の脳は、柔らかいことが多いですが、成長とともに硬く締まってきます。

サイズは、猫の脳の重さは平均27g~32gで、体重との割合が1%ということを考えると、他の動物に比べて小さいわけではありません。

動物の知能のレベルである「脳化指数」を算出する公式は、脳の重量を体重の3分の2で割るものですが、その公式に当てはめると、人間が第1位で、続いてイルカ、チンパンジー、カラス、犬、猫の順番になりました。

この公式は、体全体のバランスにおいて、脳が重くて大きい方が賢いという理屈になりますが、結果を見ると、一理あると思われるのではないでしょうか。

人間はこのリストに乗せることがどうかと思われるほど、ダントツで脳が重く賢いですが、イルカやチンパンジーも非常に知能が高く、コミュニケーション能力も優れている動物ですよね。

猫は7位ですが、数多くいる動物の中ではかなりの上位で、脳も大きく、知能もそれなりに発達していると言うことになります。

飼い主を認識し、呼びかけに答えたり、餌などの時間も把握することができる飼い猫が多いことも、それを裏付けていると言えるでしょう。

顔面部分の骨格は、下顎骨・上顎骨などから構成され、目・鼻・口などの感覚器を支えでいます。

猫の顔面の骨格は、短頭型と言われるもので、犬などと比べると容量も小さいですが、きちんと全ての感覚器が正常に機能できるようにスペースが確保されています。

胴体・体幹

猫の胸椎は、人間よりも一本多い13本あります。

骨の数よりも大きな差は、その形です。 人の胸郭は、左右に伸びた楕円形で、平べったい形をしていますが、猫の胸郭は、前後に伸びた楕円形で、とがった形をしています。

ですから、前面から見た場合、人間の場合は胸板ができますが、猫の場合は、胸山になります。 猫の胸を撫でると、ゴツゴツした感じがするのは肋骨で、細長い形をしているのでそのような感触になります。

この横幅が少ない胸郭によって、細い小道をするりと通り抜けたり、人にとっては通り心地の悪いビルの隙間などを快適な通り道として猫たちは愛用しているのです。

人間は肩幅が顔の大きさよりも広いので、頭が入っても肩でつっかえてしまいますが、猫の場合は、肩や胸の幅が左右ではなく前後にあるので、頭が入る隙間であれば、体全体が入ると言われています。

また、猫ならではの動きを想像した時に、高いところから落ちても器用に体を捻って、何事もなく着地することが浮かぶと思います。

そのように、体操選手のような見事なアクロバティックができるのは、腰椎が数が多く、脊柱を柔軟に回転させることができるからだそうです。

猫の腰椎は、全部で7本あり、人間よりも2本多いそうです。 その部分が加わったことにより、脊柱を柔軟に動かして、無理な体制のように見える状態からでも、体を上手に回転させながらバランスを取り戻し、無事に着地する前に安全な姿勢に整えることができます。

しかも、着地する時の衝撃で体を痛めることがないように、腰椎を構成している7本の椎骨間には、クッションの役割をする椎間板体がしっかりと備わっています。

私たちが高いところから飛び降りると、尻餅をついたり、なんとか足から着地しても、膝や腰に衝撃がきて後々痛みが続くことが多いですよね。

しかし猫は。2本多い腰椎と、しっかりした椎間板が備わっているので、高いところから飛び降りても、空中でバランスをとりながら、ストンと美しく着地し、どこも痛めることなくエレガントに歩き出すことが可能になのです。

骨盤・尻尾

しっぽ

italay/shutterstock.com

猫の骨盤は、寛骨・腸骨・恥骨・坐骨・仙骨からなる半球形の骨格をしています。

作り的には、脱臼が起こりやすい形状のようですが、柔軟な靭帯が骨の間を繋ぎ止めているので、激しい運動にも耐えることができるそうです。

次に尻尾について考えて見たいと思います。

猫は尻尾をゆらゆらさせたり、バタバタ地面を叩くように使ったり、尻尾で感情を表すのかな?というくらい表情があり、観察しているとよく動くことがわかります。

そんな猫の尻尾には骨が入っていると思いますか?それとも筋肉だけだと思われますか?

なんと、猫の尻尾は、尾椎と呼ばれる短い骨が連なってできているのです。

もちろん、尾椎の周りには筋肉がついています。 前後左右に動かすための4つの筋肉、細やかな動きのための8つの筋肉と役割の異なる筋肉がしっかりついているので、繊細かつ大胆な、オーケストラの指揮者が振るタクトのような動きができるのです。

面白いことに、尾椎の数によって、尻尾の長さが決まるそうです。 一般的には18個~19個の尾椎で構成されていますが、マンクスなど尻尾が短い種だと4個、逆に尻尾の長い種だと24個ほどの尾椎があることもあります。

先っぽにいくほどに尾椎は小さくなり、脊髄と呼ばれる、運動や感覚の信号を伝達する神経繊維が繋がっているのは、約9尾椎までだそうです。

ただ、猫の尻尾を通っている神経は、膀胱・肛門・後ろ足の神経などと、連結しているので、尻尾を引っ張ったり踏んづけてしまうと、体の大事な機能に損傷を当ててしまうことがあります。

ですから、チャーミングな動きで目を釘付けにされたり、まとわりついてくる可愛さが募ったとしても、猫の尻尾を強い力でひっぱたり、押さえつけたりすることもないように気をつけましょう。

足部

物音を立てずに、忍び寄るような歩き方を猫足と言いますが、そのように猫が静かに歩けるのは、地面に指だけを接触しながら歩行する指行性と呼ばれる歩行の仕方をするからです。

私たちが、猫の足の裏と皆している肉球に覆われている所は、実は猫の指の骨なのです。 つまり、猫は爪先立ち歩きをしていることになるのです。

そのような骨格は、足を振り出す時の先端の質量を軽くし、回転を速くするというメリットがあり、その結果、素早く走ることができ、狩の成功率もあげることができるのです。

他にも、手首をうち側に曲げれる柔軟な関節を持っていること、常に後ろ足をやや折り曲げた状態で歩行するような形状になっていることが、猫のようなしなやかで、忍者のように物音を立てない歩行を可能にしているのです。

まとめ

今日は猫の骨格について考えましたが、高いところから飛び降りても見事に着地したり、尻尾をパタパタしたり、狭いところをするりと通り抜けるなど、猫ならではの動きは全て、独特な骨格の作りが関係していることがわかりました。

普段から、猫の仕草や動きをかわいいな、すごいなと思うことはあっても、どんな骨の形をしているのだろうと考えられたことはないと思います。

この記事を読むことを、猫についてよりよくしる機会となったと感じていただければ幸いです。

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