【獣医師監修】猫にスダチはNG!その理由や食べてしまった場合の対処法を解説!【最新版】

【獣医師監修】猫にスダチはNG!その理由や食べてしまった場合の対処法を解説!【最新版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

スダチは料理を一層引き立ててくれる果物です。私たちの食生活にはとても身近なスダチですが、猫にはどうなのでしょうか?スダチを猫に与えても大丈夫なのでしょうか?ここでは、スダチを猫に与えた時の危険性についてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください!

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猫にスダチをあげても大丈夫?

猫とスダチ

Dina Photo Stories/shutterstock.com

私たち人間は、食事をより一層美味しくするために柑橘類を用いることがあります。柑橘類の一つである「スダチ」も、私たちの料理を一層引き立ててくれる果物ではないでしょうか?

秋ごろになるとサンマが美味しくなりますよね。さらに旬のものといえば、マツタケなんかも有名です。炭火で焼いたサンマやマツタケの土瓶蒸しにスダチを絞ってあげると、香りが引き立ちおいしさを際立たせてくれます。

「サンマを食べる時にはスダチは外せない!!」という人も多いのではないでしょうか?

私たちの食生活にとっては身近なスダチですが、ネコちゃんにはどうなのでしょうか?スダチをネコちゃんに与えても大丈夫なのでしょうか?

今回は、スダチをネコちゃんに与えた時の危険性についてお伝えしたいと思います。

スダチってどんな果物なの?

スダチ

K321/shutterstock.com

スダチは私たちにとって身近な果物なので、その成分には注意を払っていたいですよね。

ネコちゃんにスダチを与えようとする人は少ないかもしれませんが、ネコちゃんがスダチがかかった食べ物をうっかりつまみ食いしてしまうことがあるかもしれませんし、お家の中に転がっているスダチをかじってしまうこともあり得るでしょう。

ですから、スダチに含まれる成分などについて、飼い主としてもっとよく知っておきたいと思われるのではないでしょうか?

スダチ紹介

スダチはミカンなどの柑橘類に含まれる果物ですが、その柑橘類の中で「香酸柑橘類」に属しています。「香酸柑橘類」としては他に、カボス、シークワーサー、レモン、ライムなどが挙げられます。名前のごとく香りが豊かで酸味が強いのが特徴となっています。

スダチは徳島県の特産品であり、流通しているスダチのほとんどは徳島県で作られています。スダチの旬は8月上旬から9月の中旬となっています。

この時期に収穫されたスダチは香りや風味が最も強いのが特徴です。もちろん、ハウス栽培もなされているので、スーパーマーケットなどでは年中手に入れることも出来るでしょう。

スダチはカボスと非常によく似ていますが、その違いは何でしょうか?スダチが徳島の名産品であり、大きさがゴルフボールくらいなのにくらべ、カボスは大分県の名産品です。カボスはスダチよりも大きくテニスボールくらいの大きさをしています。

スダチはそのものを食べることは少ないのですが、その果汁が用いられることが多いでしょう。焼き魚や刺身、鍋物などに絞ることでスダチ特有の香りが際立ち、おいしさをアップさせてくれます。

スダチは果汁だけでなく、その果皮が用いられることも多いです。スダチのジャムなどもありますし、ポン酢の中にすりおろされたスダチが含まれていることもあります。

スダチに含まれている栄養素

スダチにはどんな栄養が含まれているのでしょうか?特徴的なものをご紹介したいと思います。

スダチの酸っぱさの象徴であるクエン酸が豊富に含まれています。クエン酸は疲労回復や運動後の疲れの軽減に役立ちます。抗酸化作用があるので、老化を防止してくれたり、病気予防に役立ってくれたりします。

またスダチの果皮にはスダチ特有のスダチチンと呼ばれる成分が含まれているようです。近年ではこのスダチチンの効果に注目が集まっており、発がん抑制作用、抗酸化作用などの多数の効果があるとされ、研究が進められています。

また柑橘類ですからビタミンCも豊富に含まれています。ビタミンCには病気予防や免疫力向上の効果がありますので、体調を崩さないためには日々欠乏させないことが大切なものです。

さらにスダチの果皮と果汁には「リモネン」という成分が含まれています。この「リモネン」については後で詳しくご紹介しますね。

ネコちゃんはスダチを食べてもいいの?

柑橘に興味を持つ猫

Rattana/shutterstock.com

たくさんの栄養が含まれているスダチですが、ネコちゃんには与えても大丈夫なのでしょうか?

答えは「No」です。スダチの果皮と果汁にはネコちゃんにとって害となる成分が含まれているからです。どのような成分が問題となるのでしょうか?

スダチの果皮と果汁に含まれる「リモネン」とは?

スダチの果皮と果汁には「リモネン」と呼ばれる成分が含まれています。リモネンは柑橘類の代表的な精油成分の主成分です。リモネンにはリラックス効果があり、天然のアロマオイルとして扱われるほどです。

リモネンを摂取することで不安や緊張が緩和され、食欲促進効果やイライラ解消効果が期待できます。このように、リモネンはとても効果的な成分なのですが、ネコちゃんには有害となってしまいます。

なぜなら、人間と違ってネコちゃんにはリモネンを分解する酵素が無いからです。スダチに含まれるリモネンを分解することが出来ないので、肝臓に負担がかかり異常が出てしまうのです。

「リモネン」を摂取してしまうとどうなるの?

実際にネコちゃんがリモネンを摂取してしまうと、どうなってしまうのでしょうか?

症状としては嘔吐や下痢などがあります。加えて手足が痙攣したり、麻痺が生じたりします。特に幼いネコちゃんたちへの影響は大きいので、間違って与えてしまうことが無いように注意してあげてくださいね。

スダチだけが危険なの?

「リモネン」を避けるにはスダチだけに注意していると良いのでしょうか?

実はリモネンはすべての柑橘類に含まれています。特に柑橘類の果皮にリモネンが含まれていますので、果皮を与えることが無いようにしたいものです。

オレンジやレモン、グレープフルーツと言ったデザートによく用いられる柑橘類はもちろん、ライムや柚子、カボスなどの香酸柑橘類にもリモネンが含まれています。

では、ネコちゃんは柑橘類はすべて食べることができないのでしょうか?実はそうではありません。スダチには果皮だけでなく果汁にもリモネンが含まれています。

しかし、ミカンの果汁や果肉には少量しか含まれていません。皮をむいたミカンの果肉を少量であれば、トラブルにはならないでしょう。もちろん、全く含まれていないわけでもないので、ミカンを与えることを推奨できるわけではありません。

スダチの料理への用い方は、基本的にその果汁と果皮です。すべてにリモネンが含まれているわけですから、スダチは全く用いることが出来ません。

スダチを食べてしまった時の対処法

ネコちゃんがスダチを食べてしまったならどうするべきでしょうか?迅速な対応が必要となるでしょう。まずは口の中にあるスダチの果皮や果肉を取り除いてあげてください。お腹の中に入ってしまっていればしょうがないですが、少量でも口の中にあるなら取り出すようにしましょう。

その後は急いで獣医さんに電話するようにしましょう。ネコちゃんの様子を観察しつつ、食べてしまったスダチの量、食べてしまった時間などを伝えることが出来ます。診察を受けることができるのであれば、すぐに病院に連れて行ってあげてください。

迅速に対応すれば、ネコちゃんへの悪影響は抑えることが出来るでしょう。

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