猫舌の由来って何?実は猫も暖かいご飯が好きだった!

猫舌の由来って何?実は猫も暖かいご飯が好きだった!

update

熱いものを食べるのが苦手な人のことをよく「猫舌」と表現することがあります。「私、猫舌だから熱いの無理」と言う人は意外と多いですよね。 ところで猫舌という言葉はどこに由来するのでしょうか?今回は猫舌と言う言葉の由来について解説します。また猫舌を克服するための方法も併せてご紹介します。

update

猫舌の人は少なくない

ベロを出している猫

Seregraff/shutterstock.com

料理は出来立ての熱々を食べるのが美味しいですよね。でも気をつけないと口の中を火傷してしまい、せっかくの食事の一時が台無しになってしまうことがあります。

熱いものを食べるのが苦手な人のことをよく「猫舌」と表現することがあります。「私猫舌だから熱いの無理」と言う人は意外と多いですよね。猫舌という表現は日常的に使われる言葉ですが、でもそもそも何故猫舌といわれるようになったのでしょうか?また猫は本当に猫舌なのでしょうか?

今回は猫舌の由来について調べてみました。さらに猫舌を克服するための方法についても説明しますので参考にしてくださいね。

猫舌の由来

まず猫舌の由来から説明したいと思います。なぜ「猫舌」という言葉が生まれたのでしょうか?誰がいつこの言葉を考えたのか詳しいことはわかっていませんが、おそらく江戸時代にはすでに使われていたと考えられます。猫は昔から人間と一緒に生活してきた身近な動物だったようですね。

ではどこから猫舌という言葉が出てきたかと言うと、実は「猫がご飯を食べている様子から生まれた言葉」だと考えられています。

猫に温かい食事を与えると、30℃から35℃くらいまでの温度だとパクパクと食べるのに、35℃を超えるとピタッと食べるのをやめてしまうというデータがあるそうです。熱いご飯を冷めるまでじっと待っていた猫を観察して猫舌という言葉が生まれたのでしょうね。

猫の食事といえば昔はご飯に味噌汁をかけた「猫まんま」が定番でした。個人的な話になりますが、田舎のおばあちゃんの家でもこの「猫まんま」が猫たちの食事だったのを覚えています。残飯だったので熱々ではなく冷めていたため、愛猫は出されたとたんにガツガツと食べていました。今から思えば、もしあれが出来立ての「猫まんま」だったらさすがにガツガツ食べるわけにはいかなかったでしょう。

もし猫舌という言葉が生まれたのが本当に江戸時代だとすると、熱くてすぐに食べられなかったという江戸時代の猫の食事ってどんなだったのだろうと気になってしまいますね。ちょっと調べてみたところ、江戸時代にもやはりご飯にかつお節や汁をかけた「猫まんま」がエサとして与えられていたそうです。貝や魚を煮た汁をかけたり、その身を細かく切って混ぜたりしたご飯が出されていたとか。江戸時代には出来立ての熱々を出してもらった猫がいたのかもしれませんね。

「猫まんま」は1970年代くらいまで猫のエサの定番として与えられていましたが、今では猫の健康のことをしっかりと考えて作られたキャットフードが手軽に購入できるようになりました。

犬舌という言葉もあったらしい

面白いことに、猫舌という言葉が生まれたと考えられる江戸時代には、「犬舌」という言葉も使われていたことがあるそうです。当時の犬たちは外で飼われていて、具体的にだれが飼い主かということはなかったようです。つまり、飼い犬と野良犬の間くらいの存在だったんです。それでもご飯の時間になると犬たちの分も用意されていました。

犬も猫と同じように熱々のご飯を苦手としています。その様子を見ていた江戸時代の人たちは「犬舌」という言葉を考えたのでしょう。しかし、家の中で飼育されている猫のほうが外で飼われている犬よりも身近だったため、犬舌という言葉はだんだんと使われなくなりました。

それに、家の中で飼育されていた猫の場合は、出来立ての熱々ご飯を出される機会が多かったでしょうが、外で暮らしている犬の場合は、ご飯が出されるときには熱々ではなくなっていたことでしょう。熱いご飯が食べられずに困っている様子は猫のほうが一般的に見られていたと考えることができますね。

今では室内飼育をすることが多くなって家族の一員として愛されて飼育されている犬ですが、もし江戸時代も同様に室内で飼うことがメジャーだったとしたら、今頃熱い食べ物を苦手としている人のことを「犬舌」と呼んでいたのかもしれませんね。

猫が猫舌な理由

水を飲んでいる猫

Denis Val/shutterstock.com

猫が猫舌、つまり熱いご飯を苦手としているのはどうしてなのでしょうか。これについては以下のようないくつかの意見があります。

・味蕾が関係している それには猫の舌にある「味蕾(みらい)」という細胞が関係しているようです。味蕾によって味覚を感じることができますが、実は猫の味覚は人間ほど繊細ではありません。

人間の場合、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味を感じることができますよね。猫が感じることのできる味覚は、苦味、酸味、塩味だけだといわれています。味に関してはそれほど敏感ではないので、猫がグルメだというのはどうやら間違っているみたいですね。

さて味覚はそれほど繊細でないとはいえ、猫は熱いものに対しては敏感に反応するようです。また熱いものだけでなく極端に冷たいものも苦手にしているという意見もあります。

・鼻が関係している 猫が猫舌なのは鼻で熱を感じるからだという見方もあります。猫の鼻は非常に敏感で、嗅覚は人間の何十倍もあるといわれています。鼻でニオイを嗅いでからご飯を食べますが、その時に食べ物の温度も測っているようです。猫の鼻は0.5℃の温度差も判別できると言われているんですよ。

実際に味蕾が関係しているのか鼻が関係しているのかは定かではありません。もしかしたら両方とも関係しているのかもしれません。いずれにしても猫舌という言葉を使うのは猫の生態的にも間違いではないようです。

よく考えると、猫はもともと食べ物を加熱する習慣がありません。狩りをして獲物を常温で食べて生活してきたわけです。食べ物を加熱するのは人間だけが行うことです。ですから、猫からしたら熱々のご飯を食べること自体がもともとはあり得ない行為なのです。猫からしたら「人舌」な食べ物を出されたというところでしょうか。

猫舌なのは猫だけではない

熱いものが苦手なのは猫だけではありません。前述の通り犬も熱いものを苦手としています。実を言えば人間以外のいかなる動物も、人間が調理した熱々のご飯を出されたらビックリしてしまい、すぐには食べることができません。

猫舌なのは猫だけではないということですね。たまたま猫が人間の生活の中でより身近だったので熱いものが苦手な動物の代表となったようですが、実際には「動物舌」という表現の方が正しいのかもしれません。

ちなみに猫の中には猫舌ではない子もいるそうです。人間と生活することによって人間の習性に慣れてしまったようで、熱々のご飯をガツガツ食べるという犬や猫の情報も入ってきます。すべての犬猫が猫舌だというわけではないということになりますね。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板