猫の去勢は絶対に必要?去勢手術のメリットデメリットやかかる費用を説明します!
猫を飼っていると必ずといってもいいほど聞かれるのが「去勢手術をしたかどうか」です。では、猫に去勢手術はぜったい必要なものなのでしょうか?ここでは猫の去勢手術の必要性や去勢手術のメリットやデメリット、さらには去勢にかかる費用について解説していきます!
猫に去勢手術はぜったい必要?
De Visu/shutterstock.com
猫を飼っていると必ずといってもいいほど聞かれるのが「去勢手術をしたかどうか」です。
中には愛猫の体にメスを入れるのが嫌だという人もいます。また、手術にはお金がかかりますし、猫の生殖能力を人間の手で勝手に奪うのはモラルに反するのではないかと考える人もいるかもしれません。
それでも獣医師さんを含む多くの人が去勢手術をすすめているのが現状です。では、猫に去勢手術はぜったいに必要なのでしょうか?ここでは猫の去勢手術の必要性や去勢手術のメリットやデメリット、さらには去勢にかかる費用について解説していきます。猫を飼っている人はぜひ参考にしてみてください。
猫の去勢手術について
Ramon Espelt Photography/shutterstock.com
ではまず、去勢手術とはそもそもどんな流れでどのように行われていくものなのか、またその必要性について取り上げていきたいと思います。
去勢手術とは?
猫の去勢手術とは、オス猫の場合は精巣を取り除くことをいいます。睾丸に切り込みを入れて精巣を取り除く手術で、経験のある獣医師であれば非常に短時間で行うことができます。
切り込みも1㎝ほどで小さいため、日帰りで手術が行われることがほとんどです。まれに精巣がお腹の中に入り込んでいる停留精巣または潜在精巣のケースがあり、その際は他の手術方法が必要になります。
メス猫の場合は子宮と卵巣を摘出する手術のことをいいますが、一般的には避妊手術と呼ばれます。お腹に1㎝~3㎝の切り込みを入れるので1~2日程の入院が必要です。オス猫の去勢手術に比べると値段がやや高く、体に与えるダメージも大きいのが特徴です。
去勢手術はいつ行うのが最適か
去勢手術の適齢期に関しては生後6か月以降が望ましいとされてきましたが、2016年にアメリカで行われた有識者の会議で適齢期の見直しが行われました。研究や調査結果により、もう少し早い時期に去勢手術を行ったほうがいいという見方があり、同会議において生後5か月齢での去勢手術が適齢期だと発表されました。
動物病院での検診でも、生後4~5か月齢で乳歯が永久歯に生え変わったことが確認できると去勢手術をすすめられることが多くあります。去勢手術の最適な時期は獣医師さんによっても意見が異なる場合があるので、生後5か月齢になったら早めに診療して去勢手術の相談をするといいでしょう。
去勢手術の必要性について
「猫は猫らしく自然に生かしてあげたい」とか、「元気な子に手術してダメージを与えるのは嫌だ」と感じる人もいるかもしれません。
とはいっても、予定外の繁殖によって動物保護施設に預けられたり捨てられたりする猫もたくさんいます。野良猫も繁殖によって増えすぎてしまうという問題が生じています。
動物保護施設や保健所に預けられた猫は、なんと60%以上という高い確率で殺処分されてしまいます。2018年のデータによると殺処分された猫は34,865匹でした。そんなに多くの猫が殺処分されているのかと驚くかもしれませんが、2012年のデータでは123,400匹だったので、だいぶ数は減少していることがわかります。
毎年少しずつ殺処分される猫が減少しているとはいえ、まだまだ多くの猫たちが不幸な結末を迎えています。繁殖に関して無責任な飼い主がいることや、野良猫に餌を与えて繁殖能力を高めてしまう人たちがいることも原因だと考えることができます。これらの不幸な猫たちを減らすためには、人間が責任を持って繁殖のコントロールをしなければなりません。
自然な形で生かしてあげたいと言う人もいますが、ペットとして人間と一緒に暮らしている時点ですでに自然ではないと考えることができます。それに、元気なうちに去勢手術をすれば低リスクであると考えると、できるだけ早い時期での手術が最適だと考えることができるでしょう。
去勢手術の流れ
去勢手術を決めたら、約1週間前に手術の予約を取ります。オス猫は日帰り、または大事を取って1日だけ入院をすることもあります。メス猫は入院が必要になるので予約時に確認しておくといいでしょう。手術前日は夕方に餌を与えたらそれ以降は絶食です。獣医師さんからの指示があればそれに従ってください。
手術当日は排便と排尿を済ませてから手術します。予約時間に遅れないように早めに準備をしておきましょう。手術は短時間で終わり、オス猫はその日に帰宅できる場合がほとんどです。メス猫は開腹手術なので1~2日の入院が必要です。
術後は激しい運動や入浴を控えるように言われるでしょう。抜糸を必要としないケースもありますが、そうでなければ術後7日~10日後に抜糸してもらいに行きます。術後は傷口を舐めてしまわないようにエリザベスカラーの装着が必要な場合が多くあります。
手術によるダメージがあるので、飼い主は愛猫をよく観察するようにしましょう。獣医師さんの指示通りに薬を与え、様子がおかしい時はすぐに動物病院に連れて行くようにしてください。
術後のケアについて
去勢手術は愛猫に負担をかけることになります。手術によるストレスでデリケートになっていることもあるので、なるべく落ち着いて過ごすことができるように気を使ってあげましょう。過ごしやすい室内温度を保つこと、テレビや音楽なども音量に気を配って猫の負担にならないようにするといいでしょう。
去勢手術を受けた猫は性格が変わったり太りやすくなったりします。今までとは違う接し方をする必要が出るかもしれませんが、その子に合わせてたっぷりと愛情を注いで飼うようにしましょう。以前よりも甘えん坊になる子もいるようです。また食事量のコントロールが必要になる子もいますよ。
去勢手術のメリット
Rattana Anukun/shutterstock.com
では去勢手術をすることには、どんなメリットがあるのか考えてみましょう。
猫特有の病気の予防ができる
去勢手術によって猫特有の病気を予防できるというメリットがあります。オス猫であれば、精巣腫瘍や前立腺肥大などの病気を未然に防ぐことになります。高齢になると手術が不可能な場合もあるので、早めの去勢手術で予防しておけば安心です。
メス猫であれば卵巣ガン、子宮内膜炎、子宮蓄膿症といった病気を確実に予防することができます。また、メス猫の避妊手術をすると乳ガンの発症率が大幅に下がるという調査結果が明らかにされています。
そして当然のことですが妊娠や出産に伴う病気のリスクもなくすことができるので、猫の寿命を延ばすことができるというメリットもあります。
問題行動が少なくなる
猫の発情期は年に2~3回ありますが、その時の問題行動を少なくさせるというメリットもあります。メス猫は発情期になると独特の大きな鳴き声を出します。
猫は夜行性なので、夜鳴きが激しくて飼い主さんだけではなく近所迷惑になって困るということもあるでしょう。避妊手術によって夜鳴きが軽減されるのはメリットのひとつです。
オス猫も発情期を迎えると、ニオイを発するスプレー行動やメス猫を探しに行く徘徊行動、外出による喧嘩や交通事故などが問題となる場合が多くあります。去勢手術を受けることによって徘徊行動や事故を減少させることが可能です。去勢手術を受けると外に興味がなくなるので、外出することによる危険を避けることができます。
一例としてですが、あるオス猫は10歳になるまで去勢をされずに、田舎で自由に外出しながら生活していました。外出する度に喧嘩をして、動物病院で治療を受けなければならないこともあったようです。
ある日喧嘩で大怪我をしてしまい、手術の際に全身麻酔をする必要がありました。これを機会に去勢手術をすることがすすめられました。
飼い主の同意によって去勢手術を受けると、その後は外出することがほとんどなくなり、喧嘩にも興味を示さなくなりました。体重が増えて穏やかな表情にもなり、毎日お昼寝ばかりするのんびりとした日々を送るようになったとのことです。飼い主としては安心ですね。
ストレスの軽減になる
発情期になると交尾ができないことによってストレスが溜まります。性的な欲求を満たせないことによるストレスは、空腹時やのどが渇いている時に感じるストレスと同じほど大きいとされています。去勢手術によって精巣または卵巣を取り除くと性欲がなくなるので、ストレスを軽減させることができます。
繁殖の予定がなければ、去勢手術をすることで発情期のたびにストレスを抱えるのを防ぐことができます。オス猫の場合は隙さえあれば外出したがりますが、それができないこともストレスになりますし、メス猫の場合は大声で夜鳴きをするたびに飼い主に叱られることによってさらにストレスを溜めることになるでしょう。
こうした点においても、去勢手術はストレス軽減というメリットがあることがわかります。
去勢手術のデメリット
Susan Schmitz/shutterstock.com
去勢手術にはメリットだけではなく、デメリットがあることも覚えておきたいと思います。どんなデメリットが考えられるでしょうか?
全身麻酔によるリスク
去勢手術は全身麻酔で行うので、それによるリスクがあります。事前に検査をしてから手術を行いますが、体調が悪い時は無理に手術を行う必要はありません。猫の体に負担を与えることになるので、手術前の体調管理は大切です。手術中に嘔吐をしないように、手術の前夜から絶食するように指示されるでしょう。
手術が終わって目が覚めた後は、消化器官に負担を与えないように餌を与えるタイミングにも注意を払う必要があります。また、傷口を舐めたり掻いたりしないようにエリザベスカラーを装着することもあります。獣医師の指示に従って手術後を過ごすようにしましょう。
肥満になりやすくなる
去勢手術を受けた猫は以前に比べて太りやすくなるという調査結果があります。外出することが減ってエネルギーを消費しなくなることが原因だとも言われています。今まで通りの食事量だと肥満になってしまうので、個体に合わせて調整する必要があります。
肥満になると下部尿路疾患や糖尿病などの病気のリスクが高くなります。去勢手術をするとアクティブだった猫の性格が変わって穏やかになることがありますが、室内で昼寝ばかりしている生活になると太りやすくなるので注意が必要です。
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