【獣医師監修】犬に市販の保冷剤は危険!犬用保冷剤は手作りがおすすめ!【2023年版】

【獣医師監修】犬に市販の保冷剤は危険!犬用保冷剤は手作りがおすすめ!【2023年版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

暑い季節が近づいてくると、犬の熱中症対策を考えなければいけませんね。保冷剤を活用する飼い主さんもいるかもしれません。実は市販の保冷剤には危険が潜んでいることをご存知でしたか?今回は犬と保冷剤との関係について解説したいと思います。また保冷剤の作り方も紹介します。

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犬に市販の保冷剤は危険!?

暑い中で舌を出している犬

Sergey Mironov/shutterstock.com

暑い季節が近づいてくると、犬の熱中症対策を考えなければいけませんね。保冷剤を活用する飼い主さんもいるかもしれません。実は市販の保冷剤には危険が潜んでいることをご存知でしたか?トラブルを避けるためにも、熱中症対策には安全な手作り犬用保冷剤がおすすめです。今回は、保冷剤が危険だと言われている理由や、犬用保冷材の作り方をご紹介します。

犬の暑さ対策に保冷剤!?

夏が近づいてくると、気温が上昇しますよね。日本は湿度も高い国ですから、蒸し暑く感じるものです。人間でさえ、暑さには耐えきれないと感じるのですから、動物たちも同じように感じているに違いありません。

人間が熱中症対策を必要としているのと同様、犬たちも熱中症対策が必要です。

身体を冷やしてくれるものと言えば、保冷剤を思いつくのではないでしょうか?保冷剤は氷と違って暑い場所でもすぐに溶けてしまうことがありません。冷たい状態をしばらく保ってくれるので、暑い中でも体に当てておくなら、体温の上昇を防いでくれます。

保冷剤は人間にとっても役立つものですが、愛犬に保冷剤を与えるのはどうなのでしょうか?その点について考える前に、まずは犬の熱中症について基本的な点を解説しておきたいと思います。

犬の熱中症には気を付けよう

犬の熱中症を甘く見てはいけません。犬の熱中症は大きなトラブルに発展することが多く、最悪命にかかわるものです。夏でも安全に過ごしてもらうためには、犬の体温をどのように下げるかを知っておかねばなりません。

人間は体温が上昇すると、汗をかくことで体温調節することが出来ます。しかし犬は人間のように汗腺がないので、汗をかいて体温を下げることが出来ません。犬の肉球にはわずかに汗腺があるようですが、体温を調節するほどではありません。

では、犬はどのように体温を調節しているのでしょうか?それはパンティングと呼ばれる方法によってです。犬が口を開けてハアハアと呼吸している姿を見たことがあると思います。これがパンティングです。

犬はパンティングによって体温を下げることができるのですが、この方法では必ずしも十分に対処出来ないこともあるようです。特に直射日光に当たり続けてしまったり、空気の流れが無く湿度の高い場所で過ごしたりしているなら、パンティングだけでは体温を下げきることが出来ずに熱中症になってしまいます。

特に日本の気温は昔に比べて上昇しています。年々暑くなりつつある状況ですから、犬も対処しきれなくなっていたとしても仕方がないでしょう。

非常に暑い時に、野外で過ごす時間が長くなればなるほど熱中症の危険性が高くなります。そんな場合には愛犬への熱中症対策を講じるようにしましょう。

熱中症対策に保冷剤を活用できる?

保冷剤でひじを冷やしている女性

Monika Wisniewska/shutterstock.com

飼い主さんたちの中には、熱中症対策として保冷剤を活用するひとがいるかもれませんね。バンダナの中に保冷剤を入れて首まわりに巻いている様子を見かけたことがあるかもしれません。

確かにこの方法を活用すれば、保冷剤の持続する冷たさによって血管が冷やされ、体温を下げることが出来ます。暑い中でも熱中症の危険をぐっと下げることが出来るでしょう。

しかし、犬への保冷剤の活用には注意しなければいけない点があります。それは市販の保冷剤が犬にとって非常に危険だと言われているからです。

犬にとって保冷剤が危険だと言われている理由とはいったい何なのでしょうか?危険な保冷剤があるということは、危険でない保冷剤もあるのでしょうか?犬が保冷剤を食べてしまった時の対処法についても考えてみましょう。

危険な保冷剤

市販の保冷剤を犬に活用する場合には、犬にとって危険な保冷剤があることを知っておくようにしましょう。保冷剤には2種類のタイプがあるのをご存知でしょうか。冷凍庫で凍らせたときにカチカチに固まるタイプと、固くならないタイプのものです。

硬くなるタイプの保冷剤の多くは「吸水性ポリマー」と「水」が原料となっていることが多く、これは万が一口の中に入ったとしても毒性はないので安心できます。

一方硬くならないタイプの保冷剤には危険性があります。このタイプにはエチレングリコールと呼ばれるものが使用されています。エチレングリコールが体内に入ってしまうとかなり危険です。

エチレングリコールが含まれた保冷剤は多く存在しています。人間であれば、それを口に入れないようにしますが、犬は通じません。誤って食べてしまう危険性があります。

エチレングリコールの危険性

エチレングリコールはどのように愛犬にとって危険なのでしょうか?まず、エチレングリコールを誤食してしまった時の症状を見てみましょう。

大抵の犬は誤食してから数時間のうちに、嘔吐や神経症状、多飲多尿などの症状があらわれるようになります。そして更に症状が進行すると、貧血になったり呼吸が早くなったりして弱っていきます。最終的には腎不全となりかなりの確率で死んでしまいます。

エチレングリコールは少量であっても、中毒症状を引き起こしてしまうようです。極めて危険性がたかく、誤食してから30分以内に対処しなければ命にかかわるようなものなのです。

エチレングリコールの危険性を知らずに保冷剤を首に巻いたりしているとどうなるでしょうか?愛犬は冷たくて柔らかい保冷剤が気になってしまうことでしょう。犬の歯は鋭いですから保冷剤に噛みついただけで保冷剤の容器が破れ中身が飛び出てしまうかもしれません。

愛犬に保冷剤をまいている時とは、大抵暑い時です。愛犬もそのような環境で喉が渇いているか可能性が高いです。保冷剤からあふれてきた液体を思わず飲んでしまう可能性は大いにあります。

エチレングリコールを犬が食べてしまった場合は?

もし、愛犬がエチレングリコールを食べてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?

誤食してからの30分がカギとなります。愛犬がエチレングリコールを体内に吸収し始める前に吐き出させる必要が生じます。もし、飼い主さんが正しい吐き出させ方を学んでいるのであれば、すぐに対処すると良いでしょう。

しかし、うまくは吐かせることができないことも多いので、すぐに動物病院に連絡するのをおすすめします。場合によっては電話で正しい対応方法を教えてもらえるかもしれません。また電話しておくなら、動物病院に到着してすぐに対応してくれる可能性がります。時間との勝負ですから、急いで連絡することが大切です。

愛犬と出かける際には、いつもお世話になっている動物病院や、近場の動物病院の情報を持っていくことをおすすめします。

犬に保冷剤を与えるにはどうすればいいの?

エチレングリコールは非常に危険ですから、犬には活用しないほうが良いでしょう。熱中症対策として犬に保冷剤を使ってあげたい場合には、エチレングリコールが使用されていない保冷剤を活用しましょう。また、犬用保冷剤を購入して与えることもできます。犬用保冷剤はエチレングリコールが含まれていない、犬のための保冷剤です。

さらには、犬用保冷剤を安全な材料で手作りしてあげることも出来るでしょう。

安全重視な熱中症対策グッズ

常日頃から使用するものとして、やはり安全性は重視したいですよね。 次のページから手作りの保冷剤の作り方をご紹介します。 その前に、マットタイプの暑さ対策として、また安全性という視点でもユニークな天然石を用いた冷感マットをご紹介します。 保冷剤と併せて、ワンちゃんの暑さ対策として検討してみるのも良いかもしれません!

詳細はこちら!
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