【獣医師監修】猫に紅茶はNG!致死量ともしも飲んだ時の対処法!【2023年版】

【獣医師監修】猫に紅茶はNG!致死量ともしも飲んだ時の対処法!【2023年版】

update

この記事の監修者(185件監修)

頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

猫に紅茶は与えてはいけません。紅茶に含まれるカフェインを猫が摂取すると、中毒症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあるので危険です。ここでは、猫が紅茶を飲んでしまった時の症状や対処法について解説します。

update

猫に紅茶を与えてはいけない理由とは

ティーカップに入っている紅茶

iravgustin/shutterstock.com

紅茶には、精神刺激薬の一つである「カフェイン」が含まれています。猫がカフェインを摂取すると、心筋と中枢神経系を刺激し、カフェイン中毒を引き起こす危険があるので、猫に紅茶は与えてはいけません

また、紅茶には「シュウ酸」が含まれています。このシュウ酸を過剰に摂取すると、尿路結石など泌尿器系の病気を引き起こす可能性があります。尿路結石は放っておくと重症化してしまい、手術が必要となるケースもあります。最悪死に至ることもあるので、シュウ酸は猫にとって危険な成分です。

さらに、紅茶にはカリウムやマグネシウムなどの「ミネラル」も含まれています。ミネラル自体は、猫にも必要な栄養素ですが、過剰摂取すると尿結石の原因となってしまうので、気をつけなければなりません。

猫が紅茶を飲んでしまった時の症状

飲んだ量や猫の個体によっても症状のあらわれ方は異なりますが、猫が紅茶を飲むと以下の様な症状を引き起こします。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 脈拍の乱れ(頻脈、不整脈など)
  • ふらつき
  • 異常な興奮
  • 体の震え
  • 呼吸が速くなる
  • 痙攣
  • 出血をおこす

これらの症状が見られる場合は、猫がカフェイン中毒を起こしている可能性が考えられます。

猫がカフェインを摂取すると、1~6時間後に中枢神経に影響を及ぼすとされています。 個体差はありますが、最悪の場合は死に至る危険もあるので、注意が必要です。

猫に危険が及ぶ摂取量

テーブルの上に置かれた紅茶とその後ろで寝そべっている猫

Serhii Krot/shutterstock.com

どのくらいの量の紅茶を飲んだら致死量となるのか、はっきりしたことは分かっていません。 致死量は猫の体重や体の大きさなど個体によっても異なりますが、一般的に、体重1kgあたり150mgのカフェインを摂取すると致死量に至ると言われています。

ただし、猫によっては、少量でもカフェイン中毒を引き起こす可能性があるので、猫に紅茶は絶対に与えてはいけません。また、紅茶が入ったカップやペットボトル、茶葉、ティーバッグなどに猫が近づかないよう管理には気をつけましょう。

子猫の場合

生後12カ月未満で、体重1kg未満の子猫の場合、体が小さく、消化器官がまだ発達していないので特に注意が必要です。

紅茶には、100mlあたり30mgのカフェインが含まれています。ですから、上記の数字を元に計算すると、体重1kgの子猫の場合は、紅茶500mlが致死量となります。

成猫の場合

生後12カ月~7歳で、体重3kg~5kgの成猫の場合、カフェインを450mg~750mg摂取すると危険です。ゆえに、成猫は1.5L~2.5Lほどの紅茶を飲むと死に至ります。

また、紅茶の茶葉を食べてしまった場合にも、同様の危険があります。茶葉には、紅茶以上にカフェインが含まれているので、少量でも中毒症状を引き起こす可能性があります。茶葉を使った加工品も危険なので、猫には絶対与えないようにしてください。

老猫の場合

7歳以上の老猫の場合も、子猫同様、消化器官が弱っているので注意が必要です。

老猫の場合、少しの紅茶の量でも中毒症状を起こす危険性があります。症状が重症化するリスクも高いので、絶対に紅茶を与えてはいけません。

猫が紅茶を飲んでしまった場合の対処法

紅茶を少し舐めた程度では、すぐには命の危険には至りません。ですから、猫が誤って紅茶を口にしてしまったとしても、慌てず落ち着いて対処するようにしましょう。

すぐに中毒症状があらわれないとしても、場合によっては数時間後に症状が出たり、容体が悪化することもあるので注意が必要です。猫が紅茶を飲んでしまったら、すぐに動物病院に連絡し獣医師の指示に従ってください。自己判断で応急処置するのは、猫の体に負担となるので絶対にやめましょう。

病院に連絡する際は、「いつ飲んだか」「どのくらいの量を飲んだか」「どのくらい時間が経過したか」「どのような症状が出ているか」など、具体的に伝えるなら獣医師も判断がしやすくなります。

緑茶やコーヒーも与えてはダメ

テーブルに置かれている急須と緑茶が入っている湯飲み

UV70/shutterstock.com

私たちには馴染みのある緑茶ですが、猫に与えてはいけません。もともとは紅茶と同じ茶葉が原料なので、緑茶にもカフェインやシュウ酸が含まれています。緑茶に含まれるカフェインの量は、100mlあたり20mgと、紅茶に比べると少ないですが、だからといって猫に緑茶を与えるのは危険です。少量でも中毒症状を起こす可能性があるので、猫に緑茶を与えるのは絶対にやめてください。

また、緑茶の他にも、プーアル茶やウーロン茶なども紅茶と同じ茶葉が原料なので、猫に与えるのはNGです。

コーヒーもカフェインを含む飲み物なので、猫に飲ませるのは絶対にダメです。コーヒーには、100mlあたり約60mgのカフェインが含まれています。特に体が小さい子猫や体の弱い猫は、少量のコーヒーでも、カフェイン中毒により死に至る危険性があるので、気をつけなければなりません。

ご意見、ご感想ありましたらコチラ! この記事のコメントへ (0件)
桜 フォトコンテスト 全国のドッグラン一覧
編集部PICKUP
関連する記事

mofmo掲示板