猫が伸びをするのはなんで?伸びをする理由や心理状態について解説

猫が伸びをするのはなんで?伸びをする理由や心理状態について解説

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猫は体が柔らかい生き物としてよく知られていますが、しばしば伸びをする姿を見せることがあります。猫の伸びのポーズはかわいいですが、なぜ猫はよく伸びをするのでしょうか。今回は伸びポーズをする理由と、その時の猫の心理状態についてまとめました。

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はじめに

猫が体を伸ばしている姿は、だれもがみたことがある光景のことでしょう。猫を飼っている方なら自宅で愛猫が伸びをしている姿を見る度に、「気持ちよさそう」と思われるのではないでしょうか?

人間も伸びをしますが、なぜ猫は伸びをするのでしょうか?この記事は、猫が伸びをする理由について解説していきます。

猫が見せる伸びのポーズ

前足を伸ばす猫

AntonMaltsev/shutterstock.com

猫の伸びといっても、さまざまなポーズがあります。その中でも猫がよくみせる4つのポーズをご紹介しましょう。

ポーズ①背中を丸める

まず挙げられる伸びのポーズに、背中をエビのようにくるっと丸めるポーズがあります。トラ猫などの縞柄の猫がすると、まるでエビのように見えるスタイルです。このポーズによって筋肉がほぐれることはもちろん、背骨もまっすぐに伸ばすことができるので、体の柔軟性が増します。

ポーズ②前足を伸ばす

前足を前方に長く伸ばすポーズは、目をつぶったり、あくびをしながらみせることが多いポーズです。とても気持ちよさそうな表情を見せてくれます。

ポーズ③後ろ足を伸ばす

後ろ足を伸ばすポーズは、歩きながら器用に片足を引きずって後ろ足を伸ばしていくポーズです。

ポーズ④全身を伸ばす

寝た姿で前足と後ろ足を伸ばすことがあります。驚かされるほど全身が長くのびることがあります。

猫が伸びをする理由とは?

寝ながら伸びをする猫

svetkor/shutterstock.com

愛猫が伸びをしている姿はとても可愛くて癒されます。ほんの一瞬の動作ですが、この伸びのポーズにはどんな理由があるのでしょうか?いくつかの理由をあげてみましょう。

理由①体を動かす準備のため

猫が素早く動くためには、瞬発力が欠かせません。なぜなら、獲物を狙うときや敵から逃げるときなどには素早く動くことが必要だからです。

そのため、いざという時に力を出して素早く動けるように、準備運動のように体を伸ばしています。

理由②体内の血液の循環を良くするため

体を伸ばすことで、血行がよくなることも考えられます。人間の場合も、運動の前にストレッチをするように、猫も動く前に体を伸ばして血液を巡らしていることが考えられます。

たとえば、ぐっすり眠っていた猫は、まず起きると伸びをするのではないでしょうか?これは体を伸ばして、「これから動くぞ~」という気分のときに、筋肉や関節の準備をしていると思われます。

また、伸びをすることで血流やリンパ液の流れも改善されます。伸びをすると血圧を上げることができ、血流が増えて、筋肉や脳に流れる血液の量が増えるので目覚めを促すことにつながります。

猫が血液の流れの改善を意識して伸びをしているわけではありませんが、体を伸ばしすことで気持ちがよくなるため本能で伸びをしているのではないかと考えられています。

理由③体内に溜まった毒素の排出を促すため

猫の伸びには、体内に溜まった老廃物や毒素の排出を促すデトックス効果もあると言われています。

猫が伸びをすることで筋肉の動きがよくなり、それと同時に体に蓄積されている二酸化炭素や乳酸などの老廃物や毒素も流れ、結果として体外へスムーズに排出されます。

理由④緊張をほぐそうとしている

猫はほかの猫に出くわして緊張しているときや、知らない人が近づいてきたとき、緊張をほぐすために伸びをすることがあります。

また、伸びをしながら「何かあったらこのまま攻撃しよう・・」と戦闘態勢に入っている表れれでもあります。この行動は「カーミングシグナル」と呼ばれている、自分を冷静にさせて落ち着かせる行動のひとつです。

このカーミングシグナルにはさまざま種類があり、伸びのほかにあくびやグルーミングなどが挙げられます。もし猫に近づいたときに、緊張した感じで体を伸ばしはじめたら、攻撃されないように少し離れたところから見守りましょう。

理由⑤リラックスしている

猫は緊張をほぐし、力を抜くために伸びをすることもあります。人間がストレッチをする目的と同じように、固まってこわばっている筋肉や、運動で疲れてた筋肉や関節を伸ばし、リラックスします。

おそらく猫も伸びをすることで、「気持ちいい~」と感じているのでしょう。

理由⑥安心している

お腹を出しながら伸びをしているなら、安全で安心していることも理由のひとつです。前足から顔を上の方に伸ばしてみたり、後ろ足を尻尾と同じ方向にまっすぐ伸ばしたりなどさまざまなポーズで身体を伸ばします。

どのポーズにせよ、お腹を出して体を伸ばしているなら安心感からとてもリラックスしている状態と言えるでしょう。脱力して伸びているポーズは、室内で飼われている猫に多くみられる仕草です。

野良猫の場合、常に警戒心と緊張感に包まれているので、よほど安全な場所でないと伸びのポーズを見ることはできません。

理由⑦気分を切り替えたいから

猫が獲物を集中して狙っていてそれを見逃してしまった後や、遊んでいて飽きてしまったときなど、気分を切り替えたり、気分を落ち着かせるために伸びをすることがあります。

また、飼い主さんに怒られてしまった後にも、気分転換のために体を伸ばす場合もあります。気持ちを切り替えるためにセルフグルーミングをする子もいますが、体を伸ばすのも同じ理由と考えられます。

理由⑧寝る前の準備のため

猫の中には「これから寝るぞ~」と眠る前の準備として伸びをする子もいます。眠る前に伸びをしているなら、眠くなってきたサインです。体を伸ばした後はベッドやお気に入りの寝床でお昼寝をすることでしょう。

また、リラックスしていることをアピールしている意味もあります。

つまり、伸びをすることをアピールすることで、ほかの猫や人に対して「私はだれにも危害を与えません」と安全さやリラックスしている態度を見せているのではないか、と言われています。

理由⑨飼い主さんに甘えたいから

外出をしていた大好きな飼い主さんが帰ってきたあとは、寂しかった気分から甘えたい気持ちに変わり、伸びをすることがあります。

飛びついて甘えたい気持ちを抑え、伸びをして落ち着くことで自分を抑えているとも言われています。

猫の体はなぜ伸びる?

前足を伸ばしている猫

Andrii Volgin/shutterstock.com

では、なぜ猫の体はあんなにも伸びることができるのでしょうか?猫の体がやわらかい理由についてみていきましょう。

猫の体の構造

猫の体が長く伸びることができるのは、猫の骨が人間よりも多くあることが理由として挙げられます。

猫の背中にある骨「胸椎」は人間よりも1本多い13本で構成されています。また、胸椎に連動した「助骨」も人間より1本多い13本、そして、「腰椎」は人間より2本多い7本となっています。

さらに猫は完全肉食動物なので比較的腸が短く、脊柱が内臓を支える必要性はあまりないため、柔軟性が高いと考えられます。

皮膚が伸びる

猫の皮膚はとても柔らかく伸びるという特徴があります。特にお腹から後ろ足にかけての皮膚はとても柔らかいため「ルーズスキン」とも呼ばれています。

ルーズスキンは個体差がありますが、大型のネコ科に属するチーターやライオンなども持っています。

猫を含めたネコ科の動物が喧嘩をして噛まれた場合、ルーズスキンがあると内臓に致命的な傷を負いにくくなります。また早く走るときや足を広げて大きくジャンプするときのためにもルーズスキンが役立つと言われています。

伸びている猫たちがSNSで話題沸騰中!

体を長くして脱力している猫や、前足を突き出して背中を反らせれている猫など伸びている猫たちの画像がSNSなどでアップされ、毎回話題となっています。

TwitterやInstagramなどでも「#伸びる猫」や「#全日本猫伸ばし協会」などのハッシュタグが付けられ、愛猫が伸びている画像をアップする飼い主さんが続出しています。

あなたも愛猫の伸びている姿の画像をアップし、その可愛さを自慢してみませんか?

ヨガのポーズにも影響を与えている

余談ですが、ヨガのポーズの中には猫の動きを真似したものがあります。それは「猫のポーズ」と「猫の背伸びのポーズ」です。

猫のポーズは、エビのように背中を丸めた後、反らしていくという動きをしますが、猫の伸びの姿とよく似ていることで知られています。

また、猫の背伸びのポーズも、猫が前足を伸ばしたポーズにそっくりのポーズです。肩こりやダイエットにも良いと言われているポーズのひとつとなっています。

ヨガの起源は、今から約4,500年前のインダス文明と言われていますので、おそらくヨガのポーズを開発した人は猫のポーズを観察してヨガにとりいれたのでは?と考えられています。

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