猫の動体視力はどれくらい?猫の視力に秘められた驚くべき能力を紹介!

猫の動体視力はどれくらい?猫の視力に秘められた驚くべき能力を紹介!

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猫ちゃんたちと暮らしていると、ハンティング能力に驚かされることが多々あります。素早い動きの虫を的確に捕らえたり、おもちゃを速く動かして遊んでいても動きに付いて来られたりするので、彼らの動体視力についても気になるところです。今回の記事では、猫ちゃんたちの驚くべき動体視力の秘密に迫りたいと思います。

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動体視力とは?

テニスを楽しんでいる女性

Lucky Business/shutterstock.com

動体視力とは、読んで字のごとく「動いている物体を視認する能力」のことです。

プロの野球選手は飛んでくるボールの縫い目が見えたり、プロのテニス選手は時速250キロを超えるサーブに追いついて的確なレシーブができたりします。これらは動体視力の良さによるもので、動体視力が優れているほど、素早く動く物体を目で追って反応することができます。

皆さんもテレビで野球ボールにかかれた文字を答えるとか、一瞬だけ表示される数字を覚えるというような優れた能力を披露する人たちの姿を一度は観たことがあるのではないでしょうか。

スポーツの能力には、視認したものに応じて身体を動かす能力も求められますが、動体視力の良さも兼ね備えている方が良いとされています。そう考えると、猫ちゃんは動くものをじっと目で追う点で優れていると感じられるのではないでしょうか。

猫ちゃんの動体視力はどれくらい?

クローズアップされた猫の顔

Nataliia Pyzhova/shutterstock.com

猫ちゃんたちは素早く動くものを的確に目で追い、捕まえるという点で優れた能力を発揮します。では、猫ちゃんの動体視力はどれほどなのでしょうか?

ここからは実際に猫ちゃんの動体視力がどれくらい優れているのかを紹介します。

人間の4倍ほどの動体視力

猫ちゃんの動体視力は人間の4倍ほどであると言われています。動体視力を数値として比較する単位がないので説明するのは難しいのですが、猫の動体視力は1秒間に4ミリというほんの少しの動きでも感知できるとされています。

微細な動きも猫は目でしっかり追うことができるので、獲物が急に進路を変えたり、おもちゃが予想外のところに動いたりしてもしっかりと捕まえることができます。

30メートル先の動いているものを見ることができる

人間の4倍ほどの動体視力が際立って発揮されるのは、遠くの獲物に対して使用される時です。30メートル以内の動いているものは、視界に入っていれば小さな虫でも見つけることが可能だそうです。まさにハンターとしてぴったりの能力ですね。

この優れた能力は特に、自然界に潜む捕食者から襲われる危険を避けたり、小さくて素早い獲物を探したりするときに威力を発揮します。なぜなら、自然界で捕食される動物となるネズミや小鳥などの小動物は警戒状態にあると鳴き声を出さないので、彼らの動きを視覚で捉えることがどうしても必要になるからです。

猫ちゃんの目には世界はどう見えている?

首をかしげて上を見上げている黒猫

Sheila Fitzgerald/shutterstock.com

猫ちゃんの飛び抜けた動体視力について考えてきましたが、普段の生活の中では猫ちゃんの視界にはどんな世界が見えているのでしょうか?

意外に思える事実や、他にも隠されている能力について紹介していきたいと思います。

視力はあまり良くない

動体視力はずば抜けている猫ちゃんたちですが、視力はあまり良くありません。

意外な事実ですが、実は15センチくらいの近さから20メートルくらいの遠さまでしか視認することはできないと言われています。人間で言うと視力0.1〜0.3ぐらいということになります。

見えるのは2メートルから7.5メートルほどの距離にあるもので、距離が10メートルを超えるとかなり視認率は下がってしまいます。

そのため、少し遠くの場所で静止している飼い主さんのことは認識することが難しく、首をかしげて見てくることがあります。首をかしげるのは、目の角度を変えてよりはっきり見ようとしているからだとされています。

もし猫ちゃんが首をかしげてあなたのことを見ていたら、少し近づいたり声をかけたりして飼い主さんであることを伝えてあげましょう。

また、猫ちゃんが最も対象を鮮明に見ることができるのは75センチほどの距離にあるときで、これはちょうど獲物を追いかけるときの距離にあたります。

さらに、猫の視野はそれぞれの目で250度の角度をカバーしており、両目で同時に捉えることができるのは、120度の視野の中であるようです。両目の視野の範囲内に捉えた対象は、奥行きが測りやすくなるため、ハンティングを成功させることのできる確率が高くなります。距離がしっかり把握できれば、走り出す瞬間や飛びつくベストなタイミングなども知ることができるからです。

それで、静止している遠くのものを見るための視力はあまり良くなくても、ハンティングに必要な範囲に限った視力と、優れた動体視力で猫ちゃんたちは野生でも生き抜いてこれたことがわかります。

暗い中でも周りを見ることができる

夜行性の猫ちゃんたちは、暗い中でも人間よりはっきりとものを見ることができます。

猫ちゃんたちは夜行性で、夜に動く獲物たちを捕らえることが多いために暗い中でもはっきりと対象を捉えることができるよう発達したとされています。猫ちゃんたちは、人間より6倍も良く暗闇の先が見えているとされています。

つまり、人間が暗い中でも対象を視認することができる最低限の光量の6分の1の明るさでも猫ちゃんたちには視認できるということです。

猫ちゃんたちが暗闇でも対象を見ることができるのはなぜでしょうか?それには猫ちゃんたちの目の中にある「タペタム」という器官が関係しています。

「タペタム」とは、猫ちゃんの網膜の裏側にある光を反射する薄い膜のことです。網膜を通過した光をタペタムが鏡のように反射することで光を140%にして網膜に送り込みます。暗闇で光を受けた猫の目が光るのはこのタペタム器官があるからです。

猫ちゃんは、自分の目の中に入った光を眼球の中で増幅することで、暗闇でも明るい視野を確保することに成功したのです。

夜間にフラッシュを使って猫ちゃんの写真を撮ると目が光って見えるので面白いかもしれませんが、強い光を見ると猫の眼球にダメージを与えることになります。人間が太陽を直視しない方が良いのと同じですね。

また、猫ちゃんは光がより多く目に入るように大きな水晶体を持っています。猫ちゃんの顔を横から見ると透明のレンズのようなものが瞳の部分に見えると思いますが、あの分厚い部分がレンズの役割を果たし、多くの光を取り入れることが可能になっています。

しかし、水晶体が大きすぎるためにピントが合わせにくく視力が低くなる原因ともなっているようです。さらに、光と影や白と黒を識別するための「杆状体」(かんじょうたい)が非常に発達しているため、夜間でも周囲の状況を理解することができます。

その反面、白い部分や明暗がある部分がぼやけてしまうこともあるようで、そのために視力が悪いとされています。

色もいくつかは識別できる

では、色に関してはどうなのでしょうか。先ほど紹介した「杆状体」(かんじょうたい)は網膜にある白と黒を認識するための器官でしたが、「錐状体」(すいじょうたい)は、色を識別するための器官です。

人間や霊長類には、光の三原色である緑、赤、青に反応する3種類の錐状体があります。しかし、猫や犬などの夜行性の動物には2種類だけしかないことが多いようです。

これには、植物を主食とするか、肉を主食とするかの違いが関係しています。植物を主食とする人間や霊長類たちは、色鮮やかに実ったフルーツを見きわめて集める必要があります。

しかし、夜行性の肉食動物にとって色はどうでもよく、動いているものを認識したり、暗い中でも敏感に光を感じ取れることのほうが大切なようです。

そのため、自然淘汰が繰り返され、現在の猫や犬のように錐状体が少なく、杆状体が多いという生態になっていったのです。ですから猫ちゃんは、赤や緑を視認することができません。赤いものは猫ちゃんの目には黒く見えるようです。

キャットフードに着色料などが使われて、カラフルに色がついていることがありますが、猫ちゃんにとっては視認できない色なので、食欲をそそる効果などはないことがわかりますね。

人間が見て美味しそうに感じても猫ちゃんにとっては意味のないものですので、賢くキャットフードを選ぶために役立つ知識ともなるでしょう。

猫ちゃんたちは赤や緑を見ることはできませんが、紫外線を見ることができるという研究結果もあるようです。人間の水晶体は紫外線が入ってこないようブロックする働きがあるので、人間の視覚には紫外線は感知されません。しかし、ワンちゃんや猫ちゃんなどのいくつかの種類の哺乳類動物の水晶体には紫外線が通るようになっているそうです。

紫外線が彼らにどんな色に見えていて、どんな世界が映し出されているのかは想像するしかありませんが、彼らならではの特殊な能力があるんですね。

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