【獣医師監修】猫にかつおぶしはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【最新版】

【獣医師監修】猫にかつおぶしはOK!食べてもいい量と与えるときの注意点!【最新版】

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頼定 大和

獣医師

頼定 大和

日本獣医生命科学大学卒。大学卒業後、沖縄の病院にて臨床経験を積み、関東、北陸で動物病院の院長として病院経営を行う。 現在は企業病院およびペット関連事業のコンサルティングに携わる。 また、猫の感染症や遺伝病の分野において大学と共同研究に取り組んでいる。講師歴:広島アニマルケア専門学校、日本獣医生命科学大学 動物病院経営学etc. https://okinawa-ahg.com/

与える量に注意すれば、猫にかつおぶしを与えても問題ありません。かつおぶしには猫の健康に良い成分が含まれています。しかし、猫に与え過ぎるとデメリットになってしまうので、注意が必要です。そこで今回は、かつおぶしに含まれる成分や、猫に与える際の注意点を取り上げます。

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猫にかつぶしを与えても問題ない?

燻製にしたかつおと削ったかつおぶし

K321/shutterstock.com

かつおぶしはカツオを原料とした保存食のひとつです。日本の食卓には欠かすことのできない食材として古くから用いられています。かつおぶしには主に、カツオを茹でて燻した「荒節」と、荒節にカビ付けして発酵させた「枯節」の2種類があります。

かつおぶしには、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。また、香りも良いため、食欲を増進させるのにも優れた食材です。

猫にかつおぶしを与えても問題ありません。しかし、日常的に猫にかつおぶしを与えていると、猫の健康に悪影響を及ぼす危険があるので、注意が必要です。

猫にかつおぶしを与えてもいい量

ご飯を食べている猫

Krakenimages.com/shutterstock.com

上でも述べたように、かつおぶしにはミネラルが豊富に含まれています。ミネラル自体は、猫の健康を維持する上で大切な栄養素です。しかし、猫はミネラルの消化吸収能力が高いわけではないので、過剰摂取すると尿路結石や腎不全などの病気を引き起こす可能性があります。

基本的には、猫に必要な栄養素がバランスよく含まれたフードを与えるようにしてください。毎食かつおぶしを与える必要はありません。猫の食欲が落ちているときや、ご褒美を与えるときなどに「少量」与えることができます。

子猫の場合

AAFCO(米国飼料検査官協会)では、子猫に必要なミネラルの基準が定められています。例えば、マグネシウムの場合、フード100gあたり0.08%以上の量が子猫には必要です。

しかし、子猫は消化器官が未発達なので、マグネシウム含めミネラルを摂り過ぎないよう気を付けなければなりません。ミネラルを過剰摂取すると、腎臓などに大きな負担がかかり、障害が出ることもあります。リスクを抱えないためにも、子猫にわざわざかつおぶしを与える必要はありません。

成猫の場合

生後12カ月~7歳の成猫の場合は、フード100gあたり0.04%以上のマグネシウムを摂取するのが適正とされています。

健康な成猫でも、かつおぶしの与え過ぎは禁物です。ひとつまみ程度を時々フードにトッピングしてあげたり、ご褒美としてたまに与えるだけにしましょう。

老猫の場合

尿路結石や腎不全などは猫がかかりやすい病気とされており、腎臓機能が低下している老猫は特にリスクが高くなります。ゆえに、老猫には積極的に与える必要はありません。どうしても与えたい場合には、獣医師に相談しましょう。

猫にかつおぶしを与えることで期待できる効果

新鮮なかつおぶし

matung/shutterstock.com

かつおぶしには、良質な「たんぱく質」が含まれています。たんぱく質は脂質、糖質と並ぶ三大栄養素のひとつです。たんぱく質は、筋肉や臓器、皮膚、骨など体をつくる上で重要な働きをします。また、免疫力を高めたり、体内の血液を正常に保つなどの効果があります。

また、かつおぶしにはビタミンが豊富に含まれています。中でも「ビタミンD」には、骨や歯を丈夫にする効果や、糖尿病を予防する効果があります。

さらに、「カリウム」「リン」などのミネラル類も豊富です。カリウムにはナトリウムの排出を促す働きがあるため、高血圧の予防に効果的です。リンには、体の中でエネルギーを蓄えたり、神経や筋肉の機能を正常に保つ働きがあります。

猫にかつおぶしを与えるときの注意点

猫にかつおぶしを与えるときは、人間用のものではなく、塩分の少ない猫用のものを与えるようにしましょう。猫用のかつおぶしでも与え過ぎないよう注意してください。頻繁に与えていると、通常のフードを食べなくなってしまうこともあるので、ごくたまに、ほんの少しの量だけ与えるようにしてください。

また、腎臓や泌尿器に問題のある猫にかつおぶしを与えると、症状が悪化する危険があります。病気を抱えている猫にかつおぶしは与えないでください。

さらに、魚アレルギーを持っている猫だと、かつおぶしを食べてアレルギー反応を起こす可能性があります。猫にかつおぶしを与えるときは、少量からスタートさせましょう。体調に変化がないか観察してください。万が一、下痢や嘔吐などの症状が見られる場合には、動物病院に連れて行き獣医師に診てもらうようにしてください。

ふりかけや出汁は与えても問題ない?

器に入っている出し汁

Nutria3000/shutterstock.com

かつおぶしを使ったふりかけには、砂糖や醤油などで味付けされているものがほとんどです。猫には味が濃く、健康を害するおそれがあるため、ふりかけは与えないでください。

出汁は猫に与えても問題ありませんが、塩分が含まれているため、与え過ぎには注意が必要です。また、塩や醤油などの調味料は絶対に加えないでください。かつおぶしだけでとった出汁を与えるようにしましょう。

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