セラピードッグになるには?訓練・資格や向いてる犬種・活動内容について解説

セラピードッグになるには?訓練・資格や向いてる犬種・活動内容について解説

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ここ数年でよくセラピードッグという言葉を耳にします。セラピードッグとはなんでしょうか?セラピードッグになるには、どうしたらいいのでしょうか?わが家の愛犬もセラピードッグになって活躍できますか?セラピードッグの仕事内容はどんなものでしょうか?

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セラピードッグとは

Senior woman holding Maltese dog in her lap. Focus on dog.

Bojan Milinkov/shutterstock.com

アニマルセラピーの一つであるドッグセラピーで活躍する犬のことで、人と触れ合うなどのコミュニケーションを通じて、病気やケガ、また精神的な痛手を受けた人の癒やしとなるよう高度な訓練を受けています。

動物と触れ合うことは一般の人でも癒されますが、特に高齢者や認知症、自閉症などの人が訓練を受けたセラピードッグと接することによって、精神的な安定や運動機能の回復をサポートしてもらうことができます。

高齢者や自閉症、認知症のほかにも、重度の病気やけがの後遺症などを持つ人がセラピードッグと交流すると、セラピードッグに寄り添われながらリハビリや治療を受けることで、記憶を取り戻す助けになったり、動かなかった手足が動くようになったりと、リラックス効果や治療効果を高める役割を果たしています。

セラピードッグの活躍の場は幅広く、全国の高齢者施設や障がい者施設、病院やホスピス、児童施設や学校、刑務所、被災地への訪問活動などで活動しており、多くの人に寄り添い、支えとなっています。

またセラピードッグは犬と人間双方のリハビリ目的を持つこともあり、虐待を受けていた犬や、遺棄されたりストレスなどで傷ついた犬が人間と共存できることを目標として訓練を受けることもあります。

セラピードッグによる効果について

Young Girl Being Visited In Hospital By Therapy Dog

Monkey Business Images/shutterstock.com

セラピードッグと触れ合うことで積極的な気持ちになったり、前向きになれたりするので、精神的・情緒的安定、社会的機能、運動機能の回復などの効果が得られ、精神面でも落ち着いてくる効果が期待できます。

実際にセラピードッグがリハビリなどに寄り添うことによって、認知症の改善や笑顔などの感情を見せるようになったり、声かけへ反応が良くなったり、積極的に言葉を発するようになったり、自力歩行に意欲的に取り組んだり…と症状の好転やモチベーションアップなど、状況の大きな改善のきっかけになっています。

セラピードッグからの効果を一層高めるには、患者さん自身が積極的に犬と触れ合い、話しかけたり一緒に歩くなど、積極的にセラピードッグと関わっていくことが必要です。

なぜアニマルセラピーには効果があるのか?

Lonely woman cuddles with dog pet on the couch

Robert Kneschke/shutterstock.com

セラピードッグと触れ合うことで心が癒され、気分が穏やかになったり、健康面でも血圧やコレステロール値が落ち着いたりと、その効果は科学的にも実証されています。

セラピードッグと触れ合ううちに、単に受け身の姿勢で犬と触れ合うのでなく、自ら犬に触れたい、犬に話しかけたり歩いたりしたいという自主性を持つようになり、そのような心理的な改善効果は生活のほかの面にも、積極性や前向きな姿勢を持つよう後押しするようになっていきます。

また犬との触れ合いによって、他者との感情交換や親密な感情を持ったり、犬たちからユーモアを感じたり、徐々に達成感や感情表現の出し方、自尊心の向上など、感情的・精神的に安定していきます。

セラピードッグに向いている犬種は?

Trained dogs for Assisted therapy

Jose Luis Stephens/shutterstock.com

どんな犬種でもセラピードッグになる素質を持っていますが、人との触れ合いが好きなことと忍耐力を持っていることが求められます。

温厚な性格で忍耐力のある大型犬がセラピードッグに向いていると言われることが多く、辛抱強いラブラドール・レトリバーやフレンドリーなゴールデン・レトリバー、賢く従順なボーダーコリーも採用されやすいでしょう。

また少し見た目がキリっとしていますが、賢いジャーマンシェパードも忍耐力が優れているため、セラピードッグになる素質を十分持っています。

小型犬も活躍していて、人懐っこく活発なダックスフンドや賢く芸達者なトイプードルなど、甘え上手で抱っこされるのが好きな犬種はセラピードッグに向いています。

セラピードッグになるには?

セラピードッグになるには、セラピー犬認定試験を受けて資格取得することが必要です。

受験資格は、生後8ヶ月以上の犬であること、必要なワクチンや狂犬病の予防注射を受けていること、トイレトレーニングが完璧にできていることなどです。

セラピードッグになるための犬種の指定はありませんが、「優良家庭犬協会」の認定レベルを必要となります。

それには基本的なしつけに加えて、知らない人に触られても嫌がらないこと、どんな状況でも落ち着いて行動できることなど、公共の場でマナーの良さを示すことが含まれています。

セラピードッグになればいろんな人に触られたり、抱っこされたりしますので、スキンシップや抱っこされるのが好きか、だれにでもフレンドリーに接するかなど、犬自身の素質も影響するでしょう。

セラピードッグの認定試験の内容

man with a Border Collie on an agility field

Christian Mueller/shutterstock.com

どんなことをチェックするかというと、基礎的なものから忍耐力が必要なものまで、さまざまなチェック項目があります。

例えば…飼い主の横にしっかりついて歩くことができるか、飼い主の「マテ」をしっかり守ることができるかなど、基本的なしつけがチェックされます。

また車椅子を怖がらないか、車椅子に乗っている方を怖がらないか、犬のほうから車椅子の方にアプローチしに行けるかなど、大きな動くものへ恐怖心を持っていないかなどのチェックもあります。

さらに後ろから触られても大丈夫か、知らない人に抱っこされても平気がどうかなどの人懐こさに加えて、実際にお仕事をしだしたら、知らない人に急に触られることもあるでしょう。

そんなときも穏やかに接することができるかなどの確認を受けます。

実際のお仕事では、犬に慣れてない人から触られたり、力加減などが強くても我慢しなければなりませんので、穏やかさと忍耐力、また飼い主の指示をいつも守れるかどうかは、非常に大切なチェックポイントになるのでしょう。

認定試験に合格するためのトレーニング

Cropped image of handsome young man with labrador outdoors. Man on a green grass with dog. Cynologist

4 PM production/shutterstock.com

とにかく基本的なしつけがカギとなりますので、生後3カ月から始めるよう勧める方もいらっしゃいました。

人間が大好きでフレンドリーになるようにたくさん遊んであげたり、様々な環境に適応できるように人やほかの動物、物音などに慣れさせたり、必要なマナーを身に着けられるように少しづつ訓練しましょう。

必要な技術は多岐にわたりますので、セラピードッグとして働く場合の基本を押さえた訓練を意識的におこなうだけでも、セラピードッグとして働くための良い練習になるでしょう。

例えば、人のペース合わせて側を歩くことがあげられます。

これは杖を持った人や高齢者など、相手の歩行ペースに合わせて歩くことは、セラピードッグとしてお仕事をしていくときに必ず使う技術になってきます。

また麻痺があったりなどの理由でスムーズに歩けない方や車椅子に合わせて動くことも必要です。

特に車椅子と歩くことはトレーニングが必要でしょう。

適度な距離感で歩かないと犬が怪我をしてしまいますし、車椅子が予期せぬ動きをするかもしれません。

車椅子のブレーキを外す音を出発する合図にするなど、歩くタイミングを計れるようなトレーニングを行いましょう。

他にはベッドから起き上がれない方へのアプローチ方法も練習します。

入室してからベッドまで犬を誘導し、ベッドでの過ごし方や下りる時の動き、退室までの流れを訓練します。

また人とアイコンタクトを取る方法も教え、飼い主以外ともアイコンタクトをとれるようトレーニングしましょう。

フレンドリーな犬ならそれほど問題なく覚えてくれるでしょう。

これは相手と気持ちを通わせたり、信頼関係を深めるためのに大切なことなので、ぜひ教えておきたい技術ですよ。

セラピードッグの仕事・活動内容

Therapy dog is pet by an elderly man in a wheelchair and a younger woman. Horizontal shot.

iofoto/shutterstock.com

セラピードッグの仕事としての主な活動は3種類に分かれます。

対象者のニーズに合わせた最も効果のあるアプローチがとられていて、そのお仕事内容や目標が異なっています。

それぞれにどんな違いがあるのか、どんなお仕事をしているのか見てみましょう!

AAA(Animal Assisted Activity)動物介在活動

治療が目的なのではなく、犬との触れ合いを楽しむことを中心としたレクレーションのことです。

犬と一緒にレクリエーションを楽しみ、触れ合うことで情緒的に安定したり、リラックス効果やストレス解消効果が期待されます。

これは高齢者福祉施設の訪問やホスピスなどでよく取り入れられていて、一度に大勢の人と触れ合えるメリットがあります。 またご家族がいない高齢者がセラピードッグと触れ合うことで、穏やかなスキンシップの時間を持てたり、心身に大きな癒やしの効果を与えることができます。

AAT(Animal Assisted Therapy)動物介在療法

医療現場で治療のために、患者さんの心や体のリハビリテーションなどを目的としてセラピードッグが活動する補助療法のことです。

精神的また情緒的安定、身体的な機能や社会的な機能の向上の目的を持って取り組むものなので、セラピードッグもハンドラーも2年以上の訓練を受けている必要があります。 またAATで活躍するセラピードッグには忍耐力が要求されるので、ゴールデン・レトリバーやラブラドール・レトリバー、ジャーマンシェパード、ボーダーコリーなどの賢い大型犬が向いているとされています。

AATは主に精神科や介護施設、また認知症や身体障害者、パーキンソン病などの患者さんに対して行い、表情が乏しい方や家族関係に問題を抱えている方、人との関わりに不安を抱いている方などの治療のために、医療従事者主導のもと行われます。 この治療法を受ける側が「犬好き」であることが前提なので、すべての人に行えるわけではありませんが、事前に医療スタッフと毎回の目標を立て、情報を共有して進めていきます。

AAE(Animal Assisted Education)動物介在教育

幼稚園や小学校などの教育現場で、子供たちが動物との触れ合い方や命の大切さを学ぶことを目標とした活動です。

近年、生活科や総合学習などのプログラムとして、AAEを導入する学校も徐々に増えており、 教育活動の一環としてセラピードッグを用います。

またセラピードッグと触れ合いことによって、動物愛護や動物福祉について考える機会になったり、知識を深め理解してもらうことにもつながり、貴重な教育活動となっています。

セラピードッグのキャリアチェンジ犬とは?

一般的に10歳を過ぎた頃にセラピードッグは現役から引退することが多く、「キャリアチェンジ」つまり進路変更をし、家庭犬に戻ります。

他には、セラピードッグよりも家庭犬の方が向いている犬たちが、キャリアチェンジ犬として里親募集されることもあります。 セラピードッグからのキャリアチェンジ犬は基礎的な訓練を受けているので、一般的に大人しく飼いやすい犬が多く、優良家庭犬となってくれるでしょう。

日本アニマルセラピー協会など、セラピードッグに関わる団体でキャリアチェンジ犬の里親探しも行っていて、サイト内で定期的にキャリアチェンジ犬の里親募集が掲載されます。

一生懸命人のために働いてきたセラピードッグたちに、ぜひ穏やかで幸せな余生を過ごしてほしいものですね。

ご興味ある方は是非一度、セラピードッグのサイトから里親募集について見てみてくださいね。

きっと相性ピッタリのパートナーが見つかるでしょう!

セラピードッグの活躍がわかる動画

日本でも、また海外でも幅広い活動を通して多くの人に笑顔を送るセラピードッグたち。

海外では意外な場所でも働いていました。

セラピードッグたちと触れ合っている人たちの表情がどんどん変化していく様子は、セラピードッグたちの存在意義とその活動の重要さを感じることでしょう。

犬の持つ癒しの力を役立てるドッグセラピージャパン/旬感北九州/(平成29年9月20日放送)

北九州で活動してるセラピードッグたちが、触れ合う人みんなを笑顔をしていきます。

デイサービスで高齢者たちを和ませてあげたり、おとなしく抱っこされる陰には、日々地道なトレーニングを重ねる姿がありました。

またドッグカフェでも人と触れ合い、生き物の温かさや命の大切さを教えているセラピードッグたち。

生き物に愛情を注ぐだけでなく、命には責任が伴うことをわたしたちに教えてくれる気がしました。

Therapy Dogs Singapore AVP

海外でもセラピードッグたちは働いています。

シンガポールの病院でも、多くのセラピードッグたちが活動しています。

犬たちと触れ合っていく方たちの顔にどんどん微笑みがこぼれていき、犬たちから癒されれていく様子が伝わってくるでしょう。

セラピードッグたちの持つ大きなパワーと人間への深い愛情を感じ、犬たちのきらきらした瞳と患者さんたちの嬉しそうな表情には胸を打たれるものを感じます。

Airports Have Puppies and Mini Horses To Calm Stressed Travelers In Long Lines

アメリカでは空港で働くセラピードッグたちがいました。

これはフライト前後の緊張感や遅延などのイライラ感を軽減する効果があるそうです。

空港を利用する人であれば、誰でも自由に撫でて癒されることが可能とのことで、セラピードッグと触れ合った乗客の心身に様々な好影響があるとのことでした。

日本ではまだ行われていませんが、面白い試みですね!

まとめ

Therapy Dog Visiting Young Female Patient In Hospital

Monkey Business Images/shutterstock.com

様々な場所で活躍しているセラピードッグに本当に頭が下がります。

今日もセラピードッグから癒され、力をもらった人たちがいることでしょう。

あなたの愛犬もセラピードッグを目指してみませんか?

しっかりと子犬の時期から訓練するなら、セラピードッグとして活躍するのも夢ではありませんよ。

愛犬と一緒にセラピードッグを必要としている人の支えになることは、愛犬と過ごす日々の中でも特別思い入れの深い、貴重な思い出になるでしょう。

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3 ぽん
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動物は人間を助けてくれる。動物に対しての悲しい話をたくさん耳にするからこのような記事を読むとなぜか悲しくなってしまう。

2 名無しさん
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セラピードッグって凄く癒やされるし、必要なことなんだろうけど、自分の犬をそうしたいとは思わないなぁ。犬にとってもストレスが多そうなんだもん。賢い子だから我慢できちゃうんだろうけど。

1 ナンバーワン
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自分の飼育している犬をセラピードッグに育てる方法か!ああいうのって、そういう協会の人が特殊に訓練してるのかと思ってた。自分でセラピードッグを育てるって発想はなかったな。

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