猫を数える時は「一匹」?それとも「一頭」?その違いを徹底解説!
動物を数えるとき、「匹」で数える動物もいれば「頭」で数える動物もいて、どちらで数えたらよいのか迷ってしまうという人も多いことでしょう。では、猫を数えるときは「匹」それとも「頭」どちらで数えるのが正解なのでしょうか。今回はそんな疑問に答えたいと思います。また猫の年齢の数え方についても解説していきます。
猫の数え方は意外な言葉を使う!?
Eric Isselee/shutterstock.com
一般社団法人ペットフード協会によると、2018年10月の時点で日本全国の猫の飼育頭数は約9,649千頭だったそうです。犬の飼育頭数が約8,903千頭だったので、猫の飼育頭数が犬の飼育頭数よりも多いことがわかります。まさに猫ブームがやってきたということができるでしょう。
飼育頭数を調べている時にふと思ったのですが、猫を数えるときも「頭」を使うんですね。猫は「匹」で数えるものだと思っていたので何となく違和感を覚えてしまいました。動物の数え方に変化のある日本語は面白いですね。
今回は猫の数え方について調べてみました。いろいろな動物の数え方についても紹介するので参考にしてくださいね。さらに猫の年齢の数え方についても紹介します。愛猫の健康管理をする上で役に立てることができるでしょう。
猫は1匹なのか、1頭なのか
「数え方単位辞典」によると、鳥類以外の動物一般は「匹」で数えるとのことです。なので猫を数えるときは基本的には「匹」を使えば間違いはありません。人間が抱きかかえられない大きさになると「頭」を使うことがあるそうです。
動物によっては小型から大型までの大きさが異なるので、「匹」と「頭」を使い分けることができるものもあります。例えば犬ですが、チワワやミニチュアダックスフンドのような小型犬から、ラブラドールレトリバーやジャーマンシェパードのような大型犬まで、大きさに差があります。
小型犬や中型犬は人間が抱きかかえられる程度のサイズなので「匹」を使って数えますが、大型犬や超大型犬になると人間が抱きかかえることはできないサイズです。つまり、その場合は「頭」を使って数えてもいいことになります。
では猫の場合はどうでしょうか?大型の猫として有名なのがメインクーンですが、その中でもとても大きいとして記録に残っているのが15.8㎏だとのことです。中型犬が20㎏前後なので、大型の猫も人間が抱きかかえることのできるサイズ内に収まっていることになります。どんなに大きな猫でも「匹」で数えることができることがわかりますね。
別の要素としては、人間にとって稀少価値の高いものを「頭」で数えることがあるそうです。例えば、イリオモテヤマネコは特別天然記念物であり、絶滅危惧種に指定されている稀少な猫種なので、数えるときは「頭」が使われます。
また、人間の役に立つように訓練された動物も「頭」で数えます。犬の場合は警察犬、盲導犬、介助犬などがそれにあたります。猫の場合はあてはまる事例がありませんが、もしかしたら「我が家の猫はわたしの役に立っている」とか「我が家の猫はオンリーワンだから」という理由で「頭」を使う飼い主さんもいるかもしれませんね。
さらに、前述のように飼育頭数の調査の場合は「頭」を使うことがあります。「2018年の猫の飼育頭数は約9,649千頭」と数えても問題はないわけです。学術的な研究の対象として論文で発表するときは「個体」という数え方もします。
猫を1匹だけ飼うことを「1匹飼い」といいますが、2匹以上飼うことを「多頭飼い」といいますね。考えすぎてしまって「匹」と「頭」がゴチャゴチャになってしまうこともあるかもしれませんが、「匹」で統一すれば間違いはありませんよ。
「匹」と「頭」の違いは何か
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前述のように、人間が抱きかかえることのできるサイズの動物を「匹」、人間が抱きかかえることができないほど大きな動物を「頭」と数えることができると説明しましたが、そもそもこれらの数え方のルーツはいったいどこにあるのでしょうか?
「匹」とは、二つのものが対になっていることを意味する言葉です。これが動物を数えるのに使われるようになったきっかけが馬のお尻なんです。荷車を引いたり畑を耕したりするのに馬は身近な動物として日本人の暮らしに関わってきましたが、馬の2つに割れているお尻を見て対になっているということで「匹」を使って数えるようになったと言われています。
また、馬は「引く」動物でもあるので、このことも意味に含まれていると言われています。「引き」と「匹」というわけですね。シャレのようですが本当の話として説明している資料がたくさんありますよ。
「頭」が使われるようになったのは明治時代の末期からだと言われています。西洋では牛を数えるのに頭数を確認していました。そのため英語の「head(頭の意)」が使われていましたが、それを日本語に訳して牛を「頭」で数えるようになったそうです。さらに牛のように大きな動物はすべて「頭」で数えるようになったと言われています。
現在でも大きな動物は「頭」で数えられ、小さな動物は引き続き「匹」で数えられています。大きさの境界は人間が抱きかかえることができるかどうかというのが一般的な説明になっています。
猫以外の動物の数え方
猫は「匹」で数えることができるとわかりましたが、犬の場合は抱きかかえられるかどうかで「匹」または「頭」で数えることができます。ブタは「頭」で数えますが、「3匹の子豚」とも言うように、子豚のことを「匹」で数えることもあります。抱きかかえられるサイズなので「匹」でいいのでしょう。最近はミニブタなどもペットとして人気ですね。
ペットとして人気のある小動物にウサギがいますが、ウサギは「羽」で数えることがあります。どうして「羽」で数えるようになったのか、いろいろな説があります。その中で面白いのは、昔の僧侶が4つ足の動物を食べることが禁じられていた時に、ウサギを無理矢理鳥類として数えようと「羽」を使ったとか。お肉をどうしても食べたかったのでしょうかね。
ウサギを数えるときに「羽」を使いますが、最近では「匹」を使っても問題ないようです。その他の小動物は「匹」を使います。ハムスターやモルモットがそれにあたりますね。大型の動物であるヤギ、ラクダ、ライオン、トラは「頭」で数えます。ゴリラも「頭」で数えます。
魚は「匹」で数えることができますが、食材としての魚を「尾」で数えたりもします。ヒラメのような平べったい魚は「枚」で数えたりもしますよ。「かつおの1本釣り」などという表現もありますが、かつお、まぐろ、サメなどの大型の魚を捕獲すると「本」が使われることがあります。
こうしてみるといろいろな数え方があることがわかりますね。公式の場で間違えないように調べておくのはいいことです。普段はあまり考えずに使っているかもしれませんが、日本語の難しさを痛感させられますね。
猫の面白い数え方
余談になりますが、猫好きの飼い主さんのブログなどを見てみると、「1にゃん」という表現を使っている人もいました。「我が家には『1わん』と『3にゃん』が住んでいます」といった風にです。犬はワンワン泣くから、猫はニャンニャン鳴くからというわけですね。辞書に出てくるような公式な数え方ではありませんが、とてもかわいらしいですね。
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