ミキ亜生(芸人)/第2回「僕は今、猫たち(子どもたち)のために芸人をやっています(笑)」

ミキ亜生(芸人)/第2回「僕は今、猫たち(子どもたち)のために芸人をやっています(笑)」

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mofmo編集部

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第2回目となる今回は、助六を保護したことをきっかけに、3年間で約30匹の猫を保護してきたという亜生さんの、保護猫活動にかける思いをたっぷりお聞きしました。

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ミキ亜生(芸人)/第2回「僕は今、猫たち(子どもたち)のために芸人をやっています(笑)」
ミキ 亜生さん

ミキ 亜生さん/背面写真撮影・chiai

  • ミキ 亜生
  • お笑い芸人
  • 京都府出身
  • 自宅で3匹の猫を飼いながら、保護猫活動も行うほどの猫好き

僕が保護しないと生きていけない子を保護している

――助六を保護したことをきっかけに、その後30匹近くの猫を保護されたそうですが、保護猫活動はいつ行っていたんですか?

僕、散歩が好きなんです。その延長線上で散歩中にヘッドライトつけるようになって、猫を夜中に探すようになりました。

――保護をするとき、亜生さんの中でのルールみたいなものはありましたか?

近づいたときに、僕から逃げる子は保護しないと決めています。逃げるパワーがあるということは生きる力があるということだから。僕は、僕が保護しないと生きていけない子を保護していました。

――「生きていけない子は助ける」というルールで30匹保護したとは、すごいですね。例えば、この辺には野良猫が多いという場所がわかってくるようになるものなのですか?

僕が大阪で住んでいた地域は猫にエサをあげるおばさんとかもいるし、とにかく猫が多くて、だいたいここにいるなという地図が頭の中にあったんですけど、東京は散歩していても猫が全くいないです。

保護猫活動について語る亜生さん

保護猫活動について語る亜生さん/撮影・chiai

――今は東京に住んでいらっしゃるということですが、東京で猫を保護したことはありますか?

東京ではないですね。東京は、本当に猫がいないです。一度、「天才!志村どうぶつ園」の企画で、大阪でやっていたことを東京でやってみようというロケをしたことがあるんです。野良猫を見つけたら保護しましょうという企画で、家の近所を4時間くらい歩いたんですけど1匹も見つからなかった。東京に野良猫がいないのは、嬉しくもあり、寂しくもありですね。

――今でも、大阪に戻られたときは保護猫活動を続けているんですか?

大坂で泊まりの仕事のときは、ホテルの近くを散歩したりはしますね。もしいたら保護しようとは思っているんですけど、最近は大阪も、団体の方の活動も広まってきているので、野良猫をほとんど見なくなりました。生まれたての子猫を拾うということも減ってきましたが、大阪の友人から猫を拾ったとか、見つけたという連絡をもらうことはあります。昔バイトしていた漫画喫茶の子から、「店の駐車場で猫拾ったんですけどもらってもらえませんか?」と連絡をもらい、大坂に行って保護したのがうちの3匹目の子です。

子猫の時の藤ちゃん

提供:ミキ 亜生さん

自分の服を売って現金を作ったこともありました

――お話を聞いていて、すごいなぁと思うのですが、そこまで親身に保護猫の活動ができるのですか?

ほっといたら死んじゃうじゃないですか。拾ってもどうしたらいいかわからないという人はたくさんいるし、保護団体のノウハウも知らないし、保護の仕方も知らない。それで、「ペットが飼えないところに住んでます」と言われたら、僕が引き取るしかないなとなるんです。

――保護した場合、病院に連れて行ったり、里親が見つかるまでの間に抱える費用は亜生さんが負担しているんですか?

そうです。病院代がね、すんごいんですよ(笑)。同時に4匹拾ったときは、「全員助かって嬉しい!」という気持ちと同時に、「これ、病院代いくらかな……」という不安に襲われました。病院のお会計のところで「えっ……」と固まったことが何回かあります。「何のお金払ってるんだっけ?」ってなるんですよ。ほんま、僕がガリガリになるんじゃないかと思ったほど。歩いていて鳴き声が聞こえると、「いる!」というのと、「今月生活できるかな?」ということが頭をよぎるんです。「今月は、営業があと何本か入ってたから、あれが入ればいけるか……」とかね(笑)。見捨てるわけにはいかないから、自分の服を売って現金を作ったこともありました。

保護した猫と亜生さん

提供:ミキ 亜生さん

――これまで多くの猫を保護するときにいろいろなことがあったと思います。その中でも、忘れられないエピソードや出会いがあれば教えてください。

どうしようもないことですけど、やっぱり亡くなってしまった子のことは忘れへんようになりますね。僕の手の中で亡くなっていった子がたくさんいる。病院に連れて行っても、小さすぎたり、「先天性のものです」と言われてしまったら、僕は何もできないんですよね。逆に、もらわれていった子たちは、みんな幸せになってる子ばかりなので、だんだん忘れていくんですよ。これで幸せになってくれたら、あとは大丈夫って思えるんで。

――大阪で保護猫活動をしているときに、マンションの隣のご夫婦と猫を通じて親しくなったそうですね。

僕が助六を拾う数ヶ月前に、その家の長生きした猫が亡くなって、おばちゃんがペットロスだったんです。猫の飼い方に詳しいということで、飼い方を教えてもらったり、猫を連れていったりするようになって徐々に仲良くなりました。僕は、芸人をやってること言ってなかったんですけど、ある日、僕のことを新聞で見つけて「芸人さんだったの?」って驚かれたりしてね。僕が保護した子を1匹もらってもらってるんで、今でも大阪帰ったときはお隣さんの家に行ってご飯食べさせてもらったりしてます。猫が繋いでくれたご縁です。

――猫ちゃんとの出会いをきっかけにいろんな変化や出会いがあったと思いますが、亜生さんにとって、猫ちゃんたちの存在とはどんなものですか?

完全に子どもですよね。ファンの方とかが、SNSで「見てください!うちの猫かわいいでしょ?」って送ってくれるんですけど、「俺の子のほうがかわいい!」ってなるので、完全に親ばかです(笑)。 健康で、長生きしてもらいたいって思うから、ごはんは良いものをあげたいと思うから、自然食品で2週間分で4000円とかのエサを買ったりしてるので、途方に暮れたこともありますよ。「猫のご飯代で月いくら使っとんねん……」て(笑)。僕は今、猫たち(子どもたち)のために芸人をやっていると思います(笑)。

愛猫を自慢する亜生さん

愛猫を自慢する亜生さん/撮影・chiai

猫ちゃんたちのために芸人をやっていると語る亜生さん。助六を拾ったころは、まだ仕事が少なく暇だったと話しますが、今や東京進出を果たし大活躍。多くの猫たちを救った亜生さんの活躍を支えているのは、保護された猫ちゃんたちなのかもしれません。そんな亜生さんに次回もたくさんお話を伺います。次回の配信は12月28日(土)です。

取材・文/上原かほり 編集/mofmo 編集部 古川

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